自主保全士は、製造業を中心に多くの企業で高く評価されている民間資格です。「検定試験」および「通信教育」を通じて、製造オペレーターに求められる知識と技能を日本プラントメンテナンス協会が認定しています。
この記事では、自主保全士検定試験の概要や難易度、合格率、勉強方法について解説します。
自主保全士とは
自主保全士とは、製造オペレーターに求められる知識と技能を認定する民間資格です。日本プラントメンテナンス協会が資格を主催しています。
製造オペレーターに求められる知識と技能は以下の通りです。
自主保全に関する「4つの能力」
- 異常発見能力
- 処置・回復能力
- 条件設定能力
- 維持管理能力
現場管理に関する「5つの知識・技能」
- 生産の基本
- 設備の日常保全(自主保全全般)
- 効率化の考え方とロスの捉え方
- 改善・解析の知識
- 設備保全の基礎
自主保全士は、以下のようなさまざまな業種で活躍しています。
- 輸送用機械(自動車)
- 化学
- 鉄鋼・非鉄金属
- ゴム・プラスチック
- 金属製品
- 食品
- 電気・電子部品
自主保全士検定試験
自主保全士検定試験は、日本プラントメンテナンス協会が主催している民間資格です。
試験日程
自主保全士検定試験は、毎年10月に実施されています。
例えば、2022年の試験日程は以下の通りです。
- 受験案内:4月1日(金)
- 受験申込み期間:7月4日(月)10:00 ~ 8月19日(金)17:00まで
- 受験票発送:9月30日(金)
- 試験日:10月30日(日)
- 正答例の公開:1月4日(金)10:00
- 認定(合格)者発表:12月12日(月)
- 結果通知・認定証書発送:12月23日(金)
試験地
- 北海道・東北:札幌・千歳・山形・仙台・福島県内
- 関東:水戸・群馬県内・さいたま・千葉・東京・横浜
- 中部:岐阜・静岡・浜松・愛知県内・津
- 甲信越・北陸:甲府・松本・新潟・金沢・富山
- 関西:滋賀県内・大阪・京都・神戸
- 中国・四国:岡山・広島・鳥取・山口・徳島
- 九州:福岡・北九州・熊本・宮崎
受験料
1級:9,350円(税込)
2級:7,200円(税込)
受験資格
1級を受験するには、4年以上の実務経験年数が必要です。
2級の受験には実務経験が求められていません。
実務経験年数は、自己申告です。 虚偽・不正が発覚した場合には、合格が取り消される可能性があります。
生産・製造・保全などの業務に直接従事した場合だけでなく、スタッフとして支援した年数も含みます。過去に従事した年数の加算も可能です。
認定基準
100点満点中、学科試験75点以上かつ実技試験75点以上
解答速報&過去問
自主保全士検定試験の解答速報は、試験日の数日後に日本プラントメンテナンス協会ホームページで公開されます。
日本プラントメンテナンス協会ホームページでは、1級・2級学科試験、実務試験の出題サンプルも確認できます。
自主保全士 通信教育
自主保全士公式サイトでは、自主保全士の通信教育も実施しています。
受講費用はかかりますが、自宅や職場で受講できます。
認定試験は、添削指導を在籍期間内に修了し、自宅や職場で解答し指定日までに返送する形式です。
5単位の添削指導と認定試験に合格することで、自主保全士の資格が与えられます。
検定試験より、通信試験を受講する方が合格率が高くなっています。
自主保全士1級
自主保全士1級で求められる役割と能力は以下の通りです。
職場チーム(小集団)における中心的、リーダー的な存在となり、自主保全を展開する上での計画・立案と実践指導ができる
引用:自主保全士認定制度
試験内容
- 生産の基本
- 設備の日常保全(自主保全全般)
- 効率化の考え方とロスの捉え方
- 改善・解析の知識
- 設備保全の基礎
自主保全士検定試験の範囲(科目・項目・細目)については、自主保全士公式サイトで確認できます。
合格率・難易度
2021年の自主保全士1級では、申込者数4,528人、受験者数4,161人、合格者数2,042人、合格率49.1%でした。
2001年から2021年の累計では、申込者数79,273人、受験者数73,734人、合格者数29,580人、合格率40.1%となっています。
2021年の自主保全士1級の通信教育では、受講者数2,109人、合格者数2,043人、合格率96.9%です。
勉強方法・テキスト
自主保全士のテキストは、自主保全士公式サイトで販売されています。
- 自主保全士検定試験 公式テキスト 2,300円(税別)
- 2021年度版 自主保全士検定試験 学科問題集 1,300円(税別)
- 2021年度版 自主保全士検定試験 実技問題集 1,800円(税別)
自主保全士1級の勉強は、上記3冊で十分対応可能です。
独学が不安な場合には、通信教育の受講も検討してみましょう。
自主保全士2級
自主保全士2級で求められる役割と能力は以下の通りです。
製造(生産)に関わる部門の一員として、自身の業務に従事しながら、自らが関わる設備や工程・作業について自主保全を実践できる
引用:自主保全士認定制度
試験内容
- 生産の基本
- 設備の日常保全(自主保全全般)
- 効率化の考え方とロスの捉え方
- 改善・解析の知識
- 設備保全の基礎
自主保全士検定試験の範囲(科目・項目・細目)については、自主保全士公式サイトで確認できます。
合格率・難易度
2021年の自主保全士2級では、申込者数8,992人、受験者数8,293人、合格者数4,691人、合格率56.6%でした。
2001年から2021年の累計では、申込者数171,146人、受験者数160,615人、合格者数99,192人、合格率61.8%となっています。
2021年の自主保全士2級の通信教育では、受講者数3,234人、合格者数2,833人、合格率87.4%です。
勉強方法・テキスト
自主保全士のテキストは、自主保全士公式サイトで販売されています。
- 自主保全士検定試験 公式テキスト 2,300円(税別)
- 2021年度版 自主保全士検定試験 学科問題集 1,300円(税別)
- 2021年度版 自主保全士検定試験 実技問題集 1,800円(税別)
自主保全士1級の勉強は、上記3冊で十分対応可能です。
独学が不安な場合には、通信教育の受講も検討してみましょう。