樹木医試験 01


樹木医の資格証明取得の研修会は、樹木生理や構造に関する知識も要求される学術的で高度な内容です。また、樹上での安全対策が詳しく解説され実践的な内容になっています。
・樹木生物学
・樹木の分類
・樹木と土壌の関係
・水分管理
・樹木の栄養と施肥
・樹木の選定
・樹木の植え付け

樹木医試験の受験情報

受験資格:
職業、職務経歴等により細かく規定されています

試験内容:
研修受講者選抜試験(研修生となる為の試験です。)
  筆記試験 … 選択式及び論述式の出題。
  選択式の問題 … 主に樹木医研修科目から出題。
研修
  ①樹木の分類、②樹木の生理、③樹木・樹林の生態、
  ④樹木の構造と機能、⑤樹木保護に関する制度、⑥土壌の診断、
  ⑦病害の診断と防除、⑧虫害の診断と防除、
  ⑨材質腐朽病の診断と対策、⑩大気汚染害の診断と対策、
  ⑪気象害の診断と対策、⑫後継樹木の育成と遺伝子保存、
  ⑬幹の外科技術と機器による診断、⑭樹木の移植法、
  ⑮土壌改良と発根促進、⑯総合診断
筆記試験 … 研修期間中科目ごとに実施

樹木医になる。応募資格から審査登録まで

1.樹木医の応募資格者
・樹木の診断、治療等に関する業務経験が7年以上の者である。

2.樹木医の応募
・樹木医研修申込書、職務経歴証明書を提出する。

3.第1次審査
・樹木医研修(第2次審査)の受講者を選抜するための審査である。
・樹木医に必要な知識、技能についての筆記試験と業績審査が行われる。

4.第2次審査
・研修は、2週間程度の講義実習の後、履修科目ごとの筆記試験が行われる。
・面接は、樹木医としての適性等を判定するため、研修終了時に実施される。
・合格者の決定は、筆記試験、面接の結果に基づいて、資格審査が行われる

5.合格者の発表
・合格者が発表され、日本緑化センターが樹木医登録者名簿を作成する。
・樹木医登録者名簿は、林野庁、都道府県緑化担当部局、都道府県緑化センター等に提出される。

樹木医、筆記試験の過去問と重要事項

樹木の根回し・根巻き・根鉢

樹木の根の品質規格
・充実し生気ある生育をしており、移植容易なように根づくりされたものであること。
・根系の発達が良く、四方に均等に配分され、根鉢範囲に細根が多く、乾燥していないこと。
・樹種の特性に応じた適正な根鉢、根株をもち、鉢くずれのないよう堅固に根巻きされ、乾燥していないこと。
・ふるい掘りでは、特に根部の養生が十分にできるなど(乾き過ぎていないこと)根の健全さが保たれ、損傷がないこと。

根の腐敗を防止する方法
・断根部の根を切り直し、外へ持ち出して処分する。
・水はけを良くするため、排水性の良い培養土を使用する。
・腐敗予防薬や土壌消毒を植付け前にしっかりと行っておく。
・切り口に防腐剤や発根促進剤等を塗布する。
・根鉢から切られた根は断面が傷ついているので、腐敗防止のため鋭利な刃物で切り直す。
・切り口が雑だと菌や病気が侵入するので腐敗防止に切り口は鋭利な刃物を用いる。

溝掘り式根回しの活着効果
・移植対象樹木が生育している場所で、根の一部を切断して細根の発生を促し、移植後の活着の確実性を高めるために行う。
・根の環状剥皮を行うと、剥皮部から根鉢内に細根の発根が促進されるため、根からの養分や水分が吸収されやすくなる。
・全ての樹種について行うことが望ましく、老齢木や移植が困難な樹種、特に確実な活着を要する場合については必ず根回しを行う。
・若木や樹勢の良いものは掘取りの3ヶ月から半年前に根回しを行うが、樹勢の衰えた老木や特に確実な活着を要する場合、移植の困難な種類については、1年~2年前に根回しを行い、十分に細根を発生させておく。
・根回しの時期は、一般に春期萌芽前が望ましく、樹木の生長がほぼ停止する秋期~冬期は根回し時期としては不適である。
・針葉樹は、新芽の発生2週間前から発生直前までに行う。
・常緑広葉樹は、春期樹液の活動を始める頃から発芽前までを最適とし、その他梅雨時等にも行うことができる。
・落葉広葉樹は、春期で樹液の活動を始めるまでが最適であり、発芽開始後は、それが止まった時に行うのがよい。

溝掘り式根回しの環状はく皮
・根本直径3~5倍の根鉢を定め、その周囲を支持根となる太い根を残しながら掘り込む。
・残された支持根及び直根の一部に、15cm程度の環状はく皮を施し、はく皮部からの細根の発生を促す。
・維管束を形成する師部を傷つけると悪影響がでるため、形成層まできれいにはぎ取る。
・はく皮処理が終わったら、根巻き、縄締めを行い、仮支柱を建てて表土を埋め戻し、よく突き固める。
・埋戻し後は、枝葉の剪定(枝下ろし)を行い、水分吸収と蒸散のバランスを取る。
・必要に応じて、蒸散抑制剤や根の活力剤を併用し、樹木の活力維持のための養生を行う。

植栽後の発根促進
・発根の障害を除くため、活着の確実性を高めるため、
 根の一部を切断して細根の発生を促す。
・灌水が効果的に行きわたるようにするため、雨水を溜めて根の乾燥を防止するため、
 樹木の根元に水鉢を設置する。
・水分吸収と蒸散のバランスを取るため、
 枝葉の剪定、枝下ろしを行う。
・細根の切断を防止するため、
 表土をよく突き固め、支柱で支持する。

根鉢の作業内容と品質管理
・掘り取る際の根鉢の大きさは、根回しを行った根鉢よりやや大きめとして、発生した細根をできるだけ多く含めること。
・土を付けたまま根鉢を掘り、掘り上げた後は、根巻きをせずに土を落とすこと。
・根鉢の掘り取りを行う半日~1日前に、潅水により根鉢全体に湿り気を与え、移植作業期間中の根鉢の崩れや乾燥の防止を図ること。
・掘り取り作業では、根鉢の表面の土を薄くかき取り、雑草類の移植先への持ち込みを避けること。
・掘り取る根鉢の径を決定し、そのやや外側をスコップ等で垂直に掘り下げ、側根の出現がなくなったら、底部に向かって掘り進み根鉢を周囲から切り離すこと。
・掘回しの際には、細根をできるだけ切らずに残すようにすること。
・切り離した根鉢は、側土を削り全体を整えるとともに、切り離した側根や直根を鋭利な刃物や鋸で切り直し、水苔やワラ、タール等で養生し乾燥や腐れを防止すること。
・根鉢の形状は、一般には、底部が半球状の並鉢とするが、根系が浅く広がる場合は底部が皿状の皿鉢、直根が深いものは底部をベイ尻(貝尻)の形状とすること。

樹木の水極め・水鉢、元肥・基肥

水極めの作業手順と内容

 水極めは、水を注ぎながら土を埋め戻し踏み固める方法であり、一般によく用いられている方法である。

水極めの作業方法
・植穴深さの1/2~1/3の土を戻したら水を注ぎ、根鉢の周りに十分土や水が行き渡るよう泥水を棒でよく突く。
・根鉢の底まで水がまわり泥土となったら、上記作業を繰り返し行う。
・根鉢まわりに完全に水がまわったら注水をやめ、水が引くのを待って残った土を戻し、静かに踏み固める。

水極めの効果と留意点
・鉢土と埋め戻した土、周辺土壌のなじみをよくし大きな隙間ができにくい。
・根系と土壌との密着を助けるので活着によい。
・水が少なかったり踏み固めが甘いと、部分的な固結による隙間の発生や埋戻し土壌の大きな沈下を招き、細根が露出して枯死の原因となる。
・排水性の確保に留意する。

土極めの作業手順と内容

 土極めは、水を使わず土を戻しながら突き固める方法であり、マツ類やヒマラヤスギ、ジンチョウゲ等の水気を嫌う樹木に用いる方法である。

土極めの作業方法
・根鉢まわりに、隙間が出ないよう少しずつ土を入れ、棒で突き固めながら埋め戻す。
・突き固めの完了後根鉢の上から潅水する。

土極めの効果と留意点
・作業中は、根鉢の下面に隙間が残らないようにすることが特に大切である。
・埋戻し土壌の偏った固結がない。埋戻し作業を確実に行うことで、水極めに比較し事後の沈下を招きにくい。
・排水の良くない土地、水気を嫌う樹木に有効である。

水鉢の作業内容と効果
 水鉢とは、植付け後の鉢の外周に沿って溝あるいは土盛りを行い、潅水の際に根鉢まわりに水を確保し外側へ流出しないようにすることである。
・樹木の根元を中心としてドーナツ状に低く土を盛り、潅水や雨水が溜められるようにする。
・鉢内に十分に水を行き渡らせて、灌水を行った時に決壊して水が流れ出ないように注意する。
・植栽樹木の根鉢より二回り程度大きめの穴を掘り、乾燥しやすい場所では円内全体を一段低くけずる。
・埋め戻しながら突き固め、水を2~3回程度注いだ後に締固めて、根の活着をよくする。
・植桝等の特殊な場合以外は、原則として水鉢を行う。
・過湿となるような生育基盤、粘土質で水はけが悪い場所では水鉢は不要である。
・傾斜地等で水鉢を切るのが困難な場合は、透水管、多孔管、塩ビ有孔管等を埋め込み給水孔を確保する方法がある。

元肥・基肥の留意事項
・表土を開墾し、根、雑草、石などの雑物を取り除く。
・酸性土壌の場合は、消石灰、炭酸カルシウムなどを散布して中和する。
・粘質土壌や砂質土壌の場合には、土壌改良材を併用する。
・遅効性のものを使用し、肥料焼けをおこさないよう、直接根に触れないように施肥する。
・枝張りの外周線直下、円形になる地上投影部を施肥位置の目安に、深さ20cmの溝を掘る。
溝底に平均的に輪状に肥料を敷きこんで埋め戻す。
・表面の凹凸を均し、表面排水を確保できる勾配をとる。

樹木の植付け、養生、剪定、灌水

樹木の立込みの留意事項
・立込みは、植穴に樹木を美しく据え付ける作業であり、この良否により植栽景観の良し悪しが大きく左右されるため、根蜂の深さ、木の表裏、傾きぐあいに注意して立込む。
・高木、中木を美しく立込むには、樹木の大きさや裏表、気勢の強さや方向等を見極め、四方からの見え方を検討する。
・根鉢の上面が周囲の土の高さと同程度となるように植え付け、深植えは避ける。
・根鉢の養生に使用した縄紐類、化学繊維などの腐らないものは根から取り外し、立込み後の発根を促進する。
・クレーン車等の機械により作業を行う場合、ワイヤで樹木をつり下げる際に、幹等にワイヤが食い込み樹木を傷つけることがあるため、必ず幹当て等の養生を行う。

植付け時期の確認
 植物材料は、種類に応じて求める環境条件やライフサイクル、生長速度等が異なるため、葉張りや根張りなどの大きさ・形状は個体による違いも大きい。
 施工計画の段階で、樹木の種類に応じた適切な植付け時期を設定し、植物の生育上最適な時期に施工して、植栽後の活着を確実に行わなければならない。
 個々の良好な生育を促し優れた植栽空間を形成していくためには、植物材料の形状、生育特性や環境への適応性を十分に確認しておく必要がある。
 樹木の植付けの最適期は個々の樹種毎に異なることに留意する。
 針葉樹は、発芽前の2月~4月、または9月~10月が適している。
 常緑広葉樹は、発芽前の3月~4月、または新葉の葉質が固まる6月~7月が適している。
 落葉広葉樹は、落葉後の10月~12月、発芽前の2月~4月が適している。

植付け後の防寒対策
・浅植え箇所に敷きワラを行い、寒風による根の脱水、霜害を防止する。
・寒冷紗、こも、その他の被覆資材で樹木を覆い、被覆内気温の低下を防ぐとともに、被覆内樹体の放射冷却を防止する。
・若木では主枝、成木では側枝単位程度に、枝葉を適宜縄などで支柱に結束することにより、結束した内部の枝葉を保護する。
・防風垣の補強、防風ネットの取付けを行い、寒風や枝葉の揺れを緩和し、被害の発生を防止する。

植付け後の養生作業の目的
・植付け後しばらくは細根による吸水作用が十分でなく樹勢が衰える場合があるため、
 枝葉をさらに剪定し、余分な蒸散を抑制する。
・土壌の蒸発を防止するため、雑草の発生を抑制するため、
 マルチングを行う。
・根系の乾燥を防止するため、
 灌水を実施する。
・枝葉からの蒸散を防止するため、危険枝や病害虫枝を排除するため、
 枝葉の剪定(枝下ろし)を行い、水分吸収と蒸散のバランスを取る。
・根の切断後の病気を防止するため、
 蒸散抑制剤や根の活力剤を併用し、樹木の活力を維持する。
・寒風害を防止するため、日焼けによる樹皮剥がれを防止するため、
 わら等で均一の厚さに包み樹幹保護を行う。
・樹木の倒壊を防止するため、
 支柱、枝巻き、マルチング等の保護養生施設の施工を行う。

防風ネットの目的と留意事項
・植栽環境の変化から養水分の供給不足による、樹木の抵抗性の低下を避けるため、
・防寒対策、防風対策、乾燥対策、病虫害対策のための養生として、
・固定式の防風ネットは、ネットを両端の支柱にロープなどでしっかりと固定し、他の支柱にパッカーなどで固定する。
・幹巻きとして使用する場合は、樹幹を防風ネットで覆い、ロープで巻いて固定する。

植え穴掘りの作業手順と方法
・植穴は、設計図の寸法を踏まえ、搬入された植物材料の根鉢に合わせて大きさを決定する。
・植穴の大きさは、根鉢直径の2倍以上、または根鉢直径にスコップを操作できる余裕幅を加えた大きさを目安とする。
・植穴の底は、根の伸長を阻害しないよう耕して柔らかくし、客土や肥料を施しておく。
・植穴深さは、根鉢高に客土等を考慮した余裕高を加えるが、深植えにならないよう留意する。
・植物の生育障害となるがれき等は適宜取り除く。
・れき等が多量にある場合、湧水等による多量の水の発生、粘土層や砂礫層等の不良土壌が発生した場合は、必要に応じて改良措置を行う。

マルチングの目的
・土の表面から水分が蒸発するのを抑え、急激な乾燥を防ぐことができる。
・土壌の団粒構造を維持し、土が硬くなるのを防ぐ。
・地温の調節ができ、急激な温度の上昇や低下を防ぐことができる。
・降雨による土や肥料の流出を防ぐことができる。
・土壌の跳ね返りを防ぐことで、土壌病害の被害を軽減することができる。
・窒素や水分が乏しくなり発芽が抑えられため、雑草の発生を抑えることができる。

枝葉の剪定の目的と方法
・掘り取った植物は、断根により根系からの水分吸収量が減少しているため、一定量の剪定を行い、水分の吸収量と枝葉からの蒸散量のバランスをとらなければならない。
・植付け後しばらくは細根による吸水作用が十分でなく、樹勢が衰える場合があり、
・枝葉をさらに剪定し、余分な蒸散を抑制する必要がある。
・過度の蒸散を避け萌芽や新生枝の伸びを促し、良好な活着を図らなければならない。
・枝おろし、枝すかしを行い、樹木の減量化と、樹形の整えを行う。
・常緑樹や蒸散の盛んな時期での植付けに際しては、枝葉の1/3~2/3程度の整枝剪定を行う。
・整枝剪定は、樹形を整えることを目的とするが、適宜、蒸散を効果的に抑制する蒸散抑制剤の併用も考慮する。

樹木の灌水の留意事項
・樹木の移植では、掘取りを行う半日~1日前に潅水を行い、根鉢全体に湿り気を与え、移植作業期間中の根鉢の崩れや乾燥の防止を図る。
・植付け後には、根鉢の中まで十分に水がいきわたるように時間をかけて灌水する。
・植付け後の潅水は、急に中止せず徐々に回数を減らしながら、樹木が順応できるように行う。
・根鉢土がもともと乾燥気味な場合、仮置き中の樹木の乾燥が懸念される場合には、必要に応じて濡れムシロ等の上から潅水する。
・土極めにおいては、突き固めの完了後に、根鉢の上から潅水する。
・水鉢では、植付け後の鉢の外周に沿って溝あるいは土盛りを行い、根鉢まわりに水を確保し外側へ流出しないように潅水する。
・乾燥の激しい場合は毎日潅水し、多量の水を早朝または夕方に実施するのがよい。
・夏場の日射しが激しい期間は、水が根に達するよう広範囲に十分に潅水する。

樹木の移植・積込み・運搬

樹木移植の調査事項
・樹種 … 常緑樹・落葉樹/針葉樹・広葉樹
・空間適応性 … 樹高限界/枝張限界/根系限界
・環境適応性 … 耐乾性/耐湿性/耐暑性/耐寒性/耐潮性
・景観特性、生態影響特性
・管理特性 … 耐移植性/耐剪定性/剪定頻度
・樹勢、移植時期

機械移植工法の利点
・樹木を短時間に移植でき、施工期間が短縮できる。
・根株を大きく取るので樹木が弱らず、活着率の高い移植ができる。
・不適期とされていた時期の移植にも対応できる。
・強剪定を必要とせず、自然に近い樹形が保てる。
・根回しや、根巻きの必要がなく、人手をかけずに移植できる。
・樹形をとりまく環境を一体で移植できる。
・不整地や傾斜地でも、移植作業が可能である。
・規格が大きくなるほど、コスト低下の効果が大きい。

樹木の保管措置
・仮置きは、できるだけ曇天下で最大でも1~2日程度とすることが望ましい。
・風当たりや日照、照り返しの強い場所、通風の影響のある場所を避ける。
・根に濡れムシロなどをかけて根の乾燥を防ぐ。
・樹木全体をわら、こも、保冷保温用のアルミ蒸着シートなどで被う。
・根鉢土がもともと乾燥気味な場合、仮置き中の乾燥が懸念される場合は、必要に応じて濡れムシロ等の上から潅水する。
・根鉢がくずれないよう、根鉢を密着させ、包んだ根鉢養生に保水する。

支柱による樹木の活着

支柱設置による樹木の活着
・支柱の設置は、樹木地上部の風や雪、自動車等による揺れを押さえることにより、発根した根が切断されにくくなり、すみやかに活着が進む。
・支柱を設置は、根鉢や樹幹を傷めないように注意しながら確実に樹木を固定させることで、植栽した樹木の根系が十分に回復し、自立して成長することができる。
・恒常風が吹く、雪圧を受ける等、一定方向から圧が加わる場合でも、支柱をその圧に対抗するように設置することで、移植樹木の倒伏を防ぎ、活着が促進できる。
・積雪地の斜面への移植であっても、雪圧に対して効果を発揮できる方向に支柱を設置することで、植栽樹木の揺れによる地中の菜根の切断を防止し、活着を促す。

丸太と唐竹、支柱の取付
・所定の丸太を適度の傾斜で要所に取り付け、基部は地中に埋込み、所定の留杭と釘止め及び鉄線で綾掛け、割掛けとも3度掛け結束とする。
・支柱の丸太は、防腐処理を施したものを用い、末口を上にして、規定どおり打ち込む。
・支柱と樹木との結束部は、樹木に杉皮等を巻付けの上、シュロ細で綾掛け、割掛けとも3本寄り3度掛けして結束する。
・丸太相互の接合部は、天神を釘打ちし、鉄線掛けとする。
・釘打部の結束は、鉄線により綾掛け、割掛けとも3度掛けとし、結び目は必ず下に廻しておかなければならない。
・支柱丸太はすべて、使用前に指定の防腐剤を2回塗とし、十分乾燥して置かなければならない。
・唐竹(真竹)を使用する場合には、竹の先端は節止めとし、結束部には竹に鋸目を入れ縄の遊動を防ぐものとする。

二脚鳥居型支柱の結束方法
・鳥居支柱は、樹木の植栽に先立って立込むものとする。
・支柱は、所定の丸太で設計図書に従い、高さ前後左右の通りに注意して天神を釘打ちしなければならない。
・釘打部の結束は、鉄線により綾掛け、割掛けとも3度掛けとし、結び目は必ず下に廻しておかなければならない。
・樹木との結束部は、樹木に杉皮等を巻付けの上、シュロ細で綾掛け、割掛けとも3本寄り3度掛けして結束する。

土壌調査の方法

土壌条件の調査項目と方法
調査項目
・土壌の硬さ (硬度) : 長谷川式土壌貫入計で測定する
・土壌の酸性度 (pH) : 一般の造園樹木ではpH4.5~8.0 の間であれば生育に影響はない
・透水性(排水性):
・陽イオン交換容量(CEC) : 土壌が陽イオンを吸着できる最大量
・電気伝導度 (EC) : 土壌の塩類濃度、水溶性塩類の総量を表し、塩類濃度障害の
            有無の判定と肥料成分の多少の目安として使用される
・C:N比 (C/N) : 土壌・植物体・有機質肥料などの炭素と窒素の含有率の比で、
           有機物の分解程度、土壌の窒素肥沃度を表す
・有効水分保持量 (pF) : 土壌の水の状態を調べる

現場での土壌調査の方法
・長谷川式現場簡易透水試験器により、透水性を調査する。
・長谷川式土壌貫入計で測定し、土壌の硬さ (硬度)を調査する。
・排水状況、土色より、排水性を調査する。
・電気伝導度(EC)より、有害物質を調査する。
・H2Oより、酸度(pH)を調査する。
・ハツカダイコン発芽試験により、有害物質を調査する。
・植生観察、指触、土色等により、養分と保水性を調査する。

土壌条件の調査項目
土壌硬度の調査方法:
1)山中式土壌硬度計による方法
 土壌断面を垂直かつ平滑に削り、硬度計を水平に持ち、円錐部を土壌断面につばが密着するまで確実に押しつける。
 遊動指標が移動しないように静かに円錐部を引き抜き、硬度目盛の値を読む。
 測定は同一層位に対し、3回以上反復し、その平均を取る。
2)長谷川式土壌貫入計による方法
 落錘を50cmの高さから落下させ、そのエネルギーで先端の円錐コーンを土中に貫入させる。
その時の貫入深さを読みとる。
透水性(保水性)の調査方法:
 透水性・保水性の診断は、現場の土壌構造をそのまま採土管に採取し、持ち帰って測定する。
 土試料に常に一定の水頭差を与え、一定時間に通過した水の量と土試料体の長さから計算で求める。
酸性度(pH)の調査方法:
 土にpH(酸度)測定液をかけ、pH値によって色が変わるため、比色表で比較して測定する。
 土に直接、pH(酸度)測定器を差し込んで、pH値を測定する。

土壌貫入計からの判定
・S値が 0.7以下の層では、硬さは「固結」であり、「多くの根が侵入困難」である。
・S値が 1.0以下の層では、植栽基盤は「硬い」状態で、「根系発達に阻害有り」である。
・S値が 1.5以下の層では、植栽基盤は「締まった」状態で、「樹木によって根系発達に阻害有り」である。

透水試験器からの判定
・40分で8mmの水位変化の場合は、1.再注水後40分まで水がある場合の計算式から、
 最終減水能=8mm/40min×60=12mm/hr より、
 植栽基盤としての判定は、「不良」である。

土壌改良とその効果

ピートモスの土壌改良効果
・土の保水性、保肥性、通気性を高める。
・混ぜた土を酸性にする、アルカリ性土壌の中和効果がある。
・軽い有機質用土であり、清潔な用土として室内植物や観葉植物の用土としても使用できる。

堆肥の土壌改良効果
・微生物に分解されることで、微生物の保肥力や、団粒形成による保水性・保湿性・通気性の改善などの効果をもたらす。
・堆肥を求めて土壌生物の活動が活発化することで、栄養分をバランスよく分解でき、長期間栄養のある土が保持できる。
・水はけがよく保湿性が高い栄養のある良質土になるため、樹木の病気の原因である栄養過多や栄養不足、水分過多や水分不足の状態にならない。
・堆肥には、土づくりの三要素である、①物理性改良効果、②化学性改良効果、③生物性改良効果がある。
①物理性改良効果は、堆肥を使用すると土壌の有機物含量が増加する。有機物の分解過程で形成される腐植物質、微生物や根から分泌される粘質物等が接着剤となり、土壌粒子が結合して土壌団粒が形成される。
②化学性改良効果は、堆肥には、窒素、リン酸、カリ等の多量要素だけでなく、マンガン、鉄、亜鉛、ホウ素等の微量要素も含まれており、作物に対する総合的な養分の供給源となる。
③生物性改良効果は、堆肥には多くの微生物が含まれており、施用によって土壌中の微生物が増加するとともに多様化する。

土層改良工の種類と概要

土層改良工としては、植栽予定地の土壌条件を踏まえた有効土層の物理性を改良するための施工法として混層耕が適している。その方法は、バックホウ等を用いて固結した土壌及び有効土層内の粘質土を粗起こしして、土塊の破砕及び粘質土を破壊して全体をよく混合し、さらに、トラクター等により表層の耕耘を行い、土塊を細かく砕土して良質な土壌とよく混合して仕上げる。

・普通耕は、植栽基盤の表層部分を通常20㎝ 程度、耕起することにより、土壌の団粒化、通気性、透水性を改良し、有効土層を拡大する。
・深耕は、深い有効土層として通常40~60㎝を必要とする場合に行う植栽基盤の表層耕起とすること。
・混層耕は、植栽基盤の表層部と下層部の土壌の性質が異なる場合、混合耕耘により有効土層を確保し、土層構造の連続性を持たせることとする。
・心土破砕は、土壌硬度が高く耕起や混層耕を実施することが難しい場合や、通気性、透水性が極端に悪い場合に、下層の硬い層を破砕し、土質を改善することとする。

盛土工
・一般盛土工は、土木的な一般の敷地造成工事で行われる盛土工である。
・植栽用盛土工は、土木造成後に、植栽のために良質土を盛土する工法である。
・表土復元工は、造成前に、表土(森林土壌等の自然土壌ではA層とB層の一部、畑地土壌等では作土に相当する部分)を確保し、造成後に植栽盛土工に準じて盛土する工法である。

耕耘工
・普通耕は、表層約20cm をバックホウや耕耘機などで耕起する工法である。
・深耕は、バックホウによる掘削反転で40~60cm 耕起する工法である。
・混層耕は、性質の異なる表層と下層を反転置換し土層構造の連続性を図る工法である。
・心土破砕耕は、下層がち密で通気・排水性が不良な場合、下層基盤を破砕する工法である。

排水工
・表面排水は、地表面傾斜(勾配約5%)により滞水を防ぐ工法である。
・開渠排水は、植栽地の周辺部に上部の開いた溝を設け、地表水の排水を行ない、同時に外部からの流入水を遮断する工法である。
・暗渠排水は、植栽地の地中に、深さ0.6~1.2m程度、最小管系100mm以上の有孔管などを勾配1/500~1/100 程度に設置する工法である。
・縦穴排水は、不透水層の厚さが比較的薄く、その下層に透水良好な土層が存在する場合、不透水層を貫通する縦穴を設け、砂や砂利などを充填して排水を図る工法である。

客土工
・植穴客土工は、植栽樹木個々の植穴に良質客土を投入する工法である。
・帯状客土工は、植栽帯のように連続した植桝に良質客土を投入する工法である。

土性改良工の種類と概要

 土性改良工としては、一部の土壌の透水性や通気性が不良のため、その改善のために土層改良工に併わせて無機質系土壌改良材である黒曜石パーライトなどを耕耘時に混合、攪拌する。

・改良効果が十分に発揮されるように、土壌改良材を植栽基盤土壌に均一に混合する。
・中和効果が十分に発揮されるように、中和剤を植栽基盤土壌に均一に混合する。
・除塩の施工と排水処理については、設計図書によるものとし、土壌の種類に対応した工法を選定する。
・土壌がヘドロである場合は、土壌が乾燥した時に耕耘を行い、乾燥、風化を促進させ、排水処理を施した後、早期に除塩効果をあげるため散水を行う。
・施肥については、設計図書に示す種類と量の肥料を過不足なく施用する。

土壌改良工の種類と概要

土性改良工(土壌改良資材施用工)
・無機質系土壌改良資材の混合
・有機質系土壌改良資材の混合
・高分子系土壌改良資材の混合
・客土混入による改良は、粘質土に砂質土、砂質土に粘性土を混入して改良する工法である。

中和剤施用工
・酸性土壌の改良は、炭カルあるいは消石灰を土壌と均一に混合する工法である。
・アルカリ性土壌の改良は、石コウあるいは硫黄粉末を土壌と均一に混合する工法である。

除塩工
・除塩工は、臨海埋め立て地などで塩素イオン等を取り除く工法である。
  耕耘工を併用し、灌水脱塩するか、長時間放置して雨水により脱塩。
  石コウを改良資材に使用。
  土を除去し客土。

施肥工
・施肥工は、基肥として緩効性肥料を、堆肥等の有機物を併用して肥沃化を図る工法である。

土壌pHと土壌改良材

・アルカリ性の土壌に用いる土壌改良材 … 硫酸第一鉄、ピートモス、硫安
・酸性の土壌に用いる土壌改良材    … 消石灰、炭酸カルシウム
・中性の土壌に用いる土壌改良材    … パーライト、バーク堆肥、バーミキュライト

・pHによる土壌酸性の程度の区分
  8.0以上   強アルカリ性
  7.9~7.3  アルカリ性
  7.2~6.6  中性
  6.5~4.5  酸性
  4.4以下   強酸性

バーク堆肥の土壌改良効果
・分解されにくいため有機物の蓄積性が高く、土壌の膨軟化の効果が高い。
・土壌の通気性の向上
・土壌の排水性の向上
・保肥性が高くなる。
・多孔質なため保水性が高くなる。

植栽基盤の土壌とヘドロ
海岸埋立地においては、海底土砂による埋立のため植栽基盤にヘドロが現れる場合がある。ヘドロは、性質は還元土や泥土に似ているが、乾燥すると収縮して大きくひび割れる。また、通気性・透水性の極めて低い粘土となっている場合がある。海岸埋立地においては、この他に植物の生育に影響を及ぼす強アルカリ性を呈する土壌、メタンガスの発生、高濃度の塩分の存在が見られることがある。


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