気象予報士試験


気象予報士の業務というと、テレビにおける天気予報を思い浮べるケースが多いでしょう。 たしかに、テレビで天気予報を行う人の多くは有資格者です。しかし、それ以外にも気象予報士が活躍する現場は存在します。 たとえば、自衛隊です。陸海空にわたる自衛隊の活動には、天気変動を知ることが不可欠で、 上官になると天気をもとに隊の行動を判断する必要が生じてくるため、気象予報士の資格は、幹部任用のための資格となっています。

気象予報士試験の概要

 気象予報士試験は、その合格者が現象の予想を適確に行うに足る能力を持ち,気象予報士の資格を有することを認定するために行うものです。具体的には、気象予報士として、以下を認定することを目的とします。①今後の技術革新に対処しうるように必要な気象学の基礎的知識。②各種データを適切に処理し科学的な予測を行う知識および能力。③予測情報を提供するに不可欠な防災上の配慮を適確に行うための知識および能力。

 気象予報士試験の概要試験は学科試験と実技試験があります。学科試験は、予報業務に関する一般知識と予報業務に関する専門知識があり、原則として5つの選択肢から1つを選択する多肢選択式によるものとします。実技試験は、文章や図表で解答する記述式です。

 気象予報士とは、95年施行の改正気象業法によって、気象庁が提供する各種データを適切に処理しながら、現象の予想」を適確に行う能力を持つ者を認定する資格制度です。台風情報や地震情報といった防災という公共的側面を合わせ持つ以外に、商品の売上動向など様々なビジネス活動への経済活動とも深い関わりもあります。お天気アナ、契約企業への予報や商品開発などのコンサルタント、新聞・放送などマスメディアへの情報提供などに従事します。

 気象予報士試験の内容は、次の通りです。

学科(多肢選択式)

1. 予報業務に関する一般知識:
大気の構造、大気の熱力学、降水過程、大気における放射、大気の力学、気象現象、気候の変動、気象業務法や気象業務に関する法規

2. 予報業務に関する専門知識:
観測成果の利用、数値予報、短期予報・中期予報、長期予報、局地予報、短時間予報、気象災害、予想の精度の評価、気象の予想の応用

実地(記述式):
気象概況の変動の把握、局地的気象予想、台風等緊急時の対応

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気象予報士試験の過去問と重要事項

予報業務に関する一般知識

大気中のオゾンの特徴
・オゾン層とは地球の大気中でオゾンの濃度が高い部分のことである。
オゾンの数密度は、高度約 10~50km ほどの成層圏に多く存在し、特に高度約 25km にある成層圏界面付近で最大となる。
・成層圏オゾンの空間分布やその季節変動は、年平均オゾン全量の累年平均値の分布でほぼ説明できる。
・成層圏の気温の鉛直分布は、オゾンの紫外線吸収による加熱と大気の長波 放射による冷却の収支で近似的に説明できる。
・対流圏オゾンは、長波放射を吸収する温室効果をもつ気体の一つである。

傾度風の風速と地衡風の風速の比較
・中緯度の自由大気中において、等高度線に曲がり(曲率)がないとき
・等高度線の間隔はいずれも同一であるとするとき
・等圧面の等高度線が低圧側に凸(高気圧性曲率)のときの傾度風の風速と
・等高度線が高圧側に凸(低気圧性曲率)のときの傾度風の風速を、比較する
・それぞれの傾度風の風速は、地衡風の風速に比べて、
 等高度線が、高圧側に凸のときは小さく、低圧側に凸のときは大きい。

未飽和状態の2つの空気塊を混合した空気塊の混合比
空気塊Aについて、空気質量をA、水蒸気質量をaとすると、混合比は a/Aである。
空気塊Bについて、空気質量をB、水蒸気質量をbとすると、混合比は b/Bである。
混合比 q=a/A より a=Aq ①
空気塊Bの空気質量は 3倍であるため B=3A ②
空気塊Bの混合比は3qであるため 3q=b/B より b=3Bq よって b=3(3A)q ③

空気塊Aと空気塊Bを混合したときの混合比Rは R=(a+b)/(A+B) である。
①②③式に代入すると
 R = (Aq+9Aq) /(A+3A) より 10Aq/4A よって (5/2)q となる。

気象庁以外の者が行う気象観測
・気象庁以外の者が予報業務を行おうとする場合は、気象庁長官の許可を受けなければならないが、観測成果を定期的に報告する義務はない。
・観測成果を発表するための風速の観測には、気象庁長官の登録を受けた者が行う検定に合格した気象測器を使用しなければならない。
・気象の観測を技術上の基準に従ってしなければならない者が、その施設を設置したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。
・政府機関及び地方公共団体以外の者が、その成果を発表するための気象の観測を行う場合は、国土交通省で定める場合を除き、一定の技術上の基準に従って行うことが義務付けられている。

気象予報士試験と気象予報士の登録
・気象庁長官の行う気象予報士試験に合格した者は、気象予報士となる資格を有する。
・気象予報士となるためには、気象予報士試験に合格し、気象庁長官の登録を受けなければならない。
・気象業務法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から2年を経過しない者は、気象予報士の登録を受けることができない。
・気象予報士の登録を抹消する場合は、気象予報士登録抹消申請書の提出が必要である。
予報業務に従事していない期間があっても、気象予報士の登録は抹消されるものではない。

大気の構造、大気の熱力学

エアロゾル
 エアロゾルとは、大気中に分散して浮遊する固体や液体の微粒子のことをいう。雲や霧の生成の際に凝結核としての役割をもつものがある。
 生物の健康に悪影響を与える大気汚染物質もある。発生源は、風で吹き上げられた砂や塵・雷放電生成物・流星塵・海水の飛沫・花粉・バクテリヤ・火災や工場の煙・火山噴煙・航空機や自動車の排気などがあげられる。
 大きさは 0.001µm から 100µm 程度のものをいう。1µm 以上を巨大粒子という。
対流圈のエアロゾル量は、1m3 あたりできわめて清浄な空気でも 1,000万個、普通の生活空間で 1億個、埃っぼいところでは 10億個程度になる。
 エアロゾルは成層圏にも存在し、高度 20km付近を中心として地球を包む形になっている。エアロゾルは太陽光線を散乱・吸収して減少させる日傘効果があり、放射放熱により気温に影響を与え凝結核を発生させる。

気温減率
 上空へ鉛直方向に気温の下がる割合のことを、気温減率という。
 対流圏の平均気温減率は 0.6℃/100m であるが、気温は上空へ向かって上がったり下がったりしている。気温減率は、大気の安定度と関係が深く、気温減率が大きい気層は不安定になり、対流が起こ易い。逆に気温減率がマイナスの気層は、逆転層とよばれ安定度が高くなる。

絶対安定
 絶対安定とは、大気の鉛直安定度のひとつの状態である。
 大気中の空気塊が飽和していても不飽和でも安定な状態である。安定とは、空気塊が少し持ち上げられると、その気塊がもとの高度へ戻ろうとする復元力が働くような大気の状態をいう。
 絶対安定である条件は、観測された周囲の大気の気温減率が、湿潤断熱減率より小さいことである。

対流セル
 雷雨を構成する積乱雲のことで、対流セル、降水セル、雷雨細胞とよばれる。これは個別の積乱雲に対応するもので、その発達、成熟、衰弱、消減の3段階を経由する。
 発達期の対流セルでは上昇気流が卓越し、降水粒子は地上に落ちてこない。降水粒子の量が増え、その落下によって空気をひきずり降ろす力が上昇気流にうち勝って対流セルの下層に下降気流が現われる、これが成熟期の始まりとなる。
 下層で下降気流が発達し、上層気流をもたらした下層の収束がなくなると、上昇気流はしだいに弱まり、雨滴が地上に到着することになる。
 雲の中に上昇気流がなくなったときが衰弱・消減期の始まりで、水滴の蒸発による冷却もあって対流セル全体が下降気流となる。

エクマン境界層
 エクマン境界層は、平地では高さ50~100mから500~1,000mまでの気層である。エクマン境界層では、近似的に転向力・ 気圧傾度力・地表面摩擦力のバランスにより風向・ 風速が定まる。
 高度の高い層では風がほぼ等圧線に沿って吹くのに対して、エクマン境界層内では高気圧側から低気圧側へ吹き込み、その角度は低高度ほど大きくなる。
 エクマン境界層の下には、地表の影響がさらに大きな接地層がある。地形や温度風の影響がなければ、風は上空の地衡風から地上風へ風向が螺旋状に変化しながら弱まる。この現象は、エクマン・スパイラル、エクマン螺旋とよばれる。

気圏
 地球上で大気が占める領域のことを、気圏という。
 他の惑星に対して地球圈・地球システムを考えた場合、地球は、磁気圈、気圏、水圏、地圈、生物圈に分けることができる。これらはそれぞれが特性をもった存在であるとともに、お互いに影響し合うものであり、人類の生活空間である地球環境としても大切な要素である。

大気の放射、大気の力学

温位
 ある気塊を乾燥断熱的に 1,000hPa面に移動させたときに、その空気塊がもつ温度のことを温位という。異なる高度にある空気塊の暖かさを客観的に比較するのに便利な物理量である。
 乾燥断熱変化が大きいので、高高度で冷たくても、1,000hPa高度へ移動するとかなり高温である。
 温位は、高度による気圧変化まで考慮に入れて、実質的な大気の暖かさを測る尺度である。乾燥空気や不飽和の湿潤空気の温位は、乾燥断熱変化に対して保存され、相当温位と呼ばれる。

気圧傾度
 気圧の空間的変化率のことを気圧傾度といい、水平気圧傾度と鉛直気圧傾度がある。
 水平気圧傾度は、地上天気図上では気圧が変化する割合であり、等圧線の混み方でわかる。数値としては、等圧線に直角方向の距離でその間の気圧差を割った値である。たとえば等圧線と直角方向20kmで気圧が3hPa変化していれば、気圧傾度は0.3hPa km^(-1)となる。
 高層天気図の場合は、等圧面上の高度の勾配であり、等高線が混んでいるときは気圧傾度が大きい。数値としては、等高線に直角方向の距離で高度差を割った値であり、単位はない。
 気圧傾度が大きいと、高気圧域から低気圧域へ向かって風を吹かせようとする力、気圧傾度力が大きくなる。
 鉛直気圧傾度は、よい近似で静力学の関係が成り立つ。

気圧傾度力
 気圧傾度力とは、気圧傾度に伴う力で、高気圧域から低気圧域に向かって押し出す力である。
 気圧に差があると、それを解消して同一気圧になるような力、気圧傾向がゼロになるような力が働く。気圧傾度力が働くことになる。

高気圧性曲率
 気圧の尾根のように、気圧の高いほうから気圧の低いほうをみて、凸状に突き出している部分の等圧線または等高線の曲がりぐあいを、高気圧性曲率という。
 気象衛星の雲画像で、発達中の低気圧に伴う雲域の北縁に、高気圧性曲率をもった巻雲のシールド、おおいが形成されることがある。

極気団
 地球上の極地方に生成される気団のことを、極気団といい、大陸性北極気団と大陸性南極気団とがある。
 大陸性北極気団は、北極地方の地表面が雪や氷に覆われているところが発源地で、気団の湿度は低く乾燥している。放射冷却により地表面付近の気温は著しく低下し、顕著な接地逆転を伴う。
 大陸性南極気団は、一年中雪や氷に覆われている南極地方が発源地であり、放射冷却により地表面付近の気温が著しく低下し、顕著な接地逆転を伴う。

波浪のスペクトル
 海の波浪は、あらゆる方向から伝播してくる周波数、振幅、波向をもつ無数の規則的な成分波が重なっている。
 複雑な波浪記録を解析し、周波数、波向、振幅、位相が異なる非常に多くの正弦波、成分波に分解して、波浪の性質を記述したものを、波浪のスペクトルとよぶ。

気象現象、気候の変動

おろし
山から吹きおりた風が山麓で強風をもたらす現象を、おろしという。一般的なおろしの場合、もともと冷たい空気なので, 下降して断熱昇温しても冷たい。
 おろしには、フェーン型とボラ型がある。フェーン型おろしは、風下側の気温は風の吹く前より上昇し湿度は下降する。ボラ型おろしは、吹く前より気温も湿度も下降するため、吹く前より気温も湿度も下降する。
 我が国では各地におろしの常襲地があり、関束平野の空っ風、岡山県の広戸風、愛媛県のやまじ風、山形県の清川だし、北海道の日高しも風や羅臼など、その地方特有の名称でよばれている。

温室効果
 大気の放射過程は、太陽放射(短波)と地球放射(長波)の二つに大別される。 水蒸気や二酸化炭素などは、短波放射を大部分透過させるが長波放射を吸収する。これらの温室効果気体が毛布のように覆う状態になり、地球大気の下層や地表の平均気温を上昇させることになる。成層圈では逆に下降する。この現象を温室効果という。
 地球の地表平均気温(15℃)は、放射平衡温度(-18℃)より高いので、生物の生存に適している。
しかし、人間活動によって温室効果気体が増えると地球の気候が温暖化する可能性が高い。その結果、海面水位の上昇、降雨帯の移動などさまざまな社会的影響が生じるおそれがある。

温帯低気圧
 中緯度や高緯度の下層に出現する総観規模の低気圧を、温帯低気圧という。温帯低気圧は、上層の長波と結合して三次元構造をもち、傾圧不安定になるため傾圧波、 傾圧不安定波ともよばれる。
 温帯低気圧は、勢力が強くなると前線を伴うの一般的である。熱帯低気圧は、前線を伴わない。
 熱帯低気圧は、中心付近の上空に暖かい空気がある。温帯低気圧の上空は、周囲より寒冷である。

寒冷低気圧
 周囲より低温の低気圧のことを、寒冷低気圧という。高層天気図では、冬季に寒冷低気圧による気温分布が現われる。
 長波(地球放射)の谷が深くなって寒冷低気圧が切り離された状態は切離低気圧とよばれる。切離低気圧は周辺より特に低温になり易く、その場合は寒冷渦とよばれる。

寒冷前線
 温帯低気圧が東または北東に進むとき、前方では暖気が寒気の上にはい上がり、後方では寒気が暖気の下にもぐり込む。前方での暖気と寒気の境界を温暖前線という。後方での境界を寒冷前線という。
 寒冷前線は、低気圧の中心から遠方まで活発な天気現象を伴うことが多い。寒冷前線は、前線面の傾斜が急であるため激しい天気を伴い、前線の通過する際には積乱雲や積雲が現われ、気温や露点温度は下降し、風向は急変して突風や雷を伴うことが多い。
 寒冷前線は、暖気と寒気の相対的な動きから、アナ型(アナフロント)とカタ型(カタフロント)に大別される。
 アナ型は、寒冷前線面の上側の空気が上昇運動を伴っている場であり、上昇気流のために背の高い対流性の雲や強い降水を伴うことが多い。
 カタ型は、前線面上の暖気がこの面に沿って下降しているような前線で、雲の発達は不活発で降水を伴うことが少ない。前線がアナ型かカタ型かは地表の前線の移動速度、上空の風の強さ、前線付近の上昇流の活発さなどで決まる。

気圧の鞍部
 天気図の2つの高気圧の間で等圧線や等高度線が接するか交わったような形状のところを、気圧の鞍部という。気圧の鞍部は、地形でいうと山脈の峰と峰の間で少し低くなっている部分に相当する。
 気圧の鞍部は、高圧部なので普通は天気は悪くないが、場合によっては気圧が下降して低気圧が発生することもある。

高気圧性循環
 高気圧性循環とは、高気圧の風は、北半球では時計回り、南半球では反時計回りに循環をすることをいう。
 地表付近では摩擦の影響で高気圧内の風は四方に吹き出している。その風の方向と等圧線のなす角度は、海上で10~20度内外、陸上では地形の影響もあるので変動が大きく45 度以上になることもある。
 高層では摩擦の影響がないので、大規模運動では風はほぼ等高線に沿って吹くことになる。

極循環
 地球を取り巻く大気が、全地球的規模でくり広げている循環運動の全体を大気大循環という。対流圍を中心とした平均子午面循環は三つの循環からなる3細胞構造を示している。
 このうち極地方に現われる循環を極循環という。緯度60度付近の低圧帯では上昇流、極域では下降流で直接循環である。

局地ジェット
 局地ジェットは、ある地域だけに限って発生する強風帯で、大きくは移動しない。局地的な気温差があると、その上空には局地ジェット気流が発生する可能性が高くなる。
 北極や南極の冬季に現われるジェット気流も局地ジェット気流の性格をもっている。
 峡谷を吹く風は気圧配置の風速よりはるかに強くなり、局地ジェットとよばれることがある。また、冬季や夜間に高地で生成された寒冷気塊が重くなって低地へ移動する風は北米などで強風となることがあり、これらも局地ジェットとよばれることがある。

飽和水素気圧
 飽和水素気圧とは、飽和状態の水蒸気の圧力のことをいい、飽和蒸気圧とも呼ばれる。飽和水蒸気圧は、同じ温度の純粋な水面、氷面と平衡状態にある水蒸気の圧力である。
 飽和水蒸気圧の特徴は、次のとおりである。
 ・温度が高いほど飽和水蒸気圧も高い
 ・水面に対する平衡状態は、水面から大気への蒸発量と大気から水面への凝結量が同じになっている状態で、氷面も同様である
 ・水滴面や氷面の曲率が大きいほど飽和蒸気圧は高い
 ・単に飽和水蒸気圧という場合は、水や氷の表面が平面のときの値である
 ・現在の蒸気圧を、気温の飽和水蒸気圧で割って100倍すると相対湿度が得られる
 ・水と氷が共存している状態では、水面に対する飽和水蒸気圧は氷面に対する飽和水蒸気圧よりわずかに高い
 ・水に対しては飽和していないが、氷に対しては飽和している

南高北低型
 日本付近の天気図の型のひとつであり、大陸が低圧部で日本とその南方海上を北太平洋高気圧がおおう気圧配置を、南高北低型という。
 夏に多いので夏型の気圧配置ともいわれる。蒸し暑く晴れた日が持続するが、縁辺ではにわか雨が降りやすい。
 日本周辺に張り出してきた部分を太平洋高気圧、小笠原高気圧とよぶが、この北太平洋高気圧が日本をおおっている形から鯨の尾型とよばれることもある。

南北流型
 偏西風帯が南北方向にも大きく蛇行する気圧配置の型を、南北流型という。南北流型の傾向を以下に示す。
 ・高層天気図の等高線が大きく波うつ
 ・対応する地上天気図には優勢な高気圧がある
 ・上層の気圧の谷の前面で下層の低気圧が発達しやすい
 ・帯状指数は低指数期となる
 ・南北流型の気圧配置の地域では、 気温変化が大きい
 ・気温の南北傾度が小さくなる
 ・南北流の時期が過ぎると、偏西風帯の流れのパターンは帯状流型に移行する
 ・緯度円に沿った偏西風帯により、インデックヌーサイクルが進行する
 ・早春や秋口に、この南北流型が現われやすい

偏束風帯
 かなり広い地域で吹く東寄りの偏束風が吹いている地帯をいう。
 偏東風の種類は、主に次の2つである。
 ・北極付近や南極付近の高気圧から周辺へ吹く地表に近い下層の風
 ・中低緯度の高気圧から赤道付近の低素へ向かって吹く低緯度、対流圏下部の風
 偏東風体帯での天気図に現れる主な現象は、次の2つである。
 ・気圧差きわめて小さいので等圧線天気図には現われない
 ・風向に基つく流線天気図に波動が現われる

放射冷却
 地表面やそれに接した気層が、夜間放射の放出により冷却される現象を、放射冷却という。よく晴れた風の弱い日の、夜半から明け方にかけて、冷え込みが顕署にみられるのはこの現象の表われである。
 夜間放射(有効地球放射)は、地表面から放出される赤外放射(地球放射)と大気から地表面に向けて放出される下向きの赤外放射(大気放射)の差により発生する。

観測機器と予報精度

エコー強度(レーダー)
気象レーダーのアンテナから発射した電波が遠くの降水粒子などに当たると散乱・反射などが起き、後方に電波の一部が戻り、この電波をアンテナで受信することができる。この受信する電波の強さをエコー強度(レーダー)といいい、受信電力をレーダーエコーという。
 レーダーエコーは、増幅・処理された後、レーダー反射因子と降雨強度との統計的関係をもとに降雨強度に換算され、利用される。
 エコー強度が強い場合、雨の強度も強くなり、雨量は多くなる。

減衰係数
 気象レーダー観測において、途中に降雨があれば電波は減衰する。降雨による減衰は、降雨強度に関係するが、さらにレーダーの送信電波の波長にも大きく依存する。この減衰の程度を表わす係数を、減衰係数という。
 電波が1km進むときの減衰をデシベルで表現した数値である。5cm波の例で示すと、30mmh^(-1)の降雨が40km続く大雨の場合、約8dbの減衰となる。

レイノルズ数
 レイノルズ数は R=pLU/η で表わされる。
  ・L:流れの中にある物体の代表的な長さ
  ・U:流れの速さ
  ・p:密度
  ・η:粘性率をηとする
 室内実験で大規模な地形の周辺の気流を調査する際には、レイノルズ数を合わせるように大きさ・流速・粘性・密度を調整する。
 ・レイノルズ数は無次元の量である
 ・同じ形のものでも、流れはレイノルズ数により変化する
 ・同じ形の物体の周辺の流れは、レイノルズ数が同じなら物体の大きさによらず類似する

レイリー散乱
 電磁波の波長が粒子半径にくらべて十分に大きい場合に起こる散乱を、レイリ一散乱という。一般に散乱の特性は、電磁波の波長とそれを散乱させる粒子の半径の間の相対的な大きさの関係によって決まる。
 散乱による光の波長の変化のないもの、空気分子による散乱は、レイリ一散乱によるものである。
 レイリ一散乱の場合、散乱光の強度は電磁波の波長の4乗に反比例する。可視光線のうち青色の光線が赤色の光線の約6.2倍も強く散乱されることになり、日中晴れた空が青くみえることになる。
 日の出や日没の空が赤みがかり、真赤な太陽がみえるのも、相対的に長い距離を経て我々の眼に届く結果、波長の短い可視光線(紫、青、緑等)が途中で散乱され、残った波長の長い部分(赤、橙、黄等)がみえるからである。
 気象レーダーも、波長がcmのオーダーの電磁波が半径1mm程度の雨粒に当たって反射することを利用している。

数値予報、中長期予報、局地予報

重力波ドラッグ
 重力波ドラッグとは、山岳によって励起された内部重力波が、地面と大気の間の運動量交換を行うことによって発生する大気運動のもつ運動量の消散のことである。重力波ドラッグは、重力波抵抗、山岳波抵抗とも呼ばれる。
 数値予報の予想図で、北半球の偏西風ジェットが系統的に北偏する誤差を、モデル機能のバイアスという。この北偏する誤差が顕著であったため、大気中でこの北偏をさせない機構として、重力波ドラッグが考案された。
 重力波ドラッグをモデルに取り込むことによって、予想図の系統的誤差であった北偏が大幅に改善された。

地点確率
 格子点や観測地点を対象とした確率を、地点確率という。降水確率も地点確率であるが、発表する際に対象区域の地点確率を平均している。
 地点確率に対して、広さをもった区域で、大雨などのある現象が発生する確率を、面積確率とよんでいる。

地点予報
 ある特定の地点を選んで行う予報のことを、地点予報という。地域予報に対する言葉であり、ある競技場の日時予報のように、狭い場所のきめ細かい天気予報である。
 業務的には、ある県に対する予報という程度までは公共サービスであるが、私的活動の目的は無数あり、気象庁はそのすべてに応じることはできない。
 同じ競技場でも国や県が主催開催のときと私的競技会では異なる。民間気象事業者が、そうした私的ニーズに応え地点予報を行う。

波浪モデル
 海洋の波浪を予測するため、コンピュータによる巧的な計算方法を、波浪モデルという。
 数値予報で予想された洋上の風の予想をもとに、風による風波の発生と発達、うねりの伝播と減衰を理論式によって計算する。外洋波浪予想の計算では、日本列島などの地形はごく平滑化された形でしか考慮されていない。
 沿岸波浪予想では外洋波浪の予想結果に、半島や湾などの地形による風の吹き方の変化や、波の遮蔽効果などの地形効果を加味する形で行われている。

方向別視程
 視程が方向により相違があるとき、視程がほぼ等しい扇形方位をいくつか定めた場合の方向別の視程値のことを、方向別視程という。
 各方向別の視程に基づいて、観測点のその時刻の代表的な視程が報告されるが、必要に応じて方向別視程も補足される。

気象予報士は気象庁からの観測データをもとに天候予測を行う仕事

気象予報士の仕事内容は勤務先によって異なります。 メディアで働く気象予報士は、基本的にはお天気キャスターの台本を作成する仕事が多いですが、自らキャスターをつとめる場合もあります。 一般企業に属する場合は、会社にとって有益になる気象予報をおこないます。 民間気象会社の場合は、クライアントがイベントをするのに、気象予報士が最適な日を予測したりします。

気象予報士の仕事は、気象庁から提供される観測データや、気象レーダー・アメダスなどを分析して、 天気や気温・湿度・降水確率などの天候予測をおこないます。 さらに、気象に関する書籍や教科書の作成にも気象予報士が監修していますし、 小中高校への天気に関する講座の実施にも有資格者が講師として参加しています。


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