証券外務員資格試験 01


証券外務員資格試験とは、証券会社などで証券業務に携わるため、金融庁に証券外務員として登録する際に受験する資格です。
銀行でも株式等の証券が取り扱いができるようになったため、証券外務員の資格を持った即戦力へのニーズは、人材紹介・派遣市場などでも高まってきているため、証券・銀行業界で働きたい人は是非取得しておきたい資格です。証券会社などで信用取引や先物取引、オプション取引以外の有価証券の勧誘など、証券に関する営業活動を行います。

証券外務員資格試験の試験内容

一種 二種
試験内容 出題科目の実務的、専門的な知識及びコンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項 出題科目の基礎的知識及びコンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項
出題形式 〇✕方式及び五肢選択方式(語句選択方式、計算問題)
問題数 合計100問
(〇✕方式70問、五肢選択方式30問)
合計70問
(〇✕方式50問、五肢選択方式20問)
試験時間 2時間40分 2時間
合格基準 満点の7割以上の得点

〇出題科目
〔法令・諸規則〕
・金融商品取引法及び関係法令
・金融商品の勧誘・販売に関係する法律
・協会定款・諸規則
・取引所定款・諸規則

〔商品業務〕
・株式業務
・債券業務
・投資信託及び投資法人に関する業務
・付随業務
・デリバティブ取引(一種外務員資格試験のみ)

〔関連科目〕
・証券市場の基礎知識
・株式会社法概論
・経済・金融・財政の常識
・財務諸表と企業分析
・証券税制
・セールス業務

証券外務員資格試験 試験で問われるもの

証券外務資格を取得するには、「①協会員の役職員等が受験する場合」、「②一般の方が受験する場合」の方法がありますが、基本的には②の一般受験で通常の資格試験と同様に試験に合格して取得することになります。
金融系の企業に所属している必要はなく、一般の方も受験することが可能です。金融機関の職員向けに、金融商品の取引に必要な知識を有しているかを問う問題が出題されますが、株の取引き等で個人で資産運用を考えている方も有益な知識を学ぶことができるため、一般の方であっても資格取得を目指すことはオススメです。
受験者は試験会場に設置されているPCで、〇✕方式及び五肢選択方式の出題に解答を行います。

試験は「法令・諸規則」、「商品業務」、「関連科目」のカテゴリーから出題され、
法令・諸規則については、証券取引法及び関係法令、投資信託及び投資法人に関する法律並びに関係法令、証券業協会定款・規則等、証券取引所定款・規則等
などについて問われます。
商品業務については、株式業務、債権業務、投資信託及び投資法人に関する業務、付随業務などについて問われます。
関連科目については、証券市場の基礎知識、株式会社法概論、経済・金融・財政の常識、財務諸表と企業分析、証券税制、セールス業務などについて問われます。

証券外務員試験の過去問と重要事項

経済、金融、財政

所得の増減と消費性向
・民間の消費支出を決定する重要な要因は、所得の増減と消費性向の変化である
・所得の増減と消費性向の変化をとらえる指標としては、所得、可処分所得、消費性向、家計貯蓄率がある
・日本経済の最終需要の中で、民間最終消費の占める割合は約60%ある
・民間最終消費は、最終需要項目としては最大である

所得、可処分所得、消費性向、家計貯蓄率
・所得=雇用者報酬+財産所得+混合所得+社会保障給付
・可処分所得=所得-所得税-(健康保険料+年金保険料+雇用保険料)
・消費性向=消費支出/可処分所得
・家計貯蓄=可処分所得-消費支出
・家計貯蓄率=家計貯蓄/可処分所得

企業物価指数 CGPI
・企業間で取引される財の価格の水準を指数値で示したもの
・国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数を調整した参考指数である
・日本銀行が発表する
・国内にインフレ要因がなくても、海外の商品市況や円相場の影響を受ける
・日本は、原材料の多くを輸入に頼っているため、受ける影響が大きくなる

消費者物価指数 CPI
・家計が購入する消費財やサービスの小売価格の水準を指数値で示したもの
・総務省が発表する
・直接税や社会保険料等の非消費支出、土地や住宅等の価格は対象外
・所得税や社会保険料の増減、土地等の不動産の価格変動があっても、消費者物価指数には影響しない

企業向けサービス価格指数 SPPI
・企業間サービスの価格を把握する指数である
・日本銀行が発表する
・消費者物価指数(CPI)の先行指標であるため、消費者物価指数(CPI)より先に変化が現れる

GDPデフレーター
・国内総生産(GDP)に計上されるすべての財サービスを含む
・消費者物価指数(CPI)よりも包括的な物価指標である
・GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP ×100

物価と金利
・インフレーション(インフレ)=物価が継続して上昇する現象のこと
・デフレーション(デフレ)=物価が継続して下落する現象のこと
・インフレが起こると、損なわれる機能は次の3つである
 ① 通貨の価値が不安定になり、通貨の価格尺度としての機能が低下する
 ② 値上がりを期待して売らない傾向が増え、通貨の交換手段としての機能が低下する
 ③ 通貨価値が目減りするため、通貨の貯蔵手段としての機能が低下する
・名目金利とは、日常生活で見聞きする金利のことをいう
・名目金利と実質金利、予想物価上昇率を表す方程式をフィッシャー方程式という
・名目金利=実質金利+期待インフレ率
・フィッシャー効果とは、物価上昇が激しいとき、それを予想してお金の貸し借りを行うと、予想物価上昇率が大きくなり、名目金利も上昇する効果である
・長期的に見ればマネーストックが増えると物価が上昇する、正の相関関係が両者にはある
・マーシャルのkとは、マネーストックが経済活動水準に対して多いか少ないかを測る指標の一つである
・マーシャルのk=マネーストック/名目GDP

証券市場の知識

国民負担率と国債費
・国民負担率は、国民所得に対する租税+社会保障負担の比率によってあらわす
・社会保障負担とは、国民年金、厚生年金、介護保険、雇用保険などの金額の合計である
・年々、国民負担率は高まっている
・国債費とは、過去に発行した国債の元利払いのための支出のことである
・国債費は、一般会計において社会保障関係費に次いで大きな支出である

主な証券関係機関
①証券取引等監視委員会
・インサイダー取引・証券会社の損失保証・損失補填・相場操縦・有価証券報告書の虚偽記載などの公正を損なう行為について、強制調査権をもつ機関
②証券保管振替機構
・国債以外の有価証券の決済、管理業務を集中的に行う、日本で唯一の証券決済機関である
③投資者保護基金
④日本証券金融
・金融商品取引法に基づき、内閣総理大臣の「免許」を受けた証券金融専門の株式会社である

信用取引

信用取引の勧誘自粛
信用取引の勧誘を自粛するよう定められている銘柄は2つある
 ① 金融商品取引所、認可会員が信用取引の制限、禁止措置を行っている銘柄
 ② 証券金融会社が貸株利用等の申込制限、申し込み停止措置を行っている銘柄
信用取引の勧誘を自粛するように定められている銘柄に加え、以下2つの銘柄についてはその内容を説明しなければならない
 ③ 金融商品取引所、認可会員が信用取引に係る委託保証金の率の引き上げ措置を行っている銘柄
 ④ 証券金融会社が貸株利用等に関する注意喚起通知を行った銘柄

先物取引

先物の理論価格
・先物の理論価格(F)=現物価格(S)+{現物価格(S)×(短期金利(r)ー利率または配当利回り(d))×満期までの日数(T-t)/365日 }

キャリーコスト
キャリーコスト
・現物価格(S)×(短期金利(r)ー利率または配当利回り(d))×満期までの日数(T-t)/365日の部分のこと
・短期金利で借金をし、現物(日経平均に対応する株式や国債)を買ったらいくらかかるかを計算したものである(受け取る配当や利子は差し引きして求めること)
・株式先物は、通常r>d、株式の配当利回りより短期金利の方が高いのでキャリーコストは生の値となる
・先物(理論)価格は現物価格より高くなり、キャリーコストが生の値であることを「先物がプレミアム」という
・債券先物は、r<d、キャリーコストは負の値となる
・キャリーコストが負の値であることを「先物がディスカウント」という

国債先物取引の種類
・中期国債先物:償還期限5年、利率年3%、取引単位は額面1億円の架空の国債(中期国際標準物)が取引対象になる
・長期国債先物:償還期限10年、利率年6%、取引単位は額面1億円の架空の国債(長期国際標準物)が取引対象になる
・ミニ長期国債先物:取引単位を長期国債先物取引の10分の1にした先物取引であり、受渡決済はなく差金決済になる
・超長期国債先物:償還期限20年、利率年3%、取引単位は額面1億円の架空の国債(超長期国際標準物)が取引対象になる

投資信託、投資法人の業務

解約可否
・解約とは、受益者の請求により、発行証券の発行者である委託会社が投資信託財産を直接取り崩し、支払いに応じることである
・解約は、投資家の所有口数の範囲内で、全部でも一部でも可能である

オープンエンド型のポイント
オープンエンド型のポイント
・オープンエンド型とは、委託会社が発行証券を買い戻すことができるファンドである
・オープンエンド型の買戻し価格は、純資産価格、基準価額に基づいて行う

クローズドエンド型のポイント
クローズドエンド型のポイント
・クローズドエンド型とは、解約または買戻し、それらによる基金の減少が原則行われないファンドである
・クローズドエンド型は市場でしか売買されないため、基金の純資産価格とは必ずしも一致するものではない
・クローズドエンド型は買戻し義務がないため、オープンエンド型と比べると基金の資金量が安定している
・クローズドエンド型は、不動産など流動性の低い投資対象資産に向いている

混同しがちなポイント
・オープンエンド型のうち、あらかじめ一定期間解約禁止期間を設けている投資信託があり、その解約できない期間のことを「クローズド期間」という

投資信託委託会社と委託会社
・委託会社とは、金融庁長官から投資運用業の登録を受けた会社である
・委託会社は金融商品取引業者のうち、投資運用業を行う者に限られる

委託会社の業務
委託会社の主な業務は7つある
 ① 投資信託契約の締結、投資信託約款の届出・変更
 ② 投資信託財産の設定
 ③ 投資信託財産の運用の指図
 ④ 投資信託財産に組み入れた有価証券の議決権等の指図行使
 ⑤ ファンドの基準価額の計算、公表
 ⑥ 目論見書、運用報告書などのディスクロージャー作成
 ⑦ 投資信託契約の解約、ファンドの償還

投資信託約款
・投資信託約款とは、委託会社が投資信託財産の規模・運用方法などの具体的事項を定めたものである
・委託会社が受託者と投資信託契約を締結する際は、内閣総理大臣に投資信託約款の内容を届け出ること
・投資信託約款の必要記載事項は法定化されている
・目論見書にその内容が記載されている場合などは、例外として委託会社は投資信託を取得しようとする者に対して投資信託約款の書面交付を省くことができる
・投資信託約款を変更する場合は、内閣総理大臣へ届け出ること
・変更の内容が重要な変更である場合、新法信託については受益者の特別多数による書面決議を行うこと
・投資信託解約をする場合も、あらかじめ内閣総理大臣に届け出ること

受託会社の業務
・受託会社は、信託会社・信託業務を営む金融機関のいずれかであること
・受託会社の主な業務は、次の3つである
 ① 投資信託財産の管理
 ② 投資信託委託会社との照合、ファンドの基準価額の計算(
 ③ 投資信託約款の内容や内容変更に関する承諾・同意
・受託会社の中心業務は、投資信託財産の分別保管である
・受託会社は信託財産の名義人となり、受託会社の名義によって管理を行う
・分別保管とは、自己の固有財産である有価証券と、投資信託財産として所有している有価証券を分別して管理すること
・外国証券を組み入れる場合は、現地の金融機関と保管契約を結ぶこと

受益者と受益権
・受益者とは、投資信託契約に基づき信託の利益を受ける受益権を持つ投資家のこと
・投資信託の受益者は、分配金や償還金の受領により、受益権の口数に応じて均等の権利を得る
・受益権の主なものは「分配金・償還金の受領」と「解約・買取りによるファンドの換金請求」である

販売会社の業務
・投資信託の販売会社とは、証券会社(金融商品取引業者)と銀行などの金融機関(登録金融機関)のこと
・委託会社による直接販売も可能である
・指定販売会社とは、投資信託約款に基づき、委託会社の契約によって指定された特定の販売会社のこと
・販売会社の主な業務は、次の4つである
 ① 投資信託の募集の取扱いと売買 (募集は委託会社、取扱いは販売会社が行う)
 ② 分配金や償還金の支払いの取扱い (支払いは委託会社が行い、販売会社はそれを代行する)
 ③ 受益者から買い取ったファンドの委託会社への解約請求、受益者からの解約請求の取次ぎ
 ④ 目論見書、運用報告書の顧客への交付 (目論見書、運用報告書の作成は委託会社が行う)

インデックス運用、パッシブ運用
・日経平均株価やTOPIXなどの指数、インデックスをベンチマークとし、ベンチマークに沿って運用成果を目指す手法のこと

アクティブ運用
・ベンチマークよりも高い運用成果を目指す手法のこと
・アクティブ運用には2つのアプローチがある

トップダウン・アプローチ
・マクロ経済に対する調査や分析をベースにポートフォリオを組成する手法

ボトムアップ・アプローチ
・個別企業に対する調査や分析をベースに、個別銘柄の積み重ねによりポートフォリオを組成する手法

グロース株運用とバリュー株運用
・株式におけるアクティブ運用では、収益の源泉をどこに見出すかによって、グロース株運用とバリュー株運用に分かれる
・グロース株運用とは、企業の成長性を重視した運用である
・バリュー株運用とは、株式の価値と株価水準を比較し、割安な株価の銘柄を選ぶ運用である
・債券ファンドの運用については、次の点を基本とする
  ポートフォリオの平均残存期間、デュレーションを定め、流動性を確保すること
  組入債券の発行体の信用リスクに注目し、必要に応じて銘柄入れ替えを行うこと
  リスク・コントロールにつとめること

乗換えに関する重要事項の説明
・換金と取得の申込みがセットで行われる乗換えの勧誘では、乗換えに関する重要事項を説明すること
・乗換えに関する重要事項とは、ファンドの形態や状況、解約するファンドの状況、乗換えに係る費用のことである
・説明義務のない例外は、換金がMMF(マネー・マネジメント・ファンド)やMRF(証券総合口座用ファンド=マリー・リザーブド・ファンド)などの場合である

交付運用報告書の記載事項
・交付運用報告書の主な記載事項は、次の4つである
 ① 当該投資信託財産の運用方針
 ② 当該投資信託財産の計算期間中における資産の運用経過
 ③ 運用状況の推移
 ④ 株式の主要な銘柄、公社債の主要銘柄ごとの、当期末現在における時価価額の投資信託財産の純資産額に対する比率

金融商品取引法

有価証券売買の媒介、取次ぎ、代理
・媒介とは、他人間の取引の成立に尽力することである
・取次ぎとは、委託者の計算や顧客の資金計算で、自己の名や金融商品取引業者の名前において、有価証券を買い入れ、売却することを引き受けること
・取次ぎは、ブローカー業務ともいわれる
・個人投資家が株を売買するときは、有価証券の売買の取次ぎにあたる
・代理とは、委託者の計算や顧客の資金計算で、委託者の名や顧客の名前において、有価証券の売買等を引き受けること

有価証券の引受け
有価証券の引受け
・有価証券の引受けとは、有価証券の募集・売出し・私募・特定投資家向け売付け勧誘等に対し、発行体・売出人のために販売を引き受けること
・法的には買取引受け、残額引受けの契約を結ぶことである
・有価証券の全てあるいは一部を取得することを、「買取引受け」という
・売れ残りを取得することを、「残額引受け」という
・発行体・売出人から直接引き受けることを「元引受け」という
・金融取引業者が「元引受け」を行う場合は、第一種金融商品取引業を行う者として内閣総理大臣の登録を受けること

有価証券の売出し
・有価証券の売出しは、すでに発行された有価証券の売付けの申込み、買付けの申込みの勧誘により、区分に応じて2種類に定められている
・「第一項有価証券」は、50名以上の多数を相手方として行う場合
・「第二項有価証券」は、売出しに係る有価証券を500名以上の相当程度多数者が所有することとなる場合

証券外務員は、経済・金融についての専門知識を持つプロフェッショナル

証券外務員には、投資家保護の観点から、金融商品に関する専門知識や法令規則を順守し、 公正健全な取引をすることが求められています。 日本証券業協会では、この外務員の資質を担保するために、外務員試験制度を整備しています。 外務員試験の合格したものは、協会に外務員登録をしなければ、その業務を行うことができません。 また、最新の知識や法令知識を身につけるために、定期的な更新研修を所定期間内に受講することが求められています。

証券外務員とは、日本証券業協会の会員となっている証券会社や銀行等の金融機関に所属し、 有価証券の募集や売買の勧誘など、金融商品取引業務を行うもののことをいいます。 証券外務員の業務に携わるためには、外務員資格試験に合格した上で、 金融商品取引法の規定により、金融庁への登録を済ませる必要があります。 証券外務員の資格は、取り扱う種類により6段階に分かれており、 上位の資格を取得すると先物、デリバティブなど、リスク性の高い金融商品も担当できるようになります。

証券外務員は、証券会社や銀行などの窓口で顧客に対応し、または顧客のもとを直接訪問して、 株式や国債などの有価証券の勧誘や売買の手続きなどを行うことを主な業務としています。 近年は、金融商品の販売に関して、投資家保護の観点から、重要事項の説明などが義務付けられています。 経済・金融についての専門知識を持ち、こうした説明責任を果たすことも、証券外務員の重要な役目のひとつになっています。

 

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