職業訓練指導員試験 01


職業訓練指導員試験は、職業訓練を指導する指導員になるために必要な資格試験となっています。職業訓練は全国の公共職業能力開発施設や、障がい者へ向けた職業訓練校、離職者に向けた「ものづくり」分野といった場所で行われており、試験や講習内容は各都道府県によって異なります。試験は学科試験と実務試験の2つに分かれており、試験免許職種は123職種にものぼります。毎年すべての免許を試験するのではなく、年度によって実施される科目は異なるため、受けたい職種が決まっている人はいつ試験が行われるのかチェックしておかなければなりません。試験免許には、「建築」「機械」「理美容」「自動車整備」「電気」などさまざまなものがあります。

職業訓練指導員の免許証申請

職業訓練指導員の免許証申請を行うには下記の方法があります。
・職業能力開発総合大学校の長期課程または専門課程の指導員訓練を修了した者(講習)
・都道府県の実施する職業訓練指導員試験の合格者(試験)
・上記と同等以上の能力を有すると認められる資格を有する者

職業訓練指導員試験

受験資格 1.職業能力開発促進法による職業訓練の修了者で一定の
 実務経験を持つ者。
2.中校・高校・大学を卒業後、それぞれ一定の実務経験
 をもつ者。
3.厚生労働大臣指定の専修・各種学校終了後一定の実務
 経験をもつ者。
試験の内容 〇学科試験
・指導方法
・職種の関連学科(系基礎学科・専攻学科)
〇実技試験
・職種ごとに実施

職業訓練指導員講習

受験資格 1.技能検定1級・単一等級合格者
2.高校・短大・大学などで免許職種に関する学科を履修
 し、一定の実務経験をもつ者。
3.職業能力開発促進法による職業訓練の修了者で一定の
 実務経験を持つ者。
講習の内容 講 習 … 6日間/48時間
 職業訓練原理、教科指導法、労働安全衛生、訓練生の
 心理、生活指導、関連法規、事例研究、確認テスト
※所有する資格によって実技試験、学科試験のうち関連学科
 の両方、または、どちらかが免除される。

職業訓練指導員試験 試験で問われるもの

 職業訓練指導員免許の職種は123職種あり、試験は各都道府県ごとに行われます。内容は学科試験と実技試験に分かれており、学科試験には、全職種共通の「指導方法」と、職種別の「系基礎学科」及び「専攻学科」があり、試験方式は択一形式で出題されます。実技試験は職種別に実施されています。各試験は各都道府県ごと異なり難易度にも差があるため、参考書テキストの内容を十分に熟知しておく必要があるでしょう。
 また、一定の免許や資格を所有することにより学科試験と実技試験を免除することが可能なので、先にそちらの取得を目指すのも良いでしょう。

職業訓練指導員試験の過去問と重要項目


職業訓練原理

職業訓練指導員に必要な資質
・指導員は、訓練生の面目を失わせるような指導を行ってはならない。
・指導員は、訓練生の信頼を得ることが大切である。
・指導員は、理想的な職業人であることが求められ、仕事に積極的に取り組む態度、自らの使命を全うする態度、チームワークやリーダーシップを発揮する態度が必要となる。
・指導員は、担当する訓練科や職種に関する豊富な知識と高い技能を持っていなければならない。
・指導員は、知識や技能を効果的に指導する能力を持たなければならない。
・指導員は、職業訓練の目的、職業訓練に関するさまざまな具体的な取組みの理念をよく理解しなければならない。

職号訓練基準
・職業訓練基準には、教科内容や訓練時間、訓練施設・設備に関して、示されている。
・長期間の訓練課程を実施する場合、施設の長は訓練生に対して必要な技能及びこれに関する知識を習得したかどうかを検証することを目的とした技能照査を実施することが義務付けられている。
・職業訓練の実施の基準となっている訓練基準が社会的あるいは地域的なニーズに応えられるものとなっていなければならない。
・短期課程の普通職業訓練は、柔軟かつ多様な職業訓練の実施という観点から、在職労働者、高齢者、離転職者等のさまざまな者が対象となり得るものである。
・長期間の訓練課程では、技能・知識に共通性の多い職種に対応した訓練科を「訓練系」としてまとめ、この下で、専門的な技能・知識を付与する「専攻科」を設けることにより訓練を行うこととしている。

職業能力開発促進法の目的
・職業訓練と職業能力検定の内容の充実強化、その実施の円滑化のための施策、労働者が自ら職業に関する教育訓練、職業能力検定を受ける機会を確保する。
・施策等を総合的かつ計画的に講ずることにより、職業に必要な労働者の能力を開発し、向上させることを促進する。
・職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済と社会の発展に寄与することを目的とする。

職業訓練指導員の役割
・訓練生や在職労働者は支援し、企業を支援する役割も求められている。
・各業務を合理的に効率よく実施するためのシステム作りの牽引役となる役割がある。
・研修を受ける等、常に自己の専門分野の能力を高める役割がある。
・求められる能力はどのようなものか、実際の職場とその環境を理解する役割がある。
・訓練に対するニーズを満たすため、訓練の計画を立案し、評価する役割がある。

教科指導方法

訓練計画の作成
・訓練計画のための調査の方法のうちの1つである「聞き取り(インタビュー)調査」で得られる回答は、一般性及び客観性は十分ではないが、細かいニュアンスや価値観を調べることに有効である。
・計画する職業訓練が省令(職業能力開発促進法施行規則)の別表に定める訓練に該当する場合は、別表の訓練科ごとに定められた教科や大枠の訓練時間を標準として考慮する必要がある。
・訓練計画を作成する際、まず省令(職業能力開発促進法施行規則)第10条から第15条に規定する訓練基準を参照する。
・教科編成指導要領は教科を編成する際の指針であり、これをふまえ、ニーズに沿った訓練を実施するよう工夫することが大切である。
・省令(職業能力開発促進法施行規則)の別表に定める訓練のうち、別表第二(普通課程の普通職業訓練)については、厚生労働省が教科編成指導要領を策定している。

実技訓練の初期において考慮すべき点
・悪い習慣に陥ることに繋がる、早さを競わせるなどは避ける。
・正しい作業方法と労働安全に関する指導を含める。
・悪い習慣がつかないように、正しい作業態度、作業習慣の形成をはかる。
・実習前の準備や終了後の整理整頓も訓練に含まれる。
・機械の台数が足りない場合には、実習をただぼんやりと見学させるだけではなく、班編成により他の設備の利用による実習を並行して行う等、訓練時間を最大限に活用する。

実技試験の留意事項
・一対比較法は、製作された過大作品を相対比較して優劣及び順位をつける評価方法である。
・一対比較法は、簡便であるが、評定基準が評定者の勘によるところが大きいため、作品内容の分析に欠点がある
・数人を班別で試験を行う時は、統一した条件下で行う。
・寸法精度は判定箇所ごとに配点を行い、総得点は100点とする必要はない
・記述尺度法は、評価の観点を設定し、基準を設けて技能の習得状況を測定する。

訓練実地計画の留意事項
・省令(職業能力開発促進法施行規則)第10条に示す、普通課程の訓練期間及び訓練時間は、一定の基準を示したものであり、これを延長または削減することはできない
・企業ニーズに合致した有能な人材を、効果的に育成できる内容の設定が重要である。
・訓練の計画予定表及び時間表の作成に当たっては、特定の学科と特定の実技を関連付ける実施時期とする。
・訓練目標として、訓練修了時に訓練生が到達すべき知識・技能の高さと幅を具体的に決めておくことが大切である。
・訓練課題の選定では、訓練生に教えるべき内容を具体的に決めていく必要があり、例えば、普通課程の機械系機械加工科では、機械加工技能検定2級の旋盤作業の課題に含まれているような作業の要素も必要となる。

指導の進め方の留意事項
・人が発揮する仕事の能力は、知識、技能、技術の3つの要素で構成されている。
・指導するという行為の意味は、訓練生が問題を解決するために必要なことができるように、学習を援助することである。
・指導の原理には、どうすれば理解しやすいか、どうすれば学びたい気持ちになるかという2つの視点がある。
・Off-JT の良い点は、体系的に、しかも一定期間で計画的に学ぶことができることである。
・指導においては、どのような順序で学べば理解しやすいか、どのような課題に取り組めば興味を持てるか等、訓練生が学習しやすい環境を提供するという視点が必要である。

指導案を作成する理由
〔指導案を作成する目的〕
訓練の引継ぎが容易になる
・訓練の改善が容易になるため。
・訓練中の言い忘れや脱線を防ぐため。
・自信を持って訓練を展開するため。
・訓練の内容を明確にするため。
〔指導案を作成する目的ではないもの〕
上司に業務報告を行うため。

訓練中の話し方
・話の速度:所定の時間にできるだけ多くのことを伝えるためであっても、熱心に早口になることは避ける
・話し方:時には、訓練生の顔色や態度を見ながら適度にユーモアやジェスチャーをいれるようにすることがよい。癖をつける話し方は極力排除する必要がある。
・声量:教室や実習場で、1番後ろの人がちょうど聞こえる声量に調整する必要がある。
・専門用語:新しい専門用語を使うときは、初めにその意味を説明し、できるだけくだいて、訓練生に親しみのある日常語で話す方が良い。

実技指導の進め方
・感覚運動系技能は、単純に手順を繰り返えしでは習得は難しい
・感覚運動系技能を伝える第一段階は、その技能に含まれている要素行動を抽出し意識化する過程である。
・知的管理系技能を伝えるには、小さな仕事から大きな仕事へとステップアップしていく方法がよい。
・知的管理系技能の難しさは、使われている条件、規則、規格、機能などのルールの範囲が広く、どのルールを適用すればよいかを判断しきれないことにある。
・実技指導の4段階とは導入、提示、実習、総括である。

訓練生の心理

訓練生の理解の方法
・行動観察は、上司や同僚などの意見や見方を取り入れ、観察者の主観的によりゆがめられないように注意をする。
・中高年齢者への対応としては、自己啓発意欲を尊重し、技能・知識が効率的に習得できるよう積極的に支援することが必要である。
・人格を尊重し、指導員自らの自己開示にも努め、相互の信頼関係を醸成する。
・訓練生一人ひとりの知識や情報、記録を分析、管理する。
・日常生活の自然でありのままの行動を観察し、その変化を見ながら行動を分析する。

障がいのある訓練生の理解
・「特別な配慮を要する訓練生」には、障がいがあることを伏せている訓練生も含まれる
・障がいといってもさまざまなものがあり、たとえ同じ障がいであっても、皆同じではない。
・障がいのある当事者自らが努力するのは大切であるが、個人の努力でカバーできることには限りがあるため、環境に働きかけ、支援にあたることも望まれる。
・知識として障がいを知っておくことは大切であるが、障がいによってその人を見るのではなく、個人を見るということを意識しておく必要がある。
・障がい者に対する職業能力開発は、障害者職業能力開発校に加え、一般の職業能力開発施設においても、可能な限り受け入れることが推進されている。

ハヴィガーストの生涯発達心理
〔中年期の心理的特徴の発達課題〕
・成人としての社会的・公民的責任を果たす。
・身体的・生理的変化を受容し、適応する。
・職業生活を充実させ、一定の生活水準を維持・確保する。
・自立する子供が社会へ向かうのを援助する。
〔青年期の心理的特徴の発達課題〕
社会的に責任のある行動を求めそれを成し遂げる

技能の習熟
・技能の水準が高くなり上達するほど、さらに上の段階にのぼるのは難しくなる。
・技能の習熟状況は、個人差が見られる
・1つの技能の習熟により他の技能に影響を及ぼすことがある。
・技能がある程度上達し、安定した一定の型を備えるようになると、反復して練習しても訓練効果が現れにくくなる
・練習の効果を上げるためには、練習の質的な改善が行われる必要がある。

生活指導

カウンセリング
・カウンセリングは話し合うことが大切でありが、相談や助言ということも含んでいる。
・職業能力開発施設や職場に適応するために、重要なことがらについての情報を与えること。
・訓練生の持っている問題を解決するために役立つような、その訓練生に関する資料を得ること。
・訓練生が自己の適性、興味、能力などを理解するように助力すること。
・進路選択の計画を助けること。

生活指導上の留意点
職業意識の啓発等の生活指導を行い、働くことの理解を深めさせる。
・個人生活や心情に必要異常に踏み込むような生活指導は避けなければならない。
・職業訓練における生活指導は、技能訓練とは切り離さずに考え、行うことが重要である。
・生活指導は、社会経験が乏しい若年者だけでなく、すべての訓練生に対して行うことが重要である。
・生活指導は、全ての職員の協力によって成果が達成されるべきものである。

職業能力開発関係法規

労働基準関係法令
・労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分以上、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
・労働基準法において就業規則に必ず記載しなければならない事項は、始業・終業の時刻、休憩時間、休日・休暇及び交代制勤務、賃金、退職に関する事項である。
・使用者は、労働者に対して、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない。
・労働時間は、原則として、休憩時間を除いて、1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはいけない。
・常時10人以上の労働者を使用する事業者は、文書で就業規則をつくり、これを一定の作成手続きを経て労働基準監督署長へ届け出る義務を負っている。

職業能力開発促進法
・事業主等が、認定職業訓練を実施するため、社団又は財団を設立している場合は、その社団又は財団は都道府県知事の認可を受けて職業訓練法人となることができる。
・事業主等が行う訓練のうち、その内容が職業訓練の水準の維持向上のための基準に適合するものについては、都道府県知事の認定を受けて職業訓練を行うことができる。
・事業主は、雇用する労働者の職業能力の開発・向上が段階的・体系的に行われるよう努めなければならない。
・事業主は、事業内職業能力開発計画の作成及びその実施に関する業務等を担当する職業能力開発推進者を選任するよう努めなければならない。
・公共職業訓練及び認定職業訓練における職業訓練指導員は、原則として都道府県知事の免許を受けた者でなければならない。

(R2)

職業訓練指導員試験の難易度は都道府県によって異なる

職業訓練指導員資格を取得するためには例えば①職業能力開発総合大学を卒業すること②実務経験があり試験に合格すること③講習を修了する④検定試験に合格する、といったことが挙げられます。さらにその後、各都道府県で実施されている通称48時間講習を受講する、あるいは職業訓練指導員試験を受け合格する、そして職業訓練指導員免許申請を行いそれが通った後、晴れて職業訓練指導員の免許を取得することが可能になります。どのルートで職業訓練指導員の免許を取得するかは自身で選ぶことができますが、そうした資格を得られる大学校を出ていない、あるいは実務経験のない人は、まずは技能検定試験を受験するのが一番の近道です。

一例として、東京都での試験内容を見てみましょう。東京都の試験では学科試験として①指導方法②系基礎学科③専攻学科の3つが行われています。それぞれの試験時間は90分、60分、60分で合計3.5時間です。学科試験のほかに実技試験もあります。講習は6日間で行われ、9時頃~18時頃まで毎日実施されます。そのスケジュールは、1日目「職業訓練原理」「訓練実施計画」、2日目「指導の準備」「指導の進め方」「労働安全衛生」、3日目「関係法規」「教材の活用」、4日目「訓練評価」「事例研究」、5日目「訓練生の心理」、6日目「生活指導」「確認試験」というようになっています。職業能力開発総合大学校の長期課程などを修了した者については、これらの試験と講習を受けずに無試験で取得することが可能です。

職業訓練指導員試験の合格基準は、実技試験は60%以上の得点率、学科試験は指導方法について60%以上の得点率が必要とされます。受験の合格率は30%~50%、講習の合格率は90%です。ただし難易度は都道府県により異なり、科目によって人気の度合いも大きく変わってきます。試験日程は年に一度、全国各地で行われます。試験の勉強法は、過去問から出題傾向の分析を行い、高い確率で予想的中させて無駄を省くことにあります。また、試験前は、余裕のあるスケジュール管理が必要です。ゆとりと余裕が脳を活性化させ、強い集中力を生みだします。確実に合格点が獲れる試験対策を使って準備をしましょう。「今年で合格してしまいたい」を応援しますよ。


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