旅行業務取扱管理者の具体的な業務内容は、旅行の計画、お客様への説明と取引、パック旅行については交通手段や宿の手配、 旅行中にトラブルや苦情があった場合の処理など、旅に関する幅広い業務を取り扱います。 旅行業務取扱管理者の資格を持つ人は、旅行会社に最低1人は必要になります。 自分が企画した旅行が売れた時や、お客様に喜んでいただけた時のやり甲斐は、たいへん大きい仕事です。
総合旅行業務取扱管理者とは
旅行業務取扱管理者は、旅行会社の支店・営業所の責任者として、旅行業務を取り扱うのに必要な国家資格です。旅行業法で旅行会社はこの「旅行業務取扱管理者」を支店・営業所毎に一人以上(社員10人以上は複数)選任することを義務づけられています。この資格がないと旅行会社(旅行代理店)は開業できません。
総合旅行業務取扱管理者試験の概要
旅行業務取扱管理者試験は、旅行業務全般を取り扱う、旅行業界唯一の国家資格試験です。旅行業務取扱管理者試験には、国内旅行のみを取り扱うことの出来る国内旅行業務取扱管理者、海外旅行も取り扱うことの出来る総合旅行業務取扱管理者、の二種類があります。
国内旅行業務取扱管理者とは、国内旅行業務のみを取り扱う営業所において旅行業法で定めるところにより、その取引に係わる旅行サービスの確実性、取引条件の明確性、その他取引の公正を確保するために必要な管理及び監督に関する事務等を行う者を指します。
総合旅行業務取扱管理者試験の試験内容
受験資格 | 制限なし |
試験内容 | 午前試験(80分) ①旅行業法及びこれに基づく命令 ②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款 午後試験(120分) ③国内旅行実務 ④海外旅行実務 |
出題形式 | 多肢選択式 |
合格基準 | すべての科目で、満点の60%以上の得点。 |
旅行業務取扱管理者試験の内容は、次の通りです。
学科(多肢選択式)
総合旅行業務取扱管理者
1.旅行業法とこれに基ずく命令
2.旅行業約款・宿泊約款
3.国内旅行業務全般 : 国内運送機関及び宿泊施設の利用料金、その他国内の旅行業務の関連料金、国内の旅行に関する業務
4.海外旅行実務 : 海外運送機関及び宿泊施設の利用料金、その他海外の旅行業務の関連料金、旅券の申請手続、通関手続、検疫手続、為替管理その他の海外旅行業務に必要な法令、日本及び主要国における出入国に必要な手続実務、主要国の観光に関する知識、海外の旅行業務に必要な語学、海外への旅行業務に関する実務
総合旅行業務取扱管理者試験 試験の免除規定
国内旅行業務取扱管理者有資格者、地域限定旅行業務取扱管理者の有資格者は科目の免除を受けることができます。また同様に総合旅行業務取扱管理者研修を修了した者も科目の免除を受けることができます。
科目免除を受けた際の、受験科目は以下のようになります。
右記Ⅰ~Ⅲ以外のもの | (Ⅰ)前年度総合旅行業務取扱管理者試験での「海外旅行実務」科目合格者 | (Ⅱ)前年度総合旅行業務取扱管理者試験での「国内旅行実務」科目合格者 | (Ⅲ)前年度総合旅行業務取扱管理者試験での「海外旅行実務」及び「国内旅行実務」科目合格者 | |
該当の資格を保有しない者 | ① 業法 ② 約款 ③ 国内旅行実務 ④ 海外旅行実務 |
① 業法 ② 約款 ③ 国内旅行実務 |
① 業法 ② 約款 ④ 海外旅行実務 |
① 業法 ② 約款 |
(1)国内旅行業務取扱管理者有資格者 | ② 約款 ④ 海外旅行実務 |
② 約款 | ② 約款 ④ 海外旅行実務 |
② 約款 |
(2)前年度・今年度総合旅行業務取扱管理者研修での「海外旅行実務」修了者 | ① 業法 ② 約款 ③ 国内旅行実務 |
– | ① 業法 ② 約款 |
– |
(3)前年度・今年度総合旅行業務取扱管理者研修での「国内旅行実務」修了者 | ① 業法 ② 約款 ④ 海外旅行実務 |
① 業法 ② 約款 |
– | – |
(4)前年度・今年度総合旅行業務取扱管理者研修での「海外旅行実務」及び「国内旅行実務」修了者 | ① 業法 ② 約款 |
– | – | – |
(5)国内旅行業務取扱管理者有資格者で前年度・今年度総合旅行業務取扱管理者研修「海外旅行実務」修了者 | ② 約款 | – | – | – |
総合旅行業務取扱管理者試験 試験で問われるもの
総合旅行業務取扱管理者は次の10業務についての管理・監督に関する業務を行うことができなければなりません。
・旅行者に対して取引条件を説明する
・旅行者に対して適切な書面を交付する
・適切な広告を実施する
・旅行に関する苦情を処理する
・料金の掲示
・旅行に関する計画の作成
・旅行業約款の掲示及び据え置き
・旅程管理措置
・契約内容に関する明確な記録または関係書類の保管
・前述のほか、必要な事項として観光庁長官が定める事項
これらを十分な水準で行えることが総合旅行業務取扱管理者の合格者には求められます。
総合旅行業務取扱管理者試験は専門知識が必須の難易度の高い試験
旅行業務取扱管理者の資格試験は、専門的知識が必要で、年に1回しか行われないこともあり、かなりの勉強が必要になります。 旅行業の専門知識は、個人で勉強することは非常に難しいので、通信教育や学校に通う方がよいでしょう。 旅行業界で新しく起きた出来事に関しては、毎年必ずといっていいほど出題されますので、ニュースや新聞に目を向けることが大事です。 最近では、世界遺産に認定された富士山関連の問題が出題されました。