採石業務管理者は、建設業界や土木業界において需要が高い資格です。工事などに使う石材を山や採石場から切り出す採石業では、事務所1ヶ所につき1名の採石業務管理者を置くことが法律で義務付けられており、採石業を行うために必須の資格となっています。
採石業務管理者になるには国家試験である採石業務管理者試験に合格する必要がありますが、性別や年齢、学歴、実務経験といった受験資格は必要なく、誰でも受験できます。
採石業務管理者とは
採石業務管理者とは、採石業における岩石の採取に伴う災害の防止や作業員の安全管理を担う者です。採石業務管理者になるには、国家試験である採石業務管理者試験に合格する必要があります。
工事などに使う石材を山や採石場から切り出す採石業においては、都道府県知事に対し採石業の登録申請をする必要があります。採石業の登録申請には、事務所1ヶ所につき1名の採石業務管理者を置くことが法律で義務付けられています。採石業務管理者を置いていない業者は、採石業務を行うことはできません。そのため、建設業界や土木業界において需要が高い資格となっています。
主な業務
- 岩石の採取に伴う災害対策
- 危険防止策計画
- 現場の事前調査
- 採石作業に携わる人員への安全指導
関連する資格
災害防止のための職務を担う資格として、採石業務管理者以外に砂利採取業務主任者もあります。
砂利採取業務主任者は、砂利の採取に伴う災害の防止に関する資格であり、採石業ではありません。
採石業務管理者試験
採石業務管理者試験は、各都道府県の採石担当課で実施されています
受験資格
性別や年齢、学歴、実務経験といった制限はなく、誰でも受験できます。
日程
採石業務管理者試験は、毎年10月の第2金曜日に実施されています。
申込期間は、都道府県によって異なりますが、おおむね8月下旬から9月末です。
試験地
各都道府県の採石担当課
受験料
8,100円
試験内容
出題形式:四肢択一式
試験時間:120分
①岩石採取に関する法令事項
②岩石の採取に関する技術的な事項
合格基準
法令問題・技術問題ともに、70点以上で合格です。どちらか一方でも70点に達しなければ、不合格となります。
合格率
採石業務管理者試験は、約30%程度です。
2021年10月8日に山口県で実施された採石業務管理者試験では、受験者数46名、合格者数13名、合格率28.3%と発表されています。
参考資料:令和3年度採石業務管理者試験合格者の発表
採石業務管理者試験の勉強方法
採石業務管理者試験に独学で合格するには、約180時間の勉強時間が必要と言われています。試験では法令問題と技術問題が出題されます。
法令問題で出題される主な法律は以下の通りです。
- 採石法
- 公害対策基本法
- 水質汚濁防止法
- 大気汚染防止法
- 火薬類取締法
- 砂利採取行為規制関係法
技術問題では、採石や発破に関する知識と技能など、実際の作業に関する問題が出題されます。
また、合格するためには法令問題・技術問題ともに70点以上の得点が必要なので、バランス良く勉強するようにしましょう。
過去問を繰り返し解く
採石業務管理者試験の勉強方法は、過去問を数年分、繰り返し勉強することです。試験問題には、同じような問題の出題が多く、過去問を勉強して解答の解説が詳しい問題集や参考書から、理論と解法を勉強することで類似問題に対応できます。
テキストや問題集は、日本砕石新聞社が発刊しています。
- 令和3年度 採石業務管理者試験の問題と解説 3,300 円(税込・送料別)
- 採石業務管理者試験の受験テキスト 3,300 円(税込・送料別)
- 採石法および関係法令集〔小冊子〕 440 円(税込・送料別)
採石業務管理者試験 – 砂利採取業務主任者試験 – 日本砕石協会
採石業務管理者試験の過去問は、各都道府県のホームページで公開されています。例えば、三重県では、2017年から2021年までの、試験の問題及び正解が公開されています。
市販されているテキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。
e-ラーニングを利用した模擬受験システム
一般社団法人日本砕石協会では、e-ラーニングを利用した模擬受験システムが実施されています。
e-ラーニングは、パソコンやスマホなどから、過去7年間の採石業務管理者試験の法令問題、技術問題の模擬受験を行い、4択の答えを選択する仕組みです。