手話通訳士試験


手話通訳士は、意思伝達に難のある人との間の、コミュニケーションを行う業務を担当します。 現実の通訳場面では、両者の意見や立場を理解できる得る唯一の存在ですので、極めて重要な任務を果たしています。 手話通訳士の試験の合格を目指しましょう。

手話通訳士試験の概要

手話通訳士とは、聴覚障害者とのコミュニケーションの橋渡しをする重要な役割を担う専門家です。
手話通訳士は、福祉事務所や民間施設、医療施設、ボランティア施設などで働きます。ボランティアが中心ですが、近年福祉社会になっている現在では、会議や講演会、窓口接客などで採用を行うところも増えてきています。十分な経験を積み上げれば、関連施設などに採用され収入も安定します。
手話通訳士の役割は、さまざまな情報を手の動きによって伝達し聴覚障害者と健聴者とのコミュニケーションをはかるバリアフリー社会での重要な仕事です。
手話通訳士の学科試験(四肢択一方式)の内容は、障害者福祉の基礎知識、聴覚障害者に関する基礎知識、手話通訳のあり方、国語などについて問われます。前回、前々回に1次試験に合格している者については、申請により、1次試験が免除されます。
手話通訳士の実技試験の内容は、聞き取り通訳として音声による出題を手話で解答、読み取り通訳として手話による出題を音声で解答などについて問われます。

手話通訳士試験の試験内容

学科試験 実技試験
受験資格 20歳以上の者。
試験内容 ⅰ「障害者福祉の基礎知識」
ⅱ「聴覚障害者に関する基礎知識」
ⅲ「手話通訳のあり方」
ⅳ「国語」
ⅰ「聞取り通訳試験」
ⅱ「読取り通訳試験」
出題形式 四肢選択式 80問(3時間30分) 実技方式
※2つの試験を、個室で個別に行う。
試験時間 3時間30分
合格基準 全ての科目において得点があり、かつ、4科目の総得点の60%程度を基準として、必要に応じて問題の難易度で補正した点数以上の得点を得た者。 手話を日本語音声に、日本語音声を手話に通訳させ、手話通訳者としての知識、技能及び資質を評価する。

手話通訳士試験 試験で問われるもの

「手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)」の実施により、手話通訳技能の向上を図るとともに、手話通訳を行う者に対する社会的信頼を高め、聴覚障害者等の社会参加を促進し、併せて手話の発展を図るとともに、手話通訳事業の適切な実施を確保し、もって国民の福祉の増進に寄与することを目的として実施されています。
試験では各出題項目ごとに以下のことが問われます。

〇学科試験
ⅰ障害者福祉の基礎知識
 障害者福祉全般に関する知識及び制度等の理解
ⅱ聴覚障害者に関する基礎知識
 聴覚障害者の社会参加を促進するために、福祉、教育、労働等の領域で
 なされている様々な取り組み
ⅲ手話通訳のあり方
 通訳者役割と通訳の技能及び通訳者として身に付けておくべき一般教養
ⅳ国語
 国語についての確実な基礎知識とともに、その理解力や運用能力

〇実技試験
ⅰ「聞取り通訳試験」
 出題の内容が正確に通訳されているか否かの「正確さ」、手話表現の「技能」
ⅱ「読取り通訳試験」
 出題の内容が正確に通訳されているか否かの「正確さ」、音声語の「表現能力」

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手話通訳士試験の過去問と重要項目

障害者福祉の基礎知識

市町村が実施する地域生活支援事業に含まれるもの
手話奉仕員養成研修事業
次のものは、地域生活支援事業に含まれない。
・盲ろう者向け通訳・介助員養成研修事業
・手話通訳者・要約筆記者養成研修事業
・発達障害者支援センター運営事業

障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく障害者雇用促進制度
雇用率に算定できる精神障害者は、精神障害者保健福祉手帳を所持している者に限られている。
次のものは、障害者雇用促進制度に関する記述として、適切でない。
・職業リハビリテーンョンの措置として、就労移行支援事業が位置づけられている。
・すべての事業主は、障害を理由とした差別をしないよう努力するものとされている。
・産業別の除外率は、段階的に引上げられている。

障害者の年金
障害厚生年金や障害共済年金は、障害基礎年金に上乗せして支給される。
次のものは、障害者年金に関する記述として、適切でない。
・障害年金が支給されている場合は、生活保護の対象とはならない。
・20歳未満に初診があり、障害の状態にあった者が20歳に達した場合、障害基礎年金の対象とはならない。
・障害基礎年金は、受給者に一定額以上の収入があっても支払い停止にはならない。

平成28年生活のしづらさなどに関する調査結果(全国在宅障害児・者等実態調査)
身体障害者手帳所持者のうち、障害の原因が病気である者の割合は半数を超えている。
次のものは、調査結果において、適切でない。
・身体障害者手帳をはじめて取得した年齢は、50歳未満が半数を超えている。
・身体障害者手帳所持者数では、聴覚・言語障害の人数が最も多い。
・身体障害者手帳所持者のうち、夫婦で暮らしている者の割合は半数以下である。

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の基本理念
・障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として専重されるものである。

ソーンャルインクルージョン
障害者を含め、あらゆる人々を社会に包含していこうという考え方である。
次のものは、ソーンャルインクルージョンに関する記述として、適切でない。
・障害児が、通常の学級で学べるようにしていこうという考え方である。
・障害者の権利を守り、虐待や差別の防止に努めようとする考え方である。
・障害者の生活条件をノーマルにしていこうという考え方である。

障害者総合支援法
精神障害者保健福祉手帳を所持していない精神障害者も対象である。
次のものは、障害者総合支援法に関する記述として、適切でない。
・介護給付は、障害者手帳を所持していれば自動的に受けられる。
・障害福祉サービスの利用にあたって、利用者負担は生じない。
・支援の必要性を判断するために要介護認定が行われる。

障害者総合支援法に基づく地域活動支援センター
創作的活動又は生産活動の機会を提供する。
次のものは、地域活動支援センターに関する記述として、適切でない。
・利用人数にかかわりなく設置することができる。
・利用者を入所させることができる。
・自立支援給付のサービスである。

障害者総合支援法における都道府県の役割
障害福祉サービス事業者等の指定は、障害者総合支援法における都道府県の役割である。
次のものは、都道府県の役割として、適切でない。
・相談支援事業者の指定
・障害児者に対する調査
・成年後見開始の審判請求

障害者総合支援法に基づくサービス等利用計画
利用者の希望を踏まえて作成する。
次のものは、サービス等利用計画に関する記述として、適切でない。
・利用者本人は作成することができない。
・支援の必要性を認定する前に作成する。
・都道府県が作成する。

国連の障害者に関する世界行動計画におけるリハビリテーション
・リハビリテーションは、時間を限定したプロセスである。
・リハビリテーションには、医学的な側面だけでなく教育、職業、社会員といった側面がある。
・リハビリテーションでは、機能回復のみならず、人間としての諸権利の回復が目指されるべきである。
・裁判の流れを妨げないよう、わかる範囲で通訳を続ける。
・リハビリテーションでは、専門家による目標設定と徹底した指導が求められる。

障害者自立支援法に基づく福祉サービス
・自立訓練には、機能訓練と生活訓練の2種類がある。
・介護給付を受けるためには、障害程度区分の認定を受ける必要がある。
・就労継続支援事業には、原則として雇用関係のあるA型と、雇用関係のないB型がある。次のものは、適切でない。
・居住支援であるケアホームは、訓練等給付のサービスとして位置付けられている。

障害者自立支援法に基づく福祉サービス
・福祉ホームは、地域生活支援事業に位置づけられている。
・共同生活介護(ケアホーム)は、居住支援事業の一つである。
・共同生活援助(グループホーム)は訓練等給付のサービスである。
次のものは、適切でない。
・身体障害者は、共同生活援助(グループホーム)の対象にはなっていない。

聴覚障害者に関する基礎知識

手話通訳者派遺事業における速隔手話通訳サービス
手話通訳者の派遣が困難な場合に対象となる。
次のものは、適切でない。
・手話通訳者のタブレット費用は補助対象とならない。
・役所等の窓口にタブレットを置く「設置型」となる。
・手話通訳者の通信料は補助対象とならない。

聴覚の障害認定の変更点
・それまで身体障害者手帳を所持していない者に対し、2級を診断する場合には他覚的聴覚検査の実施が必要となった。
次のものは、聴覚の障害認定の変更点に関する記述として、適切でない。
・補聴機器の技術等の進歩により、難聴の程度の改善が見込まれる伝音難聴の場合は 身体障害者手帳が交付されなくなった。
・乳幼児期から両耳に人工内耳を装用している者については、聴力検査の結果は不要となり、1級を診断することができるようになった。
・両耳に補聴器等を装用した状態において、聴力レベルが30デシベル未満の場合、5級を診断することとなった。

「合理的配慮等具体例データ集」聴覚障害者への合理的配慮の提供例
字幕や手話などの見やすさを考慮して、座席配置を決める。
次のものは、聴覚障害者への合理的配慮の提供の例にあたらない。
・「こちら」「あちら」などの指示語ではなく「30センチ右」というように具体的に伝える。
・発話不明瞭で聞き取りにくい場合には、内容を推測して手続きを行う。
・難聴者に対しては、テキスト形式のデータによる資料の提供を行う。

聴力検査
自動聴性脳幹反応検査
特殊な音刺激によって、聴神経(の蝸牛神経)に続く聴覚の神経が一斉に同期して興奮した際に生じる電気反応を、繰り返しコンピューターで加算し誘発反応の有無を判定する。刺激音としては通常、イヤホンから35デシベルのクリック音を用いる。
次の聴力検査の説明でなはい。
・ティンパノメトリ一検査、耳音響放射検査、純音聴力検査

「成人人工内耳適応基準」慎重な適応判断が必要なもの
・中耳の活動性炎症がある場合。
・言語習得前あるいは言語習得中の失聴例の場合。
・画像診断で蝸牛に人工内耳 を挿入できる部位が確認できない場合。
次のものは、記載されている記述として、適切でない。
・認知症や精神障害の合併の疑いがない場合。

2019年12月イタリアで開催の第19回冬季デフリンピック競技大会の正式種目
クロスカントリースキー と チェス
次のものは、適切でない。
・ショートトラックスケート と チェス
・アルペンスキー と バイアスロン
・アルペンスキー と ボブスレー

3つの様式を同時に用いるコミュニケーション方法
・マーガレット・ウォーカーらによって開発され、音声言語・動作サイン・線画シンボルの3つのコミュニケーンョン様式を同時に用いるコミュニケーション方法は、マカトンサインである。
・指文宇、シグナル・スピーチ、キュート・スピーチではない。

群馬大学が助成を受けて行っている手話に関するプロジェクト
学術手話通訳に対応した通訳者の養成事業は、平成29年度から群馬大学が助成を受けて行っている手話に関するプロジェクトである。
次のものは、適切でない。
・手話教育教材開発事業
・若年層の手話通訳者養成モデル事業
・国際手話教育及び通訳養成のための教材開発事業

指文字の原型を考案した人物
・アメリカで使用されていた指文字を参考にして、日本で使われている指文字の原型を考案したのは、大曽根源助である。
・塙 保己一、川本宇之介、高橋 潔でなはい。

人工内耳の、体内に埋め込まれる装置
・人工内耳の、体内に埋め込まれる装置の名称は、人工内耳インプラントである。
・人工内耳プロセッサ、人工内耳マッピング、人工内耳トランスファーではない。

障害者に関するさまざまな相談窓口
・障害児に関する相談は、児童相談所、保健所、児童家庭相談窓口で行う。
・仕事と生活の相談は、障害者就業・生活支援センターで行う。
・障害者に関する専門的な相談は、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センターで行う。
次のものは、障害者関連相談に関する記述として、適切でない。
・職業適性等に関する相談は、障害者杜会参加推進センターで行う。

加齢による聴力変化の特徴
・加齢による聴力変化の特徴は、進行性、感音性、高音障害漸傾型である。
・一側性は、加齢による聴力変化の特徴としてあてはまらない。

特別支援学級で指導する児童生徒の障害種別
難聴、情緒障害、知的障害は、特別支援学級で指導する児童生徒の障害種別として挙げられている。
・学習障害は、障害種別としては挙げられていない。

手話通訳のあり方

裁判における通訳現場。聴覚障害の被告人が手話表現を正確に読み取れないときの手話通訳者の対応
・被告人の手話が正確に読み取れないことを裁判官に伝える。
次のものは、適切でない。
・被告人に対して、できるだけ標準的な手話を使用するよう依頼する。
・被告人に対して、手話ではなく、筆談で通訳したいと申し出る。
・裁判の流れを妨げないよう、わかる範囲で通訳を続ける。

手話通訳者会議で発足した世界レベルの手話通訳者団体
WASLI は、2005(平成17)年に南アフリカで開催された手話通訳者会議で正式に発足した世界レベルの手話通訳者団体の略称で、手話通訳者組織がない国に組織設立を働きかけたり、世界中で職業としての手話通訳の発展を促進したりすることなどが活動の目的とされている。

 (31R2)

手話通訳士の試験は、通訳テクニック以外に一般教養も必須

聾唖の人にとっては、手話は、とても大切なコミュニケーションとなります。 今は、手話通訳士を設けているようなところも増えてきました。 福祉関連の講演会などが行われる場合には、手話通訳士が必要となります。 手話があるからこそ、話が通じやすくなるということになります。

手話通訳士の試験では、通訳テクニックはもちろん、一般教養についても評価されます。 手話通訳士には、公正な態度や社会的な事象を理解する知識と、高度な通訳技術が求められています。 障害のある人たちの役に立つため、手話通訳士の試験にチャレンジしてください。

 

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