問01~問10 クレーンに関する知識/クレーン・デリック運転士

問01~問10 クレーンに関する知識 / これだけ項目集 1

◇ クレーンの用語

CD運転士  H31上期-01  H29上期-01
クレーンの用語

・巻上げとは、荷が上昇する運動をいう。
・巻下げとは、荷が下降する運動をいう。
・玉掛けとは、ワイヤロープ、つりチェーンなどの玉掛用具を用いて荷をクレーンのフックに掛けたり、外したりすることをいう。
・横行とは、クレーンガーダ、水平ジブなどに沿ってトロリが移動する運動をいう。
・地切りとは、巻上により荷を地上から離すことをいう。
・キャンバとは、天井クレーンなどでガーダに与える上向きのそり(曲がり)をいう。
・スパンとは、天井クレーンで、クレーンガータの支点から支点までの距離をいう。

CD運転士  R01下期-08  H31上期-01  H30下期-10  H29上期-01
定格荷重、定格速度

・定格荷重とは、デリックの構造及び材料並びにブームの傾斜角に応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具分を差し引いた荷重をいう。
・定格速度とは、定格荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、旋回などの作動を行う場合のそれぞれの最高の速度をいう。

CD運転士  R01下期-08  H29下期-10
つり上げ荷重

・ブームを有するデリックで、つり上げ荷重とは、ブームの傾斜角を最大にしたときに構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。

CD運転士  R01下期-08  H31上期-01  H30下期-10  H29下期-10
作業半径、旋回

・作業半径とは、旋回中心とつり具中心との水平距離をいう。
・作業範囲とは、デリックの各種運動を組み合わせてつり荷を移動できる範囲をいう。
・旋回とは、ブームを有するデリックで、旋回中心を軸としてブームが回る運動をいう。

CD運転士  R01下期-08  H30下期-10  H29下期-10  H29上期-10
傾斜角

・ブームの傾斜角とは、ブームの中心線と水平面とのなす角をいう。
・ジブの傾斜角とは、ジブクレーンのジブの基準線と水平線とのなす角をいう。
・作業半径が大きくなると、傾斜角は小さくなる。

CD運転士  R01下期-08  H30下期-10  H29下期-10
揚程

・揚程とは、つり具を有効に上げ下げできる上限と下限との間の垂直移動距離をいう。

◇ クレーンの構造

CD運転士  H31上期-02  H30下期-01  H29上期-02
トラスガーダ、プレートガーダの構造

・トラスガーダは、細長い部材を三角形に組んだ骨組構造で、強度が大きい。
・プレートガーダは、鋼板をI形状に組み立てた構造で、補助桁を設けないこともある。

CD運転士  H31上期-02  H30下期-01  H29上期-02
Iビームガーダの構造

・Iビームガーダは、I形鋼を用いたクレーンガーダで、補桁を設けないこともある。

CD運転士  H31上期-02  H30下期-01  H29上期-02
ボックスガーダの構造

・ボックスガーダは、鋼板を箱形状に組み合わせた構造であるが、その断面形状では水平力を十分に支えることができるため、補桁は不要である。

◇ クレーンのトロリ、作動装置

CD運転士  R01下期-01  H30下期-02  H29上期-03
クラブ、トロリ装置

・クラブトロリの横行装置には、電磁ブレーキや電動油圧押上機ブレーキが用いられるが、屋内に設置される横行速度の遅いものなどでは、ブレーキを設けないものもある。
・クラブとは、トロリフレーム上に巻上装置と横行装置を備え、2本のレール上を自走するトロリをいう。
・マントロリとは、トロリに運転室が取り付けられ、荷とともに運転室が横移動するものである。荷とともに昇降はしない。

CD運転士  R01下期-01  H30下期-02  H29上期-03
ホイスト装置

・ホイストは、電動機、減速装置、巻上げドラム、ブレーキなどを小型のケーシング内に収めたもので、巻上装置と横行装置が一体化されている。
・ワイヤロープ式のホイストには、トップランニング式と呼ばれるダブルレール型ホイストとサスペンション式と呼ばれる普通型ホイストがある。

CD運転士  H30下期-02  H29上期-03
巻上装置

・巻上装置に主巻と補巻を設ける場合、定格荷重の大きい方を主巻、小さい方を補巻と呼び、一般的には巻上速度は補巻の方が速い。
・電動機、制動用ブレーキ、減速機、ドラムなどからなる巻上装置では、巻下げの際、荷により電動機が回されようとするので、電動機軸に速度制御用ブレーキを取り付け、速度の制御を行うものが多い。

問01~問10 クレーンに関する知識 / これだけ項目集 2

◇ クレーンの種類、形式、用途

CD運転士  H29下期-01  H28下期-01
アンローダ、コンテナクレーンの種類

・アンローダとは、鉄鉱石などのばら物を荷役するための専用クレーンで、橋形クレーン式と引込みクレーン式に大別される。
・コンテナクレーンとは、コンテナの陸揚げ・積込み用としてコンテナ専用のつり具を備えたクレーンである。

CD運転士  H31上期-02  H30下期-01  H29上期-02  H28下期-01
橋形クレーンの種類

・橋形クレーンの脚部には、剛脚と揺脚があり、その構造は、ボックス構造やパイプ構造が多い。
・橋形クレーンの脚部には、剛脚はクレーンガーダに作用する水平力に耐える構造であり、揺脚は、クレーンガーダとピンヒンジで接合されている。
・橋形クレーンとは、ガーダに脚部を設けたクレーンで、一般に地上又は床上に設けたレール上を移動するが、作業範囲を広げるため、走行レールの外側にカンチレバーを設けたものもある。

CD運転士  R01下期-01  H31上期-02  H30下期-02  H29上期-03
天井クレーンの種類

・天井クレーンのサドルは、クレーンガーダを支え、クレーン全体を走行させる車輪を備えた構造物である。
・天井クレーンの一電動機式走行装置は、ガーターの上に電動機と減速装置を備え、 軸によって両側の走行車輪を駆動する。
・クラブトロリ式天井クレーンとは、巻上装置及び横行装置を備えたクラブがガーダ上を移動する形式のクレーンである。

CD運転士  R01下期-01  H30下期-02  H30下期-01  H29上期-02  H28下期-01
ジブクレーンの種類

・ジブクレーンの起伏装置には、ジブが安全・確実に保持されるよう、電動機軸又はドラム外周に、制動用又は保持用ブレーキが取り付けられている。
・ジブクレーンの旋回装置の旋回方式には、センターポスト方式、旋回環方式などがある。
・ジブクレーンの旋回装置は、中心軸の周りでジブなどを回転させる装置で、電動機、減速装置、固定歯車、ピニオンなどで構成されている。
・クライミング式ジブクレーンとは、工事の進捗に伴い、必要に応じてマストを継ぎ足し、旋回体をせり上げる装置を備えたクレーンである。
・塔形ジブクレーンとは、高い搭状の構造物の上に起伏するジブを設けたクレーンで、主に造船所での艤装に使用される。
・ジブクレーンのジブは、荷をより多くつれるように、自重をできるだけ軽くする。
・ジブクレーンのジブは、剛性を持たせる必要があるため、パイプトラス構造やボックス構造のものが用いられる。

CD運転士  H29下期-01  H28下期-01
スタッカー式クレーンの種類

・スタッカー式クレーンとは、直立したガイドフレームに沿って上下するフォークなどを有するクレーンで、倉庫の棚などの荷の出し入れに使用される。

CD運転士  H29下期-01  H28下期-01
その他クレーンの種類

・レードルクレーンとは、製鋼関係の工場で用いられる特殊な構造の天井クレーンである。
・テルハとは、通常、工場、倉庫などの天井に取り付けられたI形鋼の下フランジに、電気ホイスト又は電動チェーンブロックをつり下げたクレーンである。
・つち形クレーンとは、トロリの形式によりホイスト式、クラブトロリ式及びロープトロリ式に分けられる。

◇ ワイヤロープ、つり具の用途

CD運転士  R01下期-02  H31上期-03  H29上期-04
フックの形式用途

・フックは、形状、材質、強度などによる条件に適応するため、一般に鍛造によって成形されている。

CD運転士  R01下期-02  H30下期-03  H30上期-02  H29下期-03  H29上期-04
リフティングマグネットの形式用途

・リフティングマグネットは、電磁石を応用したつり具で、不意の停電に対してつり荷の落下を防ぐため、停電保護装置を備えたものがある。

CD運転士  R01下期-02  H29上期-04
クローの形式用途

・クローは、製鋼工場において、熱鋼片やレールなどを扱う天井クレーン等に用いられる専用のつり具である。

CD運転士  R01下期-02  H29上期-04
バキューム式つり具の形式用途

・バキューム式つり具は、ガラス板などのように表面が滑らかな板状の物を取り扱うときに用いられる。

CD運転士  R01下期-02
スプレッダの形式用途

・スプレッダは、コンテナクレーンのコンテナの荷役に用いる専用のつり具装置である。

CD運転士  H31上期-03  H29上期-04
グラブバケットの形式用途

・グラブバケットは、石炭、鉄鉱石、砂利などのばら物を運搬するために用いられるつり具である。

CD運転士  H31上期-03  H30下期-03  H30上期-02  H29下期-03
ラングよりのワイヤロープ

・「ラングより」のワイヤロープは、ロープのよりの方向とストランドのよりの方向が同じである。

CD運転士  H31上期-03  H30下期-03  H30上期-02  H29下期-03  H28下期-07
「Sより」「Zより」のワイヤロープ

・「Zより」のワイヤロープは、ロープを縦にして見たとき、右上から左下へストランドがよられている。
・「Sより」のワイヤロープは、ロープを縦にして見たとき、左上から右下へストランドがよられている。

CD運転士  H31上期-03  H30下期-03  H29下期-03  H28下期-07
ワイヤロープの心綱

・ワイヤロープの心綱は、ストランドの中心にあり、繊維心とロープ心がある。ストランドは、 良質の炭素鋼を線引きして作られる。

CD運転士  H30下期-03  H30上期-02  H29下期-03  H28下期-07
ワイヤロープ径の測定

・ストランド6よりのワイヤロープの径の測定は、ワイヤロープの同一断面の外接円の直径を3方向から測定し、その平均値を算出する。

CD運転士  H30上期-02
フィラー形のワイヤロープ

・フィラー形のワイヤロープは、ストランドを構成する素線の間に細い素線を組み合わせたものである。

CD運転士  H28下期-07
シーブの形式用途

・シーブは、ワイヤロープの案内用の滑車であり、ロープの構成、材質などに応じてシーブ径(D)とロープ径(d)との比(D/d)の最小値が定められている。
・エコライザシーブは、左右のワイヤロープの張力をつり合わせるために用いられ、ほとんど回転はしない。

◇ クレーンの機械要素

CD運転士  R01下期-04  H31上期-04  H30上期-03  H29上期-05
平座金、ばね座金

・平座金は、当たり面の悪いところ、傷つきやすいところなどに用いられる。
・振動や繰返し荷重によるボルトやナットの緩みを防ぐため、ばね座金や舌付き座金のほか、ダブルナット、スプリングナットなどが使用される。

CD運転士  R01下期-04  H30上期-03
キー板、転がり軸受

・キー板は、固定軸の回転や軸方向への抜け出しを防ぐために用いられる。
・転がり軸受は、玉やころを使った軸受で、回転の際の摩擦抵抗が非常に小さい。

CD運転士  R01下期-04  H30下期-04  H30上期-03
六角ボルト、リーマボルト

・六角ボルトの取付け穴は、ボルトの径より若干大きめにあける。
・リーマボルトは、ボルトの取付け穴の径はボルト径よりも若干小さい。
・リーマボルトは、ボルト径が穴径よりわずかに大きく、取付精度は良く、横方向にせん断力を受けるため、大きな力に耐えられる。

CD運転士  H31上期-04  H29上期-05
ウォームギヤの機能

・ウォームギヤは、ウォームとこれにかみ合うウォームホイールを組み合わせたもので、
15~50程度 の減速比が得られる。

CD運転士  R01下期-04  H31上期-04  H30下期-04  H30上期-03  H29上期-05
歯車形軸継手の機能

・歯車形軸継手は、外筒の内歯車と内筒の外歯車がかみ合う構造で、外歯車にはクラウニングが施してあるため、二つの軸が一直線上になく、2軸のずれや傾きがあっても円滑に動力を伝えることができる。
・はすば歯車は、歯が軸につる巻状に斜めに切られており、平歯車より動力の伝達にむらが少なく、静かである。

CD運転士  H31上期-04  H30下期-04  H29上期-05
ローラーチェーン軸継手の機能

・ローラーチェーン軸継手は、たわみ軸継手の一種で、2列のローラーチェーンと2個のスプロケットから成り、ピンの抜き差しで両軸の連結及び分離が簡単にできる。

CD運転士  H31上期-04  H30下期-04  H29上期-05
フランジ形軸継手の機能

・全面機械仕上げしたフランジ形固定軸継手は、バランスが良いため、回転が速い軸の連結に用いられる。
・フランジ形たわみ軸継手は、 フランジとボルトの間にゴム又は皮革等の弹力性のある材料を利用したたわみ軸継手で、 二つの軸のずれや傾きの影響を緩和するために用いられる。

◇ クレーンの運動と安全装置

CD運転士  H30上期-04  H29下期-05
クレーンの衝突防止装置

・同一ランウェイ上に2台のクレーンが設置されている場合の衝突防止装置には、リミットスイッチ式、光式及び超音波式のものがある。
・リミットスイッチ式衝突防止装置は、同一ランウェイの2台のクレーンの相対する側に腕を取り付け、これにより接近したリミットスイッチを作動させ、衝突を防止する。
・衝突時の衝撃力を緩和する装置には、ばね式又は油圧式の緩衝装置がある。

CD運転士  R01下期-07  H30下期-05
クレーンの外れ止め装置、警報

・クレーンのフックの外れ止め装置には、スプリング式とウェイト式があるが、小型・中型のクレーンでは、スプリング式のものが多く使われている。
・クレーンの運転者が、周囲の作業者などに注意を喚起するため必要に応じて警報を鳴らす装置には、運転室に設けられた足踏み式又はペンダントスイッチに設けられた警報用ボタン式のブザー、サイレンなどがある。

CD運転士  R01下期-07  H30下期-05  H30上期-04  H29下期-05
リミットスイッチの巻過防止装置

・ねじ形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上げ過ぎ及び巻下げ過ぎの両方の位置制限を1個のリミットスイッチで行うことができる。
・ねじ形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上げドラムに連動して回転するスクリューに取り付けられたトラベラーの移動により、リミットスイッチを働かせる方式で、複数の接点を設けることができる。
・カム形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上ドラムの回転によってカムを回転させリミットスイッチを働かせる方式で、複数の接点を設けることができる。
・ねじ形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上用ワイヤロープを交換した場合は、フックの位置とトラベラーの作動位置を再調整する必要がある。
・カム形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、ワイヤロープを交換した時、スイッチの作動位置を再調整する必要がある。
・ワイヤロープを交換した後のリミットスイッチの接点の作動位置の再調整は、直働式巻過防止装置では必要ないが、間接式巻過防止装置では再調整が必要である。
・レバー形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、ワイヤロープを交換したとき、スイッチの作動位置の再調整が不要である。

CD運転士  R01下期-07  H29下期-05
走行レールの車輪止め

・走行レールの車輪止めの高さは、走行車輪の直径の2分の1以上とする。

CD運転士  R01下期-07  H29下期-05
アンカー、レールクランプの安全

・アンカーは、屋外に設置されたクレーンが作業停止時に暴風などにより逸走することを防止する装置である。
・アンカーは、走行路の定められた係留位置で、短冊状金具を地上の基礎に落とし込むことなどにより、クレーンを固定して逸走を防止する。
・レールクランプは、屋外に設置されたクレーンが作業中に突風などにより逸走することを防止する装置で、走行レールのどの位置でも固定可能である。

CD運転士  H30下期-05  H30上期-04
フートスイッチの安全

・天井クレーンなどでは、運転室からクレーンガーダへ上がる階段の途中にフートスイッチを設け、点検などの際に階段を上がると主回路が開いて感電災害を防止できる。

CD運転士  H31上期-05
クレーンの運動と安全装置

・巻上げ … ねじ形リミットスイッチを用いた巻過防止装置
重錘形リミットスイッチを用いた巻過防止装置
・巻上げと巻下げの両方 … カム形リミットスイッチを用いた巻過防止装置
・巻下げ … 直働式巻過防止装置
・走行  … 斜行防止装置
・横行  … 横行車輪直径の 4分の1 以上の高さの車輪止め
・起伏  … 傾斜角指示装置

◇ クレーン運転時の注意事項

CD運転士  H30上期-06
クレーン運転時の注意事項

・ジブクレーンで荷をつるときは、マストやジブのたわみにより作業半径が大きくなるので、つり荷の質量が定格荷重に近い場合には、たわみにより大きくなったときの作業半径における定格荷重を超えないことを確認する。
・巻下げ過ぎ防止装置のないクレーンのフックを巻き下げ続けると、逆巻きになるおそれがある。
・停止時の荷振れを防止するために行う追いノッチは、移動を続けるつり荷が目標位置の少し手前まで来たときに移動の操作を一旦停止し、慣性で移動を続けるつり荷が振り切れる直前に再び移動のスイッチを入れ、その直後に移動のスイッチを切り、つり荷を停止させる手順で行う。
・インバーター制御のクレーンは、低速から高速までの無段階の速度制御により、スムーズな加速・減速や微速運転ができるので、つり荷の荷振れが抑えられるため、インチングを行わなくても位置合わせができる。
・つり荷を降ろしたときに玉掛用ワイヤロープが挟まり手で抜けなくなった場合でも、クレーンのフックの巻上げによって荷から引き抜いてはならない。

◇ クレーンのブレーキ

CD運転士  R01下期-06  H31上期-06  H30下期-06  H30上期-05  H29上期-06
足踏み油圧式ディスクブレーキ

・足踏み油圧式ディスクブレーキは、運転室で操作する天井クレーンの走行用やジブクレーンの旋回用に用いられる。
・足踏み油圧式ディスクブレーキは、運転室に設けた足踏み油圧シリンダを操作することにより制御するもので、天井クレーンの走行用やジブクレーンの旋回用に用いられる。
・足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン及びこれらをつなぐ配管などに油漏れや空気の混入があると、制動力が生じなくなることがある。

CD運転士  R01下期-06  H31上期-06  H30上期-05  H28下期-06
バンドブレーキ

・バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、バンドを締め付けて制動する構造である。
・バンドブレーキには、緩めたときにバンドが平均して緩むように、バンドの外周にすき間を調整するボルトが配置されている。

CD運転士  R01下期-06  H31上期-06  H29上期-06  H28下期-06
ドラム形電磁ブレーキ

・ドラム形電磁ブレーキは、電磁石、リンク機構及びばねにより構成されており、電磁石の励磁を交流で行うものを交流電磁ブレーキ、直流で行うものを直流電磁ブレーキという。
・ドラム形電磁ブレーキは、電磁石、リンク機構、ばね、ブレーキシューなどで構成されている。
・ドラムブレーキでは、ブレーキライニングが摩耗し過ぎると、ブレーキドラムを傷つけたり、ブレーキの調整ができなくなったりする。

CD運転士  H30下期-06  H29上期-06  H28下期-06
電磁ディスクブレーキ

・電磁ディスクブレーキは、ディスクの冷却効果が良く、装置全体を小型化しやすい利点がある。
・電磁ディスクブレーキは、小型にできることからホイストの巻上装置などに多く用いられる。

CD運転士  H30下期-06  H30上期-05
電磁式バンドブレーキ

・電磁式バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電流を絶つとおもりによってバンドがドラムを締め付けて制動する。

CD運転士  R01下期-06  H31上期-06  H30下期-06  H30上期-05  H29上期-06   H28下期-06
電動油圧ブレーキ

・電動油圧押上機ブレーキは、制動時の衝撃が少なく、横行用や走行用に多く用いられる。
・電動油圧押上機ブレーキは、ばねの復元力によって制動を行い、油圧により押上げ力を得て制動力を解除する。
・電動油圧式ディスクブレーキは、ばねによりディスクをパッドで締め付けて制動し、制動力の開放は油圧により行うが、ディスクの冷却効果が良く、また装置全体を小型化しやすい利点がある。

CD運転士  H31上期-06  H30下期-06  H30上期-05
巻上装置及び起伏装置のブレーキ

・巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の 1.5 倍以上の制動力を持つものでなければならない。

◇ クレーンの給油と点検

CD運転士  R01下期-05  H31上期-07  H30上期-07  H29上期-07  H28下期-05
ワイヤロープの点検

・ワイヤロープには、ロープ専用のグリースを塗布する。
・ワイヤロープの点検で直径を測定する場合は、エコライザシーブ付近を避け、フックブロックのシーブを通過する頻度が高い部分の位置で測定する。
・ワイヤロープは、シーブ通過により繰り返し曲げを受ける部分、ロープ端部の取付け部分などに重点を置いて点検する。
・ワイヤロープの心綱には、素線の摩耗を防ぐために油を含ませてあるが、 長時間使用しているうちに油が絞り出されて少なくなり素線の摩耗が增加するので、交換する。

CD運転士  R01下期-05  H31上期-07  H30上期-07  H29上期-07  H28下期-05
減速機箱の点検

・潤滑油としてギヤ油を用いた減速機箱は、油量、変質等について定期的に点検し、劣化しているときは、新しい油と交換する。
・減速機箱の油浴式給油装置の油が白く濁っている場合は、水分が多く混入している。

CD運転士  R01下期-05  H31上期-07  H30上期-07  H29上期-07  H28下期-05
軸受へのグリースの給油

・軸受へのグリースの給油は、転がり軸受では6か月に1回程度、平軸受(滑り軸受)では毎日1回を目安とする。

CD運転士  H31上期-07  H29上期-07
グリースカップ式の給油

・グリースカップ式の給油方法は、 グリースカップから一定の圧力で自動的にグリースが圧送されるが、 給油に手間がかかる。

CD運転士  R01下期-05  H30上期-07  H28下期-05
給油装置の給油

・給油装置は、配管の穴あき、詰まりなどにより給油されないことがある。
・集中給油式給油装置の給油状態は、給油部分から押し出された古い油の状態で確認する。
・集中給油式は、ポンプから給油管、分配管及び分配弁を通じて、各給油箇所に一定量の給油を行う。

問01~問10 クレーンに関する知識 / これだけ項目集 3

◇ デリックの種類と型式

CD運転士  R01下期-09  H31上期-08  H30下期-08  H30上期-08
スチフレッグデリック

・スチフレッグデリックは、1本の直立したマストを通常 90°に開いた2本のステーにより後方から支えるものである。
・スチフレッグデリックは、ブームはマストより長いものが多く、240°まで旋回する。安定度はガイデリックより大きい。

CD運転士  R01下期-09  H31上期-08  H30下期-08  H30上期-08
ガイデリック

・ガイデリックは、1本の直立したマストを6本以上のガイロープにより支えるもので、ブームはガイロープをくぐるようにして 360°まで旋回する。

CD運転士  R01下期-09  H31上期-08  H30下期-08  H30上期-08
ジンポールデリック

・ジンポールデリックは、1本のマストを3本以上のガイロープにより支えるもので、マストを傾斜させて使用する。
・ジンポールデリックは、ウインチ及び付属品で構成され、巻上げ巻下げのみで、旋回はできない。機械の据え付けや組み立て等の仮設の設備として使用されている。

CD運転士  R01下期-09  H31上期-08  H30下期-08  H30上期-08
鳥居形デリック

・鳥居形デリックは、 2本のマストとその上端を結ぶ横ばりをガイロープにより後方から支えるもので、通常、 数個のつり具の組合せにより荷の巻上げ及び巻下げを行う。

CD運転士  R01下期-09  H31上期-08  H30下期-08  H30上期-08
二又デリック

・二又デリックは、上端が互いに交差する2本のマストを、2本以上のガイロープにより支えるものである。
・二又デリックは、交差部に巻上げ用ワイヤロープが取り付けられ、巻上げ巻下げのみで、旋回はできない。

◇ デリックの取扱、操作

CD運転士  R01下期-10  H30下期-09  H29上期-09
ならし運転

・ブレーキ、クラッチ、警報装置の機能を確認するための、ならし運転は、無負荷で行う。

CD運転士  R01下期-10  H31上期-09  H30下期-09  H29上期-09  H28下期-08
ウインチを用いるデリック

・ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を掛け、クラッチを外し、スイッチを切って送電を待つ。

CD運転士  H31上期-09  H30下期-09  H28下期-08
旋回するブームを有するデリック

・旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こすことになる。

CD運転士  R01下期-10  H31上期-09  H29上期-09  H28下期-08
巻過防止装置を備えていないデリック

・巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止する。

CD運転士  R01下期-10  H29上期-09
ワイヤロープの乱巻き

ワイヤロープが乱巻きになり始めた場合は、そのまま巻き戻すとワイヤロープが痛み、事故の原因となるため、一且巻き戻しフリートアングルを調整する。

CD運転士  R01下期-10
ワイヤロープの引き抜き

・つり荷から玉掛け用ワイヤロープを引き抜く際、デリックの巻上げ動作で引き抜くと、玉掛け用ワイヤロープが荷に引っ掛かり、荷崩れを引き起こすおそれがある。

CD運転士  H31上期-09  H28下期-08
ワイヤロープの重ね巻き

・みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。

CD運転士  H31上期-09  H30下期-09  H28下期-08
巻下げの操作

・巻下げのときは、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックが多い。

CD運転士  H30下期-09  H29上期-09
荷の水平移動、横引き、斜め吊り

・荷の水平移動を行う場合は、荷を所要の高さまで巻き上げてから、水平移動に移る。
・荷の横引き、斜め吊りは、行ってはならない。

CD運転士  H28下期-09
デリックの基礎

・控えの基礎は、アンカー埋込みコンクリート基礎、くい打ち基礎、まくら木埋込み基礎などがあり、構台を構築することは少ない。
・軟弱地盤など、地耐力が小さくデリック本体の基礎として普通のコンクリート基礎では不十分な場合は、くい打ち基礎とする。
・建築中の建物の鉄骨をデリック本体の基礎とすることがある。
・デリック本体のコンクリート基礎では、アンカーボルトを埋め込み、これにデリック架台を固定する。
・ウインチの基礎は、水平力と押上げ力(上方向の力)がかかるので、その荷重に耐えるものとする。

CD運転士  H31上期-10  H30上期-10
旋回専用の電動機

・旋回専用の電動機で旋回装置を駆動して、ブームを旋回させるデリックがある。

CD運転士  H31上期-10  H30上期-10
旋回警報装置

・旋回の制限位置の手前で、ブルホイールに取り付けたストライカにより、リミットスイッチを作動させる旋回警報装置がある。

CD運転士  H31上期-10  H30上期-10  H28下期-10
ブルホイールの旋回

・ブルホイールは、マスト下部に水平に固定された円形の輪である。
・ブームの旋回のためのブルホイールは、マスト下部に水平に固定された円形の輪である。
・ブルホイールによる旋回は、スインガードラムにより、ワイヤロープを介してブルホイールを回転させて行う。
・旋回装置のブルホイールは、マストの下部に設けられている。

CD運転士  H29下期-09  H28下期-10
起伏装置、巻上げ装置

・起伏装置の起伏用ワイヤロープは、マスト上部のシーブ及びマストステップの下のシーブを経てドラムに巻き取られる。
・巻上げ装置の巻上げ用ワイヤロープは、ブーム先端のシーブ、マスト下部のシーブ、マストステップの下のシーブを経てドラムに巻き取られる。

CD運転士  H31上期-10  H30上期-10  H29下期-09  H28下期-10-5
ウインチのスインガードラム

・ウインチのスインガードラムは、通常、2個のドラムで構成されている。

CD運転士  H29下期-09  H28下期-10
ウインチの原動機

・ウインチには、単胴式と複胴式がある。
・ウインチの原動機は、台枠後方に取り付けられる。
・ウインチの原動機は、常に一定方向に回転を続け、クラッチ及びブレーキの操作により運転される。

◇ 計算問題、図形問題

CD運転士  R01下期-03
歯車の歯数の計算

電動機の回転軸に固定された歯車Aが 毎分1,200回転し、これにかみ合う歯車の回転により歯車Dが毎分 60 回転しているときの、歯車Cの歯の枚数を求める。
ただし、歯車A、B及びDの歯数は、それぞれ 16、64 及び 150 とし、BとCの歯車は同じ軸に固定されているのもとする。

123 300x211 - 問01~問10 クレーンに関する知識/クレーン・デリック運転士

〔設問で与えられる数値〕

歯車Aの回転数 = 1200 rpm (rpmは1分間当たりの回転数)
歯車Dの回転数 = 60 rpm
歯車Aの歯数 = 16
歯車Bの歯数 = 64
歯車Dの歯数 = 150

歯車Bの回転数 = 歯車Aの回転数 × (Aの歯数 / Bの歯数)

歯車が同じ軸に固定されているとき、歯車の回転数は同じになる(歯車Bの回転数=歯車Cの回転数)

〔解答計算〕

歯車Bの回転数 = 歯車Aの回転数 × (Aの歯数 / Bの歯数)
= 1200 × ( 16 / 64 )
= 300 rpm

歯車が同じ軸に固定されているとき、歯車の回転数は同じになるので、
歯車Cの回転数 = 歯車Bの回転数 = 300 rpm

歯車Dの回転数 = 歯車Cの回転数 × (Cの歯数 / Dの歯数)
Cの歯数を求めるため式を整理し、
C歯数 = 歯車Dの回転数 × Dの歯数 / 歯車Cの回転数
= 60 × 150 / 300
= 30 枚

CD運転士  H30上期-01  H29下期-02  H28下期-02
歯車の回転数の計算

電動機の回転軸に固定された歯車Aが 毎分 1,600 回転するときの、歯車Dの回転数を求める。ただし、歯車A、B、C及びDの歯数は、それぞれ 16、64、25 及び 125 とし、BとCの歯車は同じ軸に固定されているのもとする。

〔設問で与えられる数値〕

歯車Aの回転数 = 1600 rpm (rpmは1分間当たりの回転数)
歯車Aの歯数 = 16
歯車Bの歯数 = 64
歯車Cの歯数 = 25
歯車Dの歯数 = 125

歯車Bの回転数 = 歯車Aの回転数 × (Aの歯数 / Bの歯数)

歯車が同じ軸に固定されているとき、歯車の回転数は同じになる(歯車Bの回転数=歯車Cの回転数)

〔解答計算〕

歯車Bの回転数 = 歯車Aの回転数 × (Aの歯数 / Bの歯数)
= 1600 × ( 16 / 64 )
= 400 rpm

歯車が同じ軸に固定されているとき、歯車の回転数は同じになるので、
歯車Cの回転数 = 歯車Bの回転数 = 400 rpm

歯車Dの回転数 = 歯車Cの回転数 × (Cの歯数 / Dの歯数)
= 400 × ( 25 / 125 )
= 80 rpm

CD運転士  H28下期-03
ボルトに用いられる部品名

ボルトの締め付けや緩み止めに用いられる部品名とその図の組合せは、次の通りである。

ダブルナット  ばね座金  舌付き座金

2bf9518409be833d8acb667124f09a3d 2 300x94 - 問01~問10 クレーンに関する知識/クレーン・デリック運転士
溝付きナット  スプリングナット   勾配座金
 
cbafb24e9e5e3201dc05b55adc5da9b5 300x67 - 問01~問10 クレーンに関する知識/クレーン・デリック運転士

問01~問10 クレーンに関する知識 / 過去問からの出題傾向

クレーン・デリック運転士免許 学科試験

◎は、予想が的中したものです。

重点 予想 R01下期 H31上期 H30下期 H30上期 H29下期 H29上期 H28下期
 
◇ クレーンの用語  
 クレーンの用語  
 定格荷重、定格速度
 つり上げ荷重
 作業半径、旋回
 傾斜角
 揚程
 
◇ クレーンの構造  
 トラスガーダ、プレートガーダの構造
 Iビームガーダの構造
 ボックスガーダの構造
 
◇ クレーンのトロリ、作動装置  
 クラブ、トロリ装置
 ホイスト装置
 巻上装置
 
◇ クレーンの種類、形式、用途  
 アンローダ、コンテナクレーンの種類
 橋形クレーンの種類
 天井クレーンの種類
 ジブクレーンの種類 ◎◎
 スタッカー式クレーンの種類  
 その他クレーンの種類  
 
◇ ワイヤロープ、つり具の用途  
 フックの形式用途
 リフティングマグネットの形式用途
 クローの形式用途
 バキューム式つり具の形式用途
 スプレッダの形式用途  
 グラブバケットの形式用途
 ラングよりのワイヤロープ
 「Sより」「Zより」のワイヤロープ
 ワイヤロープの心綱
 ワイヤロープ径の測定
 フィラー形のワイヤロープ  
 シーブの形式用途  
 
◇ クレーンの機械要素  
 平座金、ばね座金
 キー板、転がり軸受
 六角ボルト、リーマボルト
 ウォームギヤの機能
 歯車形軸継手の機能
 ローラーチェーン軸継手の機能
 フランジ形軸継手の機能
 
◇ クレーンの運動と安全装置  
 クレーンの衝突防止装置
 クレーンの外れ止め装置、警報
 リミットスイッチの巻過防止装置
 走行レールの車輪止め
 アンカー、レールクランプの安全
 フートスイッチの安全  
 クレーンの運動と安全装置
 
◇ クレーン運転時の注意事項  
 クレーン運転時の注意事項  
 
◇ クレーンのブレーキ  
 足踏み油圧式ディスクブレーキ
 バンドブレーキ
 ドラム形電磁ブレーキ
 電磁ディスクブレーキ
 電磁式バンドブレーキ  
 電動油圧ブレーキ
 巻上装置及び起伏装置のブレーキ
 
◇ クレーンの給油と点検  
 ワイヤロープの点検
 減速機箱の点検
 軸受へのグリースの給油
 グリースカップ式の給油
 給油装置の給油
 
◇ デリックの種類と型式  
 スチフレッグデリック
 ガイデリック
 ジンポールデリック
 鳥居形デリック
 二又デリック
 
◇ デリックの取扱、操作  
 ならし運転
 ウインチを用いるデリック
 旋回するブームを有するデリック
 巻過防止装置を備えていないデリック
 ワイヤロープの乱巻き  
 ワイヤロープの引き抜き  
 ワイヤロープの重ね巻き  
 巻下げの操作
 荷の水平移動、横引き、斜め吊り  
 デリックの基礎  
 旋回専用の電動機
 旋回警報装置
 ブルホイールの旋回
 起伏装置、巻上げ装置  
 ウインチのスインガードラム
 ウインチの原動機  
 
◇ 計算問題、図形問題  
 歯車の歯数の計算
 歯車の回転数の計算
 ボルトに用いられる部品名  
 



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