消防設備士試験 01


劇場・ホテル・デパートなどの建物は、その規模や用途、収容人員に応じて、屋内消火設備やスプリンクラー、 自動火災報知設備などの設置が、法律により義務付けられています。 そして、これらの設備の工事や整備を行うには、消防設備士の有資格者が必要になります。 消防設備士の主な仕事は、消防用設備の工事や整備を行うことですが、 消防用設備の説明や理解を深めてもらうのも、消防設備士の仕事になります。

消防設備士試験の概要

 劇場、デパート、ホテルなどの建物は、その用途、規模、収容人員に応じて屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備などの消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置が法律により義務づけられており、それらの工事、整備等を行うには、消防設備士の資格が必要です。
 甲種消防設備士は、消防用設備等又は特殊消防用設備等(特類の資格者のみ)の工事、整備、点検ができ、乙種消防設備士は消防用設備等の整備、点検を行うことができます。工事、整備、点検のできる消防用設備等は、免状に記載されている種類になります。
 消防設備士は、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事、整備に関する新しい知識、技能の習得のため、免状交付を受けた後2年以内、その後は5年以内毎に都道府県知事が行う講習を受けなければなりません。

免状の種類 対応する設備
甲種又は乙種 第1類 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備
第2類 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、
パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、
特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備
第5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
乙種 第6種 消火器
第7種 漏電火災警報器
甲種 特類 特殊消防用設備等

消防設備士試験の試験内容

受験資格 甲種 有り(学歴や卒業学科、保持資格などにより異なる)
乙種 無し
試験内容 甲種 〇特類
・筆記試験
消防関係法令:15問
 工事整備対象設備等の構造・機能・工事・設備:15問
 工事整備対象設備等の性能に関する火災・防火:15問
〇特類以外
・筆記試験
 消防関係法令:15問
 基礎的知識:10問
 消防用設備等の構造・機能・工事・整備:20問
・実技試験
 鑑別等:5問
 製図:2問
乙種 ・筆記試験
 消防関係法令:10問
 基礎的知識:5問
 消防用設備等の構造・機能・整備:15問
・実技試験
 鑑別等:5問
出題形式 筆記試験:四肢択一式
実技試験:写真・イラスト・図面等による記述式
試験時間 甲種特類/2時間45分
甲種(特類以外)/3時間15分
乙種/1時間45分
合格基準 〇甲種特類
各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上の成績を修めた方。
〇特類以外
筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた方。
(試験の一部免除がある場合、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた方。)

消防設備士試験 試験で問われるもの

消防設備士試験は筆記試験と実技試験に分かれており、筆記試験は四肢択一式、実技試験は記述式での解答となります。
筆記試験では消防関係の基礎知識や法令、消防設備などについて出題がされます。問題集や参考書以外にも余裕があれば、法令集や技術解説など文献にも目を通しておいたほうが良いでしょう。
実技試験では、写真・イラストを見て、その用途を説明するような問題や、図面と条件から数値を求めたり、作図を行う問題が出題されます。そのため実技試験の勉強は、解答を丸暗記する方法では得点につなげることができません。解答に至るための手順をよく解説してある参考書や問題集を利用して学習するようにしましょう。

消防設備士試験の過去問と重要項目

機械に関する事項

金属材料のクリープについて
・クリープとは、高温状態で材料に一定の静荷重を加えた場合、時間とともにひずみが増加する現象のことをいう。
・クリープは、応力が大きいほど、温度が高いほど、大きくなる。

非鉄金属材料について
アルミニウムは、鉄の約1/3の軽さで、ち密な酸化被膜を作れば耐食性のよい金属材料である。
・炭素鋼に多くのクロムやニッケルを加え、高温で酸化しにくくし、機械的性質を改善したものを、耐熱鋼という。

金属材料について
・金属材料は、単体にさまざまな元素を含ませた合金として使用されている。
黄銅は、鉄鋼材料ではない。
・鉄鋼材料には、炭素鋼、ステンレス鋼、鋳鉄などがある。

金属材料の引張強さ、許容応力、安全率の関係式
・許容応力とは、材料が耐えうる最大荷重を安全率で除したものである。
  安全率=引張強さ/許容応力
・材料の許容応力の最低限度は、一定の値になる。
・安全率は、材料および荷重の種類などに応じて値が定まる。
・材料の許容応力は、材質、荷重のかかり方、使用条件によって変わる。

炭素鋼の熱処理について
・焼き戻しとは、一度焼き入れしたものを焼き入れ温度より低い温度で再加熱し、徐々に冷却し、鋼に粘り強さを付ける熱処理のことである。
・焼き入れとは、高温に加熱し、急冷させることである。
・焼きならしとは、低温で圧延などの加工を受けた鋼の内分のひずみの除去、材料の軟化などの目的で焼き入れ温度まで加熱した後、徐冷することである。
・焼きなましとは、高温に加熱して炉中、空気中または灰の中なので徐冷することである。

炭素鋼の焼入れについて
焼入れは、材料を硬くして強化するために行う。
・焼き入れは、材料を硬くするために行う。
・焼き入れは、材料を強くするために行う。
・焼き入れの操作は、高温に過熱し、急冷することである。

速度、時間、距離の相互関係を表す式
距離=速度×時間。  S=vt

運動の第2法則
運動の第2法則に従って、加速度aは、力Fに比例し、質量mに反比例する。 F=ma
・運動の第2法則は運動の法則。またはニュートンの運動方程式。
・運動の第1法則は慣性の法則。
・運動の第3法則は作用反作用の法則。

電気に関する事項

抵抗率、導電率の比較
・抵抗率の低い物から順に並べると
  銅 < アルミニウム < タングステン
  銀 < 銅 < 金
・導電率の高い順に並べると
  銀 > 銅 > アルミニウム > 鉄 > 白金 > 鉛
・半導体材料に該当するのは、けい素である。

法則・現象の名称
キルヒホッフの第1法則  … 電気回路網中の任意の分岐点に流れ込む電流の和は、流れ出る電流の和に等しい。
ベーゼック効果     … 異なる2種類の金属の両端を接続して閉回路を作り、両端の接合点に温度差をつけると、閉回路に起電力が発生し電流が流れる。

蓄電池の説明
・蓄電池の容量は、アンペア時(Ah)で表し、十分に充電した電池を放電が終了するまで放置した電力消費量で表される。
・アルカリ蓄電池とは、電解液として強アルカリ性の水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いる蓄電池のことである。
・蓄電池とは、電流を消費して電池能力が低下しても、外部の直流電源から電気エネルギーを注入すれば繰り返し使用できる電池のことである。
・鉛蓄電池とは、電解液に希硫酸、正極に二酸化鉛、負極に鉛を用いた蓄電池のことである。

二次電池の電極と電解液の組み合わせ
・酸化銀電池は、負極に亜鉛、電解液に水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを用いた一次電池である。
・マンガン乾電池は、正極に二酸化マンガン、電解液に塩化亜鉛を使用する。
・ニッケル・カドミウム蓄電池は、正極に水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウム水溶液を使用する。
・鉛蓄電池は、正極にPbO2を、電解液にH2SO4を使用する。

磁気に関する用語
・磁束  … 磁力線の一定量を束ねたもので、単位はWb(ウェーバ)を用いる。
・磁化  … 物質が磁気的性質を持つこと。
・磁界  … 磁気的な力が作用する場所のこと。
・磁力線 … 磁石のN極からS極に向かって、通っていると仮想した磁気的な線のこと。

回路に流れる電流と電圧の位相差
負荷が誘導リアクタンスだけの回路に単相交流電圧を加えた場合、
・回路に流れる電流は、電圧よりπ/2(rad)位相が遅れる。
・容量リアクタンスだけの回路の場合、電流の位相は電圧よりπ/2(rad)位相が進む。

可動鉄片形計器の構造
・可動鉄片形計器は、交流専用の計器である。
・可動鉄片形計器のメモリは、2乗目盛りであり、誘導形や静電形と同じである。
・駆動トルクは、測定電圧または測定電流の2乗に比例する。
・可動鉄片形計器は、簡単な構造であり、精密な測定には適していない。

電流と磁気に関する説明
・磁界中で導体を磁界と直角な方向に動かした場合に発生する誘導起電力は、右手の親指、人差し指、中指を互いに直角に曲げ、人差し指を磁界の方向、親指を運動の方向に向けた場合の中指の方向である。(フレミングの右手の法則)
・磁界内にある電線を磁界とは直角の方向に動かすと、電線にはフレミングの右手の法則による向きに起電力が発生する。
・コイル内を貫く磁束が変化することで生じる誘導起電力の向きは、その誘導電流の造る磁束がもとの磁束の増減を妨げる方向に生じる。
・コイル内を貫く磁束が変化することで生じる誘導起電力の大きさは、その変化する速さに比例する。

電流と磁界との相互作用に関する説明
・2つのコイルを近接して置き、一方のコイルに一定の直流電流を流しても、磁束は変化せず、他のコイルに起電力は生じない。
相互誘導とは、2つのコイルを近接しておき、一方のコイルの電流の磁束が他方のコイルと鎖交することにより、他方のコイルに起電力が発生する現象をいう。
・導体が磁束を切るような動きをして生じる誘導起電力の方向は、フレミングの右手の法則により分かる。
・電磁力とは、磁界中にある導体に電流を流すと導体に力が働くことをいう。
・磁界内でコイルを回転させれば、コイルに起電力が生じる。

電流計と電圧計に関する説明
・分流器は、電流計と並列に接続する。
・倍率器は、電圧計の測定範囲を拡大するときに用いられる。
・電圧計は、負荷と並列に接続し、電流計は負荷と直列に接続する。
・電流計の方が、電圧計よりも内部抵抗が小さい。

消防関係法令

工事整備対象設備等の講習
・講習の受講期間は、消防設備士免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に受講する必要がある。
・講習の実施は、都道府県知事が行う。
・消防設備士免状の交付を受けている者全員が受けなくてはならない。
・期間内に受講しなかった者は、消防設備士免状の返納を命ぜられる場合もある。

都道府県知事が行う工事整備対象設備等の講習
・免状の交付を受けた日から業務に従事している場合でも、免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に受講しなければならない。
・講習を受けた後も、受けた以後における最初の4月1日から5年以内ごとに受講する必要がある。
・講習は消防法第17条10の規定に基づき、消防設備士免状の種類、指定区分に応じて行われる。

消防設備士免状
・消防設備士免状を亡失した者でも、再交付については義務ではない。
・消防設備士は、整備のみを行う場合でも、消防設備士免状を携帯しておかなければならない。
・消防設備士試験に合格した者は、試験を実施した都道府県知事に、免状交付申請を行うこと。
・免状の再交付の申請は、免状を交付または書換えを行った都道府県に申請すること。
・新たに試験に合格しても免状を交付されないケースとしては、消防設備士免状の返納を命ぜられた日から1年を経過しない者が挙げられる。

消防用設備等の工事着工届け
・着工届けは、着工する日の10日前までに届け出る必要がある。
・届出を行うものは、甲種消防設備士のみである。
・着工届けには、設計図書を添付すること。
・工事に着手する場合は、消防用設備等の種類・工事場所・その他必要な事項を届け出ること。

消防設備士でないと行ってはいけない工事と整備
工場に設置する屋内消火栓設備
緩降機本体と取付器具の整備
屋外消火栓設備の開閉弁の整備
危険物整備所に設置する自動作動する火災報知設備の工事
以下のものは、消防設備士でなくても行ってよい工事と整備である。
 ・店舗に設置する消火器の設置工事
 ・病院に設置する非常コンセント設備
 ・図書館に設置する誘導灯
 ・設置義務のある自動火災報知設備の電源のヒューズの交換
 ・屋内消火栓設備の表示灯の交換
 ・設置義務のある屋内消火栓設備の水源の補修
 ・屋内または屋外消火栓設備のホース、ノズルの交換およびヒューズやねじ類など部品の交換

定期点検を有資格者にさせる必要のある防火対象物
(消防長または消防署長の指定を受けたものを除く)
延べ床面積1,000㎡のホテル
延べ床面積1,000㎡の店舗

防火管理者を選任する必要のない防火対象物
・同敷地内にて、収容人員15名の料理店と収容人数13名の喫茶店があり、いずれも所有者が同じである場合。
次のものは、防火管理者を選任する必要がある防火対象物である。
 ・幼稚園で、収容人員が45名の場合。
 ・収容人員が55名の寄宿舎
 ・同敷地内にある2棟のアパートで各20名、35名収容可能、所有者が同じである場合。

消防法令上の特定防火対象物
〔特定防火対象物に該当するもの〕
 ・幼稚園、有料老人ホーム
 ・映画館、劇場、公会堂、集会場
 ・病院、診療所
 ・百貨店、デパート、旅館、浴場
 ・遊技場、ダンスホール、キャバレー、ナイトクラブ
〔特定防火対象物に該当しないもの〕
 ・小学校、・図書館、博物館、美術館
 ・共同住宅、車庫、寄宿舎、下宿
 ・教会、テレビスタジオ
 ・工場、床面積1500㎡の倉庫

消防用設備の設置と防火対象物の数の算定
・耐火構造の床または壁で区画され、開口部がある場合、防火戸が設けられているときでも、同一の対象物として見なす。
・耐火構造の床または壁で区画され、開口部がある場合、ドレンチャー設備が設けられているときでも、同一の対象物として見なす。
・同一敷地内にある2以上の防火対象物は、原則別々の防火対象物として見なす。
・耐火構造の床や壁で区画され開口部のないものは、区画された部分は別々に防火対象とみなす。

共同防火管理協議会の設置が必要なもの
複数の管理権原者がいる防火対象物のうち、共同防火管理協議会の設置が必要なものは、
55m高の事務所ビル。消防長あるいは消防署長の指定がないもの。
次のものは、共同防火管理協議会の設置の必要はない。
・収容人員110人、駐車場と共同住宅からなる複合用途防火対象物で、地階を除いて階数が4あるもの。
・収容人員550人、料理店や映画館からなる複合用途防火対象物で、地階を除いて階数が2のもの。
・消防長あるいは消防署長の指定がない地下街。

消防用設備等の設置単位
・1階がマーケット、2階が共同住宅の耐火構造の場合、出入口が共同であるときは、その他の部分が耐火構造で区画されていたとしても、別の防火対象物とはみなされない。
・複合用途防火対象物の場合、各用途部分を一つの防火対象物として基準を適用すること。
・複合用途防火対象物に自動火災報知設備の基準を適応する場合、全体を一つの設置単位とみなす必要がある。
・地下街の場合、各用途部分を一つの防火対象物としてみなして基準を適応する。

すべての防火対象物に改正後の規定が適用される設備等
・消防法令上、すべての防火対象物に改正後の規定が適用される設備は、非常警報設備である。
以下のものは、すべての防火対象物には改正後の規定が適応されない設備である。
 ・動力消防ポンプ設備
 ・非常コンセント設備
 ・消防機関へ通報する火災報知設備

改正後の規定に適合させる必要がある消防用設備等
・消防法令上、改正後の規定に適合させる必要がある消防用設備は、「展示場に設置されている自動火災報知設備」である。
次のものは、消防用設備等の設置に関する基準が改正された場合でも、適用されない設備である。
 ・工場に設置されている二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備
 ・ラック式倉庫に設置されているスプリンクラー設備
 ・図書館に設置されている連結散水設備

消防設備士試験には甲種と乙種がありどちらも講習の受講が必要不可欠

消防設備の工事や整備を行うためには、消防設備士という資格を取得した者が必要です。 甲種の消防設備士は、自動火災報知機やスプリンクラーといった、消防用設備の工事や点検、整備をすることができます。 乙種の消防整備士は、消防用設備の整備や点検を行うことができます。 消防用設備の工事や設備には、常に新しい知識や技能が必要になるため、都道府県知事が行う講習を定められた期間内に受講する必要があります。


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