玉掛技能者とは?試験の難易度・合格率・勉強法・過去問・解答速報をご紹介!


玉掛技能者とは

ワーヤーロープである玉掛け用具を用いて、クレーンなどの吊り具に、重量物を掛けるときには、玉掛け技能者という資格が必要です。これは、労働安全法規則に定めらていることで、重量1トン以上の玉掛をする際に必要な資格です。この資格を取得する試験が、玉掛技能者試験で、合格者は玉掛け技能者の資格を持つことができます。
建設現場では、クレーンに限らず、重量物を引き上げ、移動することは日常的に起きることで、玉掛技能者の資格は、建設現場では必須の資格です。玉掛技能者試験は、講義をしっかり聞き、テキストに目を配って重要事項を押さえれば、難易度は高くないと言えます。玉掛技能者試験の受験資格は、18歳以上であれば誰でも受験することができます。

玉掛技能者試験の受験情報

■受験資格:18歳以上

■講習内容
・学科試験
①クレーン等に関する知識(1時間)
②クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識(3時間)
③クレーン等の玉掛けの方法(7時間)
④関係法令(1時間)
⑤学科試験
・実技試験
①クレーン等の玉掛(6時間)
②クレーン等の運転のための合図(1時間)
③実技試験
※その他、所有免許、実務経験等で講習時間が違います。

玉掛技能者試験 試験で問われるもの

玉掛技能者講習の講習科目や時間数は玉掛け技能講習規程(昭和47年労働省告示第119号)で定められています。学科・実技ともに講習内容の習熟の確認として最後に修了試験が行われ、それに合格することで資格を取得することができます。

科目 出題内容
①クレーン等に関する知識 種類及び型式、構造及び機能、安全装置及びブレーキ
②クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識 力(合成、分解、つり合い及びモーメント)、重心及び物の安定、摩擦、質量、速度及び加速度、荷重、応力、玉掛用具の強さ
③クレーン等の玉掛けの方法 玉掛用具の選定及び使用の方法、基本動作(安全作業方法を含む。)、合図の方法
④関係法令 労働安全衛生法、令、安衛則及びクレーン等安全規則中の関係条項
⑤クレーン等の玉掛 質量目測、玉掛用具の選定及び使用、定められた方法による〇・五トン以上の質量を有する荷についての玉掛けの応用作業
⑥クレーン等の運転のための合図 手、小旗等を用いて行う合図

玉掛技能者試験の過去問と重要項目

クレーン等に関する知識

定格荷重、定格速度
・定格荷重とは、デリックの構造及び材料並びにブームの傾斜角に応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具分を差し引いた荷重をいう。
・定格速度とは、定格荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、旋回などの作動を行う場合のそれぞれの最高の速度をいう。

つり上げ荷重
・ブームを有するデリックで、つり上げ荷重とは、ブームの傾斜角を最大にしたときに構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。

作業半径、旋回
・作業半径とは、旋回中心とつり具中心との水平距離をいう。
・作業範囲とは、デリックの各種運動を組み合わせてつり荷を移動できる範囲をいう。
・旋回とは、ブームを有するデリックで、旋回中心を軸としてブームが回る運動をいう。

傾斜角
・ブームの傾斜角とは、ブームの中心線と水平面とのなす角をいう。
・ジブの傾斜角とは、ジブクレーンのジブの基準線と水平線とのなす角をいう。
・作業半径が大きくなると、傾斜角は小さくなる。

フックの形式用途
・フックは、形状、材質、強度などによる条件に適応するため、一般に鍛造によって成形されている。

リフティングマグネットの形式用途
・リフティングマグネットは、電磁石を応用したつり具で、不意の停電に対してつり荷の落下を防ぐため、停電保護装置を備えたものがある。

クローの形式用途
・クローは、製鋼工場において、熱鋼片やレールなどを扱う天井クレーン等に用いられる専用のつり具である。

バキューム式つり具の形式用途
・バキューム式つり具は、ガラス板などのように表面が滑らかな板状の物を取り扱うときに用いられる。

ワイヤロープの心綱
・ワイヤロープの心綱は、ストランドの中心にあり、繊維心とロープ心がある。ストランドは、 良質の炭素鋼を線引きして作られる。

ワイヤロープ径の測定
・ストランド6よりのワイヤロープの径の測定は、ワイヤロープの同一断面の外接円の直径を3方向から測定し、その平均値を算出する。

フィラー形のワイヤロープ
・フィラー形のワイヤロープは、ストランドを構成する素線の間に細い素線を組み合わせたものである。

シーブの形式用途
・シーブは、ワイヤロープの案内用の滑車であり、ロープの構成、材質などに応じてシーブ径(D)とロープ径(d)との比(D/d)の最小値が定められている。
・エコライザシーブは、左右のワイヤロープの張力をつり合わせるために用いられ、ほとんど回転はしない。

クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識

合力の作用点が重心
・物体を構成する各部分には、それぞれ重力が作用しており、それらの合力の作用点を重心という。

物体の重心は一つ
・複雑な形状の物体であっても、物体の重心は、一つの点である。

重心は内部にあるとは限らない
・重心は、物体の形状によっては必ずしも物体の内部にあるとは限らない。

重心の位置は変わらない
・重心は置き方を変えても、物体に対する重心の位置は変わらない。

位置が低くなるほど安定
・直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は悪くなる。
・直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が低くなるほど安定性は良くなる。

物体を傾けると倒れる
・水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元の位置に戻らないで倒れる。
・水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を通るときは、その物体は倒れない。

円錐体の重心の位置
・円錐体の重心の位置は、円錐体の頂点と底面の円の中心を結んだ線分の円錐の底面からの高さが頂点までの高さの4分の1の位置にある。

重心位置の判定
・長尺の荷をクレーンでつり上げるため、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、玉掛けを行い、地切り直前まで少しだけつり上げたとき、荷が傾いた場合は、荷の実際の重心位置は目安とした重心位置よりも傾斜の低い側にある。
・重心の位置判定が難しい荷をつり上げるときは、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、床面近くで少しだけつり上げ動作を行い、荷がつり上がる直前の段階でつり荷の状態を確認し、荷が水平に上がるまで玉掛け位置の調整を繰り返す。

クレーン等の玉掛けの方法

巻過防止装置を備えていないデリック
・巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止する。

ワイヤロープの乱巻き
ワイヤロープが乱巻きになり始めた場合は、そのまま巻き戻すとワイヤロープが痛み、事故の原因となるため、一且巻き戻しフリートアングルを調整する。

ワイヤロープの引き抜き
・つり荷から玉掛け用ワイヤロープを引き抜く際、デリックの巻上げ動作で引き抜くと、玉掛け用ワイヤロープが荷に引っ掛かり、荷崩れを引き起こすおそれがある。

ワイヤロープの重ね巻き
・みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。

巻下げの操作
・巻下げのときは、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックが多い。

荷の水平移動、横引き、斜め吊り
・荷の水平移動を行う場合は、荷を所要の高さまで巻き上げてから、水平移動に移る。
・荷の横引き、斜め吊りは、行ってはならない。

旋回警報装置
・旋回の制限位置の手前で、ブルホイールに取り付けたストライカにより、リミットスイッチを作動させる旋回警報装置がある。

ブルホイールの旋回
・ブルホイールは、マスト下部に水平に固定された円形の輪である。
・ブームの旋回のためのブルホイールは、マスト下部に水平に固定された円形の輪である。
・ブルホイールによる旋回は、スインガードラムにより、ワイヤロープを介してブルホイールを回転させて行う。
・旋回装置のブルホイールは、マストの下部に設けられている。

起伏装置、巻上げ装置
・起伏装置の起伏用ワイヤロープは、マスト上部のシーブ及びマストステップの下のシーブを経てドラムに巻き取られる。
・巻上げ装置の巻上げ用ワイヤロープは、ブーム先端のシーブ、マスト下部のシーブ、マストステップの下のシーブを経てドラムに巻き取られる。

ウインチの原動機
・ウインチには、単胴式と複胴式がある。
・ウインチの原動機は、台枠後方に取り付けられる。
・ウインチの原動機は、常に一定方向に回転を続け、クラッチ及びブレーキの操作により運転される。

ワイヤロープの点検
・ワイヤロープには、ロープ専用のグリースを塗布する。
・ワイヤロープの点検で直径を測定する場合は、エコライザシーブ付近を避け、フックブロックのシーブを通過する頻度が高い部分の位置で測定する。
・ワイヤロープは、シーブ通過により繰り返し曲げを受ける部分、ロープ端部の取付け部分などに重点を置いて点検する。
・ワイヤロープの心綱には、素線の摩耗を防ぐために油を含ませてあるが、 長時間使用しているうちに油が絞り出されて少なくなり素線の摩耗が增加するので、交換する。

関係法令 クレーン等安全規則

巻過ぎの防止
・クレーンの直動式以外の巻過防止装置は、つり具の上面、つり具の巻上用シーブの上面とドラムその他当該上面が接触するおそれのある物(傾斜したジブを除く)の下面との間隔が 0.25m 以上(直働式の巻過防止装置は、0.05m 以上)となるように調整する。

安全弁の調整
・水圧や油圧を動力に用いるクレーンの安全弁は、定格荷重に相当する荷重(ジブクレーンは最大の定格荷重)をかけたときの油圧に相当する圧力以下で作用するように調整する。

外れ止め装置の使用
・フックに玉掛け用ワイヤロープ等の外れ止め装置を具備するクレーンを用いて荷をつり上げるときは、当該外れ止め装置を使用する。

過負荷の制限
・クレーンは、原則として、定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。

定格荷重の表示等
・クレーンを用いて作業を行うときは、クレーンの運転者、玉掛けをする者がクレーンの定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じる。

運転禁止等
・天井クレーンのクレーンガーダの上において、天井クレーン、近接する建物、機械、設備等の点検、補修、塗装等行うときは、当該天井クレーンの運転を禁止するとともに、天井クレーンの操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければならない。
・運転を禁止せずに、天井クレーンのクレーンガーダの上でクレーンの点検作業を行うときは、作業指揮者を定め、その者の指揮のもとに連絡、合図の方法を定めて行う。

暴風時の逸走防止
・瞬間風速が毎秒 30m を超える風が吹く恐れのあるときは、屋外に設置されている走行クレーンについて、逸走防止装置を作用させる等、その逸走を防止する措置を講じる。

強風時の作業中止
・強風のため、クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない。

強風時の損壊防止
・強風によりジブクレーンのジブが損壊するおそれのあるときは、ジブの位置を固定させる等によりジブの損壊による労働者の危険を防止するための措置を講じる。

運転位置からの離脱の禁止
・クレーンの運転者を、荷をつったままで、運転位置から離れさせてはならない。

組立て等の作業
・クレーンの組立ての作業を行うときは、作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させなければならない。
・作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。
・強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。

定期自主検査
・1か月をこえる期間使用せず、期間中に1か月以内ごとに1回行う定期自主検査を行わなかったクレーンは、その使用を再び開始する際に、所定の事項について自主検査を行う。
・1年以内ごとに1回行う定期自主検査は、原則として、定格荷重に相当する荷重の荷をつって行う荷重試験を実施する。
・荷重試験は、クレーンに定格荷重に相当する荷重の荷をつって、つり上げ、走行、旋回、トロリの横行等の作動を定格速度により行なう。

定期自主検査
・1か月以内ごとに1回行う定期自主検査においては、ワイヤロープ、つりチェーンの損傷の有無について検査を行う。
・1か月以内ごとに1回行う定期自主検査においては、フック、グラブバケット等のつり具の損傷の有無について検査を行う。

玉掛技能者になるには

受験資格

玉掛技能者試験を受験するには、国が指定した教習機関で、玉掛技能講習会を受講し、終了試験、すなわち、玉掛技能者試験に合格する必要があります。玉掛技能講習会の講習内容は、教習所によって少しずつ違いますが、学科講習12時間と実技講習7時間に分けて行われます。

学科講習

学科講習で学ぶことは、クレーンの知識・玉掛方法・玉掛に関する力学的な知識、力学に基ずく玉掛の方法、玉掛に関する法律内容などを受講します。学科講習が終了した後に、終了試験が行われ、60%以上の得点で学科は合格となります。なお、玉掛技能講習会は場所によっては月1回から2回実施しているところもあり、全国各地に教習所が設けられています。そのため、万一不合格であっても、次の月にリベンジすることも可能です。

実技講習

玉掛技能講習の学科が終了すると実技講習に入ります。実技講習の内容は、クレーンの玉掛に6時間、合図のやり方などに1時間の実技講習です。クレーンの玉掛は、吊ろうとする荷物や金属塊などの荷物の重量の大きさや、重点がどこに有るかを探る方法、玉掛用具の選定方法、玉掛の基本動作と荷物のクレーンに玉掛する方法などを実技講習します。その後に、クレーンとの合図の実技を、手や旗を使って行います。

修了試験

実技の講習が終わってから、修了試験として、玉掛と合図の実技演習が行われ、採点後に学科試験の得点と合わせて、玉掛技能者試験の合否が分かります。
玉掛技能者試験の勉強方法は、学科講習で2日ありますので、講義の内容をしっかりと聴き、テキストに重要と思われることは線を入れるかマーカーで印をつけて、講義終了後に復讐することで十分です。

玉掛技能者試験の勉強方法

玉掛技能者試験の勉強方法として、玉掛技能講習の講義中に、講師の方がここは重要ですというようなポイントが指示されますが、そこから玉掛技能者学科試験に出る確率が高いと考え、ポイントを押さえることが勉強方法としては効果的です。玉掛の講義はテキストを見れば十分という考え方もあり、講義中に居眠りをする人がいますが、講師が指摘するポイントを逃すことになり、合格率が下がってしまいます。合否とは別に、もし合格しても、現場で玉掛をするときのミスの要因になりかねず、講義はしっかり聞くべきでしょう。
実技に関しては、職場では玉掛の補助を日常的に行っているはずですので、自分自身は玉掛はできませんが、毎日の仕事の中で先輩などが行う玉掛や合図や玉掛用具などを、しっかり体験していくことで、実技講義も分かり易くなり、実技試験の時も落ち着いてやることができます。

 

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