職業訓練指導員試験は、職業訓練を指導する指導員になるために必要な資格試験となっています。職業訓練は全国の公共職業能力開発施設や、障がい者へ向けた職業訓練校、離職者に向けた「ものづくり」分野といった場所で行われており、試験や講習内容は各都道府県によって異なります。試験は学科試験と実務試験の2つに分かれており、試験免許職種は123職種にものぼります。毎年すべての免許を試験するのではなく、年度によって実施される科目は異なるため、受けたい職種が決まっている人はいつ試験が行われるのかチェックしておかなければなりません。試験免許には、「建築」「機械」「理美容」「自動車整備」「電気」などさまざまなものがあります。
職業訓練指導員とは
職業訓練指導員とは、公共職業訓練及び認定職業訓練に関する技術・技能・理論を身に付け、訓練生の指導に携わることができる国家資格です。
職業訓練指導員免許の職種は123職種あり、試験は各都道府県ごとに行われます。内容は学科試験と実技試験に分かれており、学科試験には、全職種共通の「指導方法」と、職種別の「系基礎学科」及び「専攻学科」があり、試験方式は択一形式で出題されます。実技試験は職種別に実施されています。各試験は各都道府県ごと異なり難易度にも差があるため、参考書テキストの内容を十分に熟知しておく必要があるでしょう。
また、一定の免許や資格を所有することにより学科試験と実技試験を免除することが可能なので、先にそちらの取得を目指すのも良いでしょう。
職業訓練指導員資格を取得するには
職業訓練指導員資格を取得するには、以下の方法があります。
- 職業能力開発総合大学を卒業する
- 実務経験を積み試験に合格する
- 講習を修了する
- 検定試験に合格する
さらにその後、各都道府県で実施されている通称48時間講習を受講する、あるいは職業訓練指導員試験を受け合格する、そして職業訓練指導員免許申請を行いそれが通った後、晴れて職業訓練指導員の免許を取得することが可能になります。
どのルートで職業訓練指導員の免許を取得するかは自身で選ぶことができますが、そうした資格を得られる大学校を出ていない、あるいは実務経験のない人は、まずは技能検定試験を受験するのが一番の近道です。
免許証申請方法
職業訓練指導員の免許証申請を行うには下記の方法があります。
・職業能力開発総合大学校の長期課程または専門課程の指導員訓練を修了した者(講習)
・都道府県の実施する職業訓練指導員試験の合格者(試験)
・上記と同等以上の能力を有すると認められる資格を有する者
職業訓練指導員講習
職業訓練指導員講習は、職業能力開発促進法の規定に基づき、職業訓練指導員として必要な知識および指導方法の修得を目的としています。
6日間の講習をすべて受講し、講習最終日に実施される確認試験に合格することで資格が得られます。合格後に申請することで、都道府県知事から「職業訓練指導員免許」が交付されます。
受験資格
1.技能検定1級・単一等級合格者
2.高校・短大・大学などで免許職種に関する学科を履修し、一定の実務経験をもつ者。
3.職業能力開発促進法による職業訓練の修了者で一定の実務経験を持つ者。
講習の内容
講 習 … 6日間/48時間
職業訓練原理、教科指導法、労働安全衛生、訓練生の
心理、生活指導、関連法規、事例研究、確認テスト
※所有する資格によって実技試験、学科試験のうち関連学科
の両方、または、どちらかが免除される。
職業訓練指導員試験
職業訓練指導員試験は、職業能力開発促進法の規定に基づき、職業訓練指導員免許を取得するために行う資格取得試験です。職業訓練指導員職員の採用試験ではありません。
職業訓練指導員試験に合格すると、都道府県への申請により職業訓練指導員免許が交付されます。
受験資格及び試験の免除
職業訓練指導員試験の受験資格及び試験の免除は、免許職種によって異なります。
以下のいずれかに該当する場合には、試験を受けることはできません。
- 禁錮以上の刑に処せられた者
- 職業訓練指導員免許の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
試験日程・申し込み方法
職業訓練指導員試験は、年に一度、全国各地で行われます。
試験日程は、試験開催地によって異なります。
試験地
職業訓練指導員試験は、各都道府県で行われています。
受験料金・支払い方法
職業訓練指導員試験の受験料金・支払い方法、試験開催地によって異なります。
試験の内容
職業訓練指導員試験の内容は、試験開催地によって異なります。
一例として、東京都での試験内容を見てみましょう。東京都の試験では学科試験として①指導方法②系基礎学科③専攻学科の3つが行われています。それぞれの試験時間は90分、60分、60分で合計3.5時間です。学科試験のほかに実技試験もあります。
講習は6日間で行われ、9時頃~18時頃まで毎日実施されます。そのスケジュールは、1日目「職業訓練原理」「訓練実施計画」、2日目「指導の準備」「指導の進め方」「労働安全衛生」、3日目「関係法規」「教材の活用」、4日目「訓練評価」「事例研究」、5日目「訓練生の心理」、6日目「生活指導」「確認試験」というようになっています。職業能力開発総合大学校の長期課程などを修了した者については、これらの試験と講習を受けずに無試験で取得することが可能です。
合格基準・合格率・難易度
職業訓練指導員試験の合格基準は、実技試験は60%以上の得点率、学科試験は指導方法について60%以上の得点率が必要とされます。受験の合格率は30%~50%、講習の合格率は90%です。ただし難易度は都道府県により異なり、科目によって人気の度合いも大きく変わってきます。
職業訓練指導員試験の勉強法
職業訓練指導員試験の勉強法は、過去問から出題傾向の分析を行い、高い確率で予想的中させて無駄を省くことにあります。また、試験前は、余裕のあるスケジュール管理が必要です。ゆとりと余裕が脳を活性化させ、強い集中力を生みだします。確実に合格点が獲れる試験対策を使って準備をしましょう。
職業訓練指導員講習を受講する場合は、講習申込時にテキストを購入できます。講習を受講せず、試験を受ける場合には、テキストを購入しましょう。
職業訓練指導員試験の過去問は、大阪府のみ公開されています。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/535/00001580/a.pdf
市販されているテキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。