小学校教員資格認定試験とは、合格すると小学校教諭二種免許状が授与される、文科省主催の試験です。高校を卒業し、20歳以上であれば受験できます。
小学校教諭免許状の取得を目指す場合は、教育課程のある学校へ進学し規定の教育課程を修了するのが一般的です。しかし、小学校教員資格認定試験に合格する方法でも、小学校教諭二種免許状が得られます。
教員資格認定試験とは
教員資格認定試験は、大学などで教職課程を修了していなくても、教員として必要な資質・能力がある者に教員になる機会を与えるための試験です。教員資格認定試験は文部科学省が開催しており、試験の実施に関する事務は、2018年より独立行政法人教職員支援機構が行っています。
教員資格認定試験規程に定められているのは、下記の4つの試験です。ただし、高等学校教員資格認定試験については、文部科学省により、2004年度以降は当分の間行わないとされています。ちなみに、「中学校教員資格認定試験」はありません。
- 幼稚園教員資格認定試験
- 小学校教員資格認定試験
- 高等学校教員資格認定試験
- 特別支援学校教員資格認定試験
教員資格認定試験に合格し、居住地の都道府県の教育委員会に申請を行うことで、普通免許状が授与されます。
教員資格認定試験で授与される普通免許状は以下の通りです。
- 幼稚園教員資格認定試験:「幼稚園教諭の二種免許状」
- 小学校教員資格認定試験:「小学校教諭二種免許状」
- 特別支援学校教員資格認定試験:「特別支援学校自立活動教諭一種免許状」
教員資格認定試験に合格後に免許状の申請をしないまま10年が経過している場合、免許状を取得するためには、教員免許更新制と同様の講習を修了する必要があります。(教育職員免許法第16条の2第2項)
免許状を取得することで、教職課程の修了者と同様に教員採用試験を受験できます。常勤・非常勤講師として採用されることも可能です。
小学校教員免許の種類
小学校教員免許には、下記の3種類があります。
- 小学校教諭一種免許状
- 小学校教諭二種免許状
- 小学校教諭専修免許状
小学校教員免許だけで小学校教諭として働けるわけではありません。小学校教諭になるには、免許状を取得し、都道府県等が実施する教員採用試験に合格する必要があります。
小学校教諭一種免許状
4年生大学等で所定の教科8単位以上、教職41単位以上の専門科目を修得し、学士の学位を取得した人が取得できます。小学校教諭になるための、もっとも一般的な方法です。
小学校教諭二種免許状
1短大等で所定の教科4単位以上、教職31単位以上の専門科目を修得した人、小学校教員認定試験に合格した人が取得できます。小学校教諭一種免許状と比較して、指導可能な範囲は変わりません。ただし、小学校教諭となった後にも、小学校教諭一種免許状取得の努力が求められます。
小学校教諭専修免許状
4年生大学等で1種を取得するか所要資格を得て大学院で修士の学位を修得し教科または、教職科目34単位以上専門科目を修得し、学士の学位を取得した人が取得できます。
小学校教員資格認定試験とは
小学校教員資格認定試験とは、合格すると小学校教諭二種免許状が授与される、文科省主催の試験です。試験の実施に関する事務は、2018年より独立行政法人教職員支援機構が行っています。
令和3年度 小学校教員資格認定試験 受験案内 独立行政法人教職員支援機構
受験資格
高校を卒業し、20歳以上であれば受験できます。
受験料
25,000円
試験内容
一次試験
- 教科及び教職に関する科目 (Ⅰ):マークシート方式(択一式)
- 教科及び教職に関する科目 (Ⅱ):マークシート方式(択一式)
- 教科及び教職に関する科目 (Ⅲ):論述式
- 教科及び教職に関する科目 (Ⅳ):論述式
二次試験
一次試験に合格すると、二次試験を受験することができます。
指導案作成、模擬授業、グループ討議、課題論文作成等
小学校教員資格認定試験の勉強方法
小学校教員資格認定試験の1次試験は、教科内容から半分、学習指導要領から半分が出題されます。
市販されているテキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。
教科に関する科目の試験(マークシート方式)
1次試験の、教科に関する科目の試験(マークシート方式)では、10科目中6科目を選択して受験します。
選択する科目:国語・社会・算数・理科・生活・音楽・図工・家庭・体育・外国語
音楽・図工・体育のうち、2科目以上を選択する必要があります。
国語・社会・算数・理科については、内容が幅広く、中学・高校レベルの知識が求められる場合もあります。一方、他の科目については、そこまで難しくありません。
教科に関する科目の試験(論述式)
教科に関する科目の試験(論述式)では、10科目中1科目を選択して受験します