作業療法士試験


日常生活活動ができるようになるためのお手伝いをするのが、作業療法士の仕事です。 日常生活での機能の回復がメインとなるため、どちらかというと回復期の患者さんが対象になります。 仕事や趣味などを楽しんで行えるようになるために、作業療法士が、リハビリを行います。 社会に適応できるような応用動作だけではなく、イキイキした生活を送れるような精神面のリハビリも重要なのです。

作業療法士試験の概要

作業療法士(OT)とは、日常生活を送る事が困難な身体・発達・精神・老年期などの障害者を対象に、医師の指示のもと福祉用具を選んだり、訪問リハビリテーションを行う専門家です。
病院、リハビリテーションセンター、聴覚言語障害者更正施設、難聴幼児通園施設などで働き、問診や機器を使って詳しく検査し、機能回復や発達促進のための援助を行います。

作業療法士国家試験の内容は、次の通りです。
筆記試験については、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、臨床医学大要、人間発達学、作業療法、リハビリテーション医学、リハビリテーション概論などについて問われます。
実技試験については、運動学、臨床心理学、臨床医学大要、人間発達学、作業療法、リハビリテーション医学などについて問われます。口述試験は、点字試験受験者に対して、実地問題に代えて上記の科目について行われます。

作業療法士の業務内容

理学療法士が物理的治療を主体にして仕事をするのに対し、作業療法士は手工芸・園芸・日常動作などの作業をさせることでリハビリを行います。勤務場所は主に病院・身体障害者施設などになります。
医療系の職業ですが、医師のように急患に対応するような緊急性はありません。
このため夜間勤務などがほとんどなく定時に帰宅できることも魅力のひとつです。

作業療法士試験 参考書・問題集のランキング

参考書のランキング/作業療法士試験

問題集のランキング/作業療法士試験

作業療法士試験の過去問と重要項目

解剖学、生理学、運動学、病理学

中耳
・アブミ骨底は内耳の、前庭窓にはまり込んでいる。
次のものは、中耳について、適切でない。
・キヌタ骨の短脚はアブミ骨と関節を形成する。
・耳管に分布する動脈は迷路動脈である。
・アブミ骨筋の支配神経は下顎神経である。
・キヌタ骨は鼓膜に接している。

副腎皮質ホルモン
早朝に、分泌が最大となる。
次のものは、副腎皮質ホルモンについて、適切でない。
・アドレナリンから生合成される。
・ストレス時に変動しない。
・血糖値に影響しない。
・ペプチドホルモンである。

心電図の房室ブロックの所見
・第1度房室ブロックでは、QRS波は脱落しない。
次のものは、心電図の房室ブロックの所見として、適切でない。
・第3度房室ブロックでは P波が完全に脱落している。
・Wenckebach型房室ブロックでは PR間隔が不変である。
・第1度房室ブロックでは PR間隔が 0.1秒以上になる。
・Mobitz II型房室ブロックでは PR間隔が徐々に延長する。

介護保険制度
・利用者は自由に、事業者を選定できる。
次のものは、介護保険制度について、適切でない。
・介護度は介護認定審査会の1次判定で決定される。
・財源は全て公費で負担される。
・都道府県の担当部署に申請する。
・第二号被保険者の対象年齢は 65歳以上である。

てんかん
単純部分発作は、意識障害を伴わない。
次のものは、てんかんについて、適切でない。
・高齢になるとてんかんの発症率は低下する。
・熱性けいれんの半数以上はてんかんに移行する。
・症候性てんかんは特発性てんかんに比べ予後が良い。
・女性に多い。

臨床医学

痙縮治療
経皮的電気刺激を行う。
次のものは、痙縮治療について、適切でない。
・ボツリヌス毒素療法は上肢には有効ではない。
・下肢筋力増強訓練は痙縮を増悪させるので避ける。
・内服治療は行わない。
・温熱療法は禁忌である。

腕神経叢損傷
・上腕骨骨頭の下方偏位が出現する。
次のものは、腕神経叢損傷について、適切でない。
・近位引き抜き損傷では交感神経機能障害がある。
・分娩麻痺は腕神経叢損傷ではない。
・上位型は前腕の回外が可能である。
・下位型の麻痺では手指の運動障害はない。

脊椎に対する脊髄最下端の位置
・健常成人において、脊椎に対する脊髄最下端の位置は、第1~第2腰椎である。
次の位置は、適切でない。
・第3~第4腰椎
・第5腰椎~第1仙椎
・第9~第10胸椎
・第11~第12胸椎

平衡聴覚器
・三半規管の受容器は、膨大部稜にある。
次のものは、平衡聴覚器について、適切でない。
・卵形囊は角加速度に反応する。
・三半規管のクプラは耳石膜で覆われている。
・三半規管は重力に反応する。
・球形囊斑に聴覚受容器がある。

胸腰部回旋の基本軸
・関節可動域測定法‘における胸腰部回旋の基本軸で適切なのは、両側の上後腸骨棘を結ぶ線である。
次のものは、胸腰部回旋の基本軸について、適切でない。
・ヤコビー(Jacoby)線の中心に立てた垂直線
・第7頸椎棘突起と第1仙椎の棘突起を結ぶ線
・仙骨後面
・肩峰を通る床への垂直線

切断
・Chopart 関節離断では、足内反変形を生じやすい。
次のものは、切断に関して、適切でない。
・大腿切断(標準切断)では股内転拘縮を生じやすい。
・上腕切断(短断端)では肩内転拘縮を生じやすい。
・Lisfranc 関節離断では足外反変形を生じやすい。
・前腕切断(中断端)では肘伸展拘縮を生じやすい。

臨床心理学

80歳の女性。「知らない人の顔が見える」などの症状で、物忘れ外来を受診した家族へのアドバイス
・作業療法士から家族には、見えている内容を否定しないで気持ちを受け止める、ということをアドバイスするのが適切である。
次のものは、家族へのアドバイスとして適切でない。
・移動の際には車椅子を使用させる。
・興奮したときはきっぱりと幻覚であることを伝える。
・部屋を薄暗くする。
・テレビの音を大きくする。

高次脳機能障害の神経心理学的検査
高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の 14項目で構成される検査は、WAIS-Ⅲである。
次のものは、適切でない。
・BADS、MMSE、SLTA、WMS-Ⅲ

記憶障害を認める患者への対応
・記憶する内容は、その意味を考え、声に出し印象づけて記憶させる。
次のものは、記憶障害を認める患者への対応として、適切でない。
・備忘録は、多くの情報を取り扱うため活用しない。
・何度も失敗を経験させながら、記憶の修正を促す。
・バランストレーニングなどの運動は疲労を伴うため活用しない。
・記憶する内容は、絵などの視覚的イメージは用いず記憶させる。

ワーキング・メモリを測定する検査
BACS(The Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia)
次のものは、ワーキング・メモリを測定する検査ではない。
・LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally Ill)
・SCSQ(Social Cognition Screening Questionnaire)
・SMSF(Inventory Scale for Mood and Sense of Fatigue)
・WHO-DAS 2.0(WHO disability assessment schedule 2.0)

老年期における精神保健上の問題
社会的孤立は、老年期における精神保健上の問題となる。
・モラトリアム、自我同一性の獲得、エディプス葛藤、空の巣症候群は、老年期における精神保健上の問題でなはい。

人間発達学

注意欠如・多動性障害
青年期以降は、運動性多動の症状は目立たなくなる。
次のものは、注意欠如・多動性障害について、適切でない。
・約9割の患者は成人期早期までに寛解する。
・女性に多い。
・低出生体重児の多くで発症する。
・感情における衝動性の高さは改善しやすい。

特別支援教育
注意欠如・多動性障害は、通級による指導の対象である。
・一人一人の障害レベルによらず標準的な指導を行う。
・軽度知的障害は対象とならない。
・特別支援学級は 10名以上で編成する。
・広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)は知的障害を伴う場合のみ対象となる。

作業療法

32歳の女性。診断名は右乳がん(ステージⅡ)。乳がんの術後の作業療法
・術後作業療法として、重量物を持たないように指導する。
次のものは、乳がんの術後作業療法として、適切でない。
・3か月間物干し動作は行わないよう指導する。
・術側の上肢は固定する。
・事務職への転職を勧める。
・日光浴を勧める。

要支援1の80歳の女性。初回の自宅訪問時の対応
・初回訪問時の対応は、生活の困りごとを聴取するのが適切である。
次のものは、初回訪問時の対応として、適切でない。
・年金受領額を聴取する。
・訪問作業療法を勧める。
・住宅改修を提案する。
・夫の死亡理由を聴取する。

職場でケアレスミスがあまりにも多い、22歳の男性。向精神薬の薬物療法
・薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬は、精神刺激薬である。
・抗うつ薬、抗不安薬、気分安定薬、抗精神病薬は、この患者に適切な向精神薬でない。

作業分析の観察による評価
・作業分析の観察による評価は、観察者の経験に左右される。
次のものは、作業分析の観察による評価について、適切でない。
・事前に認知機能評価を行う。
・職業関連活動は模擬動作で評価する。
・患者の病気に対する認識が評価できる。
・観察者の主観により行う。

アルコール依存症の作業療法
・本人の飲酒問題の否認について、初期から積極的に介入はしない。
・回復初期には、過剰な言動に振り回されない対応が必要である。
・酒害教育と並行して行う。
・退薬症候群が遷延しているか把握する。
・家族が健康になるよう支援する視点をもつ。

進行性核上性麻痺
垂直方向の眼球運動障害を呈する。
次のものは、進行性核上性麻痺について、適切でない。
・MIBG心筋シンチグラフィーで心/縦隔比が低下する。
・延髄が萎縮する。
・L-Dopa が著効する。
・頸部が前屈位となる。

 (56-1)

作業療法士の業務は、精神的・肉体的なリハビリテーションが基本

肉体的なリハビリテーションは、筋肉を発達させたり、関節を動かすことによって、少しでも早く日常生活に戻れるようにするためのものです。 一方、精神的なリハビリテーションは、気分を発散させたり、考え方を前向きに変えるなど、 自分自身のこれからの生活をしっかり見通していくための補助をします。 作業療法士は、理学療法士に比べると、より細かく応用的な気配りが必要となり、心も身体もどちらも回復するように、援助しなければなりません。

作業療法士の業務は、精神的・肉体的なリハビリテーションが基本となります。 病気などが原因で身体に障害を持つ人や、事故によって身体が不自由になった人が対象になります。 その際、作業療法士は医師の指示の下、日常生活に必要な能力を高めるために、訓練や指導などを行います。 一般的には、理学療法士の仕事を引き継いで、作業療法士がリハビリをおこなうことが多くなります。 病気やケガ、障害のある人が、希望をもって生きていくために、作業療法士は、働いています。


タイトルとURLをコピーしました