ビジネス実務マナー検定とは、公益財団法人実務技能検定協会が主催するビジネス系の検定です。簡単にいえば「ビジネス社会における基本的なマナーを身に付けているか」を問われる試験です。出題範囲は①必要とされる資質②企業実務③対人関係④電話実務⑤技能となっているとおり、職場での業務の基礎的な知識があるかどうか、ビジネス社会において基本的なマナーに沿って判断・行動ができているかどうかのほかに、人間関係や会話の仕方などが身に付いているかが問題として出題されます。ビジネス実務マナー検定には3級・2級・1級があり、すべて同じ日程で試験日が組まれます。受験資格条件は特になく、誰でも受験することが可能です。1級に限り、筆記試験合格のあと面接試験が設けられています。
ビジネス実務マナー検定とは
ビジネス実務マナー検定とは、ビジネス社会における基本的なマナーを身に付けているかを認定する試験です。公益財団法人実務技能検定協会が検定試験を主催しています。
ビジネス実務マナー検定は「職場常識の育成」を目的に実施されています。社会人として常識的となる人間関係やマナー、話し方が知識として理解でき、実際に身につけて実行できるかが試験では問われます。
履歴書に記載する場合は、正式名称の「文部科学省後援 ビジネス実務マナー技能検定試験○級」と表記します。
秘書検定との違い
ビジネス実務マナー検定と秘書検定との違いは、対象業務の範囲です。
ビジネス実務マナー検定ではビジネスマン全般を対象としていますが、秘書検定では企業の役員秘書を対象としています。
秘書検定については、下記の記事で詳しく解説しています。
試験日程
ビジネス実務マナー検定は、6月と11月の年に2回実施されています。
第63回 試験日:2022年6月26日(日) 受付期間: 2022年4月7日(木)~5月23日(月)
第64回 試験日:2022年11月20日(日) 受付期間: 2022年9月5日(月)~10月17日(月)
試験地
札幌市、仙台市、東京、横浜市、上越市、松本市、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、熊本市、鹿児島市、那覇市
受験料
- 1級:6,500円
- 2級:4,100円
- 3級:2,800円
- 1・2級併願:10,600円
- 2・3級併願:6,900円
受験資格
受験資格条件は特になく、誰でも受験することが可能です。
合格基準
「理論」と「実技」それぞれで60%以上の得点で合格。
ビジネス実務マナー検定1級
1級では筆記試験合格後に面接試験があり、出題される課題に対してきちんと話すことができ、「ビジネスの場に適応する話の仕方で、水準が普通以上である」、「1級合格者として、ビジネスの場に適応する態度、動作である」といったことが問われます。
試験内容
試験時間:2時間30分
1次試験:筆記試験(記述式)
2次試験:面接
【理論】Ⅰ必要とされる資質 Ⅱ企業実務
【実技】Ⅲ対人関係 Ⅳ電話実務 Ⅴ技能
合格率・難易度
ビジネス実務マナー検定1級の合格率は、2021年11月(第62回)で45.9%、2021年6月(第61回)で50.0%でした。
1級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年11月 (第62回) |
85名 | 39名 | 45.9% |
2021年6月 (第61回) |
68名 | 34名 | 50.0% |
ビジネス実務マナー検定1級の過去問題
ビジネスマナー検定1級の過去問題は、公益財団法人 実務技能検定協会のホームページで一部が紹介されています。
希望以外の部署に配置された新人への対応
人事課の長谷部修一は新人の中村から,「営業がやりたくて入社したのに人事課に配属された。営業は頑張れば成果が数字に表れるが,人事の仕事はそうではないのでやりがいがない。何とかならないか」と言われた。このような場合,長谷部は中村にどのようなことを言えばよいか。箇条書きで三つ答えなさい。
ビジネス実務マナー検定2級
ビジネス実務マナー検定2級は3級で学んだ基礎的な知識をふまえ、さらに詳しく高いビジネスパーソン力が問われます。主なポイントとなってくるのは「どんな状況でも動じない判断力、行動力、表現力を持っているか?」「積極性、合理性、効率性について理解ができているか?」「人間関係のトラブルなどでも対処法に理解があり、一般的な敬語をマスターしているか?」「人から好まれる話し方、受け答えの知識があるか?」「情報活動において整理、伝達ができ、会議での基本的な知識があるか?」というところです。
試験内容
試験時間:2時間10分
筆記試験(マークシート選択式)
【理論】Ⅰ必要とされる資質 Ⅱ企業実務
【実技】Ⅲ対人関係 Ⅳ電話実務 Ⅴ技能
合格率・難易度
ビジネス実務マナー検定2級の合格率は、2021年11月(第62回)で59.5%、2021年6月(第61回)で64.3%でした。
2級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年11月 (第62回) |
1,457名 | 867名 | 59.5% |
2021年6月 (第61回) |
1,338名 | 861名 | 64.3% |
ビジネスマナー検定2級の過去問題
ビジネスマナー検定2級の過去問題は、公益財団法人 実務技能検定協会のホームページで一部が紹介されています。
職場における協調性とは
販売課の飯塚仁史は係長から「君は仕事はできるが協調性に欠けるところがある」と言われた。この協調性に欠けるとはどのようなことをいうのか。次は飯塚が,最近の自分の行動の中から考えたことである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
(1)課長からの注意に納得がいかず,その日一日中ふてくされていたことだろうか。
(2)個人の販売成績を上げるために,自分で集めた情報を誰にも教えなかったことだろうか。
(3)会議の進行役をしたとき,開始時間に集まっていない人を待たずに会議を始めたことだろうか。
(4)課内で紅葉狩りをしようという話が出たとき,「休みの日まで束縛されるのか」と言ったことだろうか。
(5)後輩から仕事の仕方を尋ねられたとき,「やり方は一つじゃないから,自分の思うようにやれ」と言ったことだろうか。
ビジネス実務マナー検定3級
ビジネス実務マナー検定3級では、最も基本的な知識として、最低限身に付けておくべきビジネスマナーが問われます。「適切な行動力、判断力、表現力があるか?」「業務を確実に実行できる力があるか?」「対人関係についての一般的な知識があるか?」「電話実務について最低限の知識があるか?」「実務について基礎的な知識を持っているか?」が主にポイントとなっています。
試験内容
試験時間:2時間
筆記試験(マークシート選択式)
【理論】Ⅰ必要とされる資質 Ⅱ企業実務
【実技】Ⅲ対人関係 Ⅳ電話実務 Ⅴ技能
合格率・難易度
ビジネス実務マナー検定3級の合格率は、2021年11月(第62回)で64.7%、2021年6月(第61回)で65.0%でした。
3級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年11月 (第62回) |
3,193名 | 2,067名 | 64.7% |
2021年6月 (第61回) |
3,339名 | 2,170名 | 65.0% |
ビジネスマナー検定3級の過去問題
ビジネスマナー検定3級の過去問題は、公益財団法人 実務技能検定協会のホームページで一部が紹介されています。
仕事の指示を受け方
次は新人の西原純子が,先輩から仕事の指示を受けたときに行っていることである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
(1)指示された仕事の手順がよく分からないときは,その場で教えてもらっている。
(2)同時に幾つかの指示を受けたときは,どの順番で行えばよいのかを確認している。
(3)指示はメモを取りながら聞き,聞き終えてから数量や日にちを復唱して確認している。
(4)今手掛けている仕事があるときは,それを終えてからになるがよいかと確認している。
(5)指示された期限までにできそうもないときは,誰かに手伝ってもらってよいかと確認している。
ビジネス実務マナー検定の勉強方法
ビジネス実務マナー検定の勉強時間の目安は、1級で約400時間、2級で約250時間、3級で約150時間です。
市販されているテキストを活用し問題集を繰り返し解くことで、独学での合格も十分可能です。
おすすめのテキストは、早稲田教育出版の3冊になります。
- ビジネス実務マナー検定 実問題集1・2級
- ビジネス実務マナー検定 受験ガイド2級
- ビジネス実務マナー検定 実問題集3級
独学に自信がない場合には、資格講座や予備校のセミナーを活用しましょう。