問21~問30 原動機及び電気に関する知識 1
◇ 直流と交流
CD運転士 R01下期-21 H30下期-21 H30上期-21 H29上期-21
交流は脈流と呼ばれる
・交流は、整流器で直流に変換できるが、得られた直流は完全に平滑ではなく波が多少残るため、脈流と呼ばれる。
CD運転士 R01下期-21 H30下期-21 H30上期-21 H29下期-21 H28下期-21
交流は周期的に変化する
・交流は、電流及び電圧の大きさと、それらの方向が周期的に変化する。
CD運転士 R01下期-21 H31上期-21 H30上期-21 H29上期-21
交流は電圧を変えられる
・交流は、変圧器によって電圧を変えることができる。
・直流は、電流の方向と大きさが一定で、電圧を変圧器によって変えることができない。
CD運転士 H31上期-21 H29下期-21 H28下期-21
直流は交流を整流して得られる
・直流は、乾電池やバッテリーから得られるほか、シリコン整流器などにより交流を整流しても得られる。
CD運転士 R01下期-21 H31上期-21 H30下期-21 H30上期-21 H29上期-21
工場の動力用電源は三相交流
・単相交流三つを、一定の時間間隔で集めたものを三相交流という。
・工場の動力用電源には、一般に、200V級 又は 400V級 の三相交流が使用されている。
CD運転士 R01下期-21 H31上期-21 H30下期-21 H30上期-21
特別高圧の交流
・発電所から消費地の変電所までの送電には、電力の損失を少なくするため、特別高圧の交流が使用されている。
CD運転士 H31上期-21 H30下期-21 H29下期-21
地域と交流の周波数
・電力会社から配電される交流の周波数は、東日本では 50Hz、西日本では 60Hz である。
CD運転士 H28下期-21
配電される交流の周波数は同じ
・電力として配電される交流は、家庭用と工場の動力用では電圧が異なる。周波数は同じである。
CD運転士 H29下期-21 H29上期-21 H28下期-21
交流用の計測値は実効値
・交流用の電圧計や電流計の計測値は、電圧や電流の実効値を示している。
CD運転士 H29上期-21
油圧ポンプ駆動は一次原動機
・油圧装置において油圧ポンプを駆動する電動機は、一次原動機である。
CD運転士 H29下期-21 H28下期-21
直流はDC、交流はAC
・直流は DC、交流は AC と表される。
◇ 電圧、電流、抵抗、電力
CD運転士 H31上期-22 H30下期-22 H30上期-22 H29上期-22 H28下期-22
並列の合成抵抗の値は小さい
・抵抗を並列につないだときの合成抵抗の値は、個々の抵抗の値のどれよりも小さい。
CD運転士 H31上期-22 H30下期-22 H30上期-22 H29上期-22 H28下期-22
抵抗の単位はオームΩ
・抵抗の単位はオーム(Ω)で、100,000Ω は 0.1MΩ とも表す。
CD運転士 H31上期-22 H30下期-22 H30上期-22 H29上期-22 H28下期-22
抵抗は長さに比例し断面積に反比例
・抵抗の値は、同じ物質の導体の場合、長さに比例し、断面積に反比例する。
・導体でできた円形断面の電線の場合、断面の直径が同じまま長さが2倍になると抵抗の値は2倍になり、長さが同じまま断面の直径が2倍になると抵抗の値は4分の1になる。
CD運転士 H31上期-22 H30下期-22 H30上期-22 H29上期-22
電流は電圧に比例し抵抗に反比例する
・回路に流れる電流の大きさは、回路にかかる電圧に比例し、回路の抵抗に反比例する。
・回路の抵抗が同じ場合、回路に流れる電流が大きいほど、回路が消費する電力は大きくなる。
CD運転士 H31上期-22 H29上期-22
抵抗=電圧/電流
・回路の抵抗は、回路にかかる電圧を回路に流れる電流で除して求められる。
CD運転士 H30下期-22 H30上期-22 H28下期-22
電力=電圧×電流
・回路が消費する電力は、回路にかかる電圧と回路に流れる電流の積で求められる。
CD運転士 H28下期-22
ジュール熱
・抵抗に電流が流れると、電力のほとんどが熱となるが、この時に発生する熱をジュール熱という。
CD運転士 R01下期-22 H29下期-22
合成抵抗と電流値の計算
次の回路について、BC間の合成抵抗Rの値と、AC間に100Vの電圧がかかるとき、
流れる電流Iの値を求める。
〔解答計算〕
BC間は並列つなぎとなっているので、
BC間の合成抵抗 R = 1 / ( 1/6 + 1/12 ) = 4 Ω
AC間全体は直列つなぎとなっているので、
AC間の全体の合成抵抗 R = 6 + 4 = 10 Ω
オームの法則より、
電流 I = 電圧V / 合成抵抗Ω = 100 / 10
= 10 A
◇ 電動機の特徴
CD運転士 R01下期-23 H29下期-23 H28下期-23
三相誘導電動機の同期速度
・三相誘導電動機の同期速度は、周波数を一定とすれば、極数が多いほど遅くなる。
CD運転士 R01下期-23 H30下期-23 H28下期-23
三相誘導電動機は2~5%遅く回転
・三相誘導電動機の回転子は、固定子の回転磁界により回転するが、負荷がかかると同期速度より 2~5% 遅く回転する性質がある。
CD運転士 R01下期-23 H30下期-23 H29下期-23 H28下期-23
巻線形三相誘導電動機
・巻線形三相誘導電動機は、固定子側も回転子側も巻線になっており、回転子側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続される。
・巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。
・巻線形三相誘導電動機は、クレーンのように始動、停止、正転、逆転を頻繁に繰り返す用途に多く用いられている。
CD運転士 R01下期-23 H30下期-23 H29下期-23 H28下期-23
かご形三相誘導電動機
・かご形三相誘導電動機は、回転子が鉄心の周りに太い導線をかご形に配置した簡単な構造になっているため、故障が少なく、取扱いも容易である。
・かご形三相誘導電動機は、巻線形三相誘導電動機に比べ、構造が簡単で、故障が少なく、取扱いも容易である。
CD運転士 R01下期-23 H30下期-23 H29下期-23 H28下期-23
直流電動機
・直流電動機では、固定子を界磁、回転子を電機子と呼ぶ。
・直流電動機では、回転子に給電するために整流子が使用される。
・直流電動機は、一般に速度制御性能が優れるが、整流子とブラシの保守が必要である。
・直流電動機は、一般に速度制御性能が優れているため、コンテナクレーン、アンローダなどに用いられている。
CD運転士 H31上期-23 H30上期-23 H29上期-23
電動機の極数と同期速度の計算
電源の周渡数が 50Hz で運転したときの同期速度が 750rpm の三相誘導電動機がある。
電動機の極数と、電動機を 60Hz で運転したときの同期速度を求める。
〔設問で与えられる数値〕
交流電流の周波数 f = 50Hz
同期速度 Ns = 750rpm
〔解答計算〕
磁極数 p = 120 × 交流電流の周波数 f / 同期速度 Ns = 120 × 50 / 750
= 8 極
電動機を60Hzで運転したときの同期速度 NS は、8 = 120 × 60 / NS より、
NS = 120 × 60 / 8 = 900 rpm
CD運転士 R01下期-29 H30下期-29 H28下期-29
電動機の故障の原因
・電動機が全く起動しない … 配線の端子が外れている
・電動機の起動後、回転数が上がらない … 負荷が過大、電源の電圧降下が大きい
・電動機がうなるが起動しない … 電源側(一次側)の配線が1相断線している
ブレーキが開放されていない、負荷が大き過ぎる
・電動機が振動する … 締付けボルトが緩んでいる。
・電磁ブレーキの利きが悪い … ブレーキライニングが摩耗している
・電動機が停止しない … 電磁接触器の主接点が溶着している
・集電装置の火花が激しい … 集電子が摩耗している
トロリ線が曲がっている、うねっている
・過電流継電器が作動する … 回路が短絡している、インチング運転の頻度が高い
◇ 電動機の付属機器
CD運転士 R01下期-24 H31上期-24 H28下期-24
配線用遮断器
・配線用遮断器は、通常の使用状態の電路の開閉のほか、過負荷、短絡などの際には、自動的に電路電流の遮断を行う機器である。
CD運転士 H28下期-24
ヒューズ
・ヒューズは、過電流が流れたときに電気機器を保護するために使用されるものである。
CD運転士 R01下期-24 H31上期-24 H30下期-24 H29下期-24
速度制御に用いられる抵抗器
・巻線形三相誘導電動機又は直流電動機の速度制御に用いられる抵抗器には、特殊鉄板を打ち抜いたもの又は鋳鉄製の抵抗体を絶縁ロッドで締め付け、格子状に組み立てたものがある。
CD運転士 H29上期-24
制御盤は間接制御
・制御盤は、電磁接触器を備え、電動機の正転や逆転などの間接制御または半間接制御を行うものである。
CD運転士 H30上期-24 H29上期-24
制御器の種類
・制御器は、電動機に正転、停止、逆転、制御速度の指令を与えるものである。
・制御器は、制御の方式により直接制御器と間接制御器に大別され、さらに、両者の混合型である複合制御器がある。
・複合制御器は、直接制御器と間接制御器の混合型で、半間接制御に使用される制御器である。
CD運転士 R01下期-24 H31上期-24 H30下期-24 H30上期-24
ユニバーサル制御器
・ユニバーサル制御器は、一つのハンドルを前後左右に操作できるようにし、二つの制御器を同時に又は単独で操作できる構造になっている。
CD運転士 R01下期-24 H31上期-24 H29下期-24 H28下期-24
押しボタン制御器
・押しボタン制御器は、間接制御器の一種であり、電動機の正転と逆転のボタンを同時に押せない構造となっている。
・押しボタンスイッチには、一段目で低速、二段目で高速運転ができるようにした二段押し込み式のものがある。
CD運転士 R01下期-24 H31上期-24 H30下期-24 H30上期-24 H29上期-24
エンコーダー型制御器
・エンコーダー型制御器は、ハンドル位置を連続的に検出し、電動機の主回路を間接的に開閉する間接制御器である。
CD運転士 H30下期-24 H30上期-24 H29下期-24 H29上期-24
無線操作用の制御器
・無線操作用の制御器には、切り替え開閉器により、機上運転に切り替えることができる機能を持つものがある。
・無線操作用の制御器には、押しボタン式とハンドル操作式があり、誤操作を防止するため、複数の操作を1回のスイッチ操作で行えるよう工夫されているものもある。
CD運転士 H30上期-24 H28下期-24
ドラム形直接制御器
・ドラム形直接制御器は、ハンドルで回される円弧状のセグメントと固定フィンガーにより主回路を開開する構造である。
CD運転士 H29下期-24 H29上期-24
カム形間接制御器
・カム形間接制御器は、カム周辺に固定されたスイッチにより電磁接触器の操作回路を開閉する間接制御器である。
CD運転士 H29下期-24 H28下期-24
ハンドル式の制御器
・クランクハンドル式の制御器は、操作ハンドルを水平方向に回して操作する構造である。
・レバーハンドル式の制御器は、前後にハンドルを操作する構造である。
問21~問30 原動機及び電気に関する知識 2
◇ 給電装置と配線
CD運転士 H29下期-25 H29上期-25
トロリ線の材料
・トロリ線の材料には、溝付硬銅トロリ線、平銅バー、レールなどが用いられる。
CD運転士 H30上期-25 H29上期-25
トロリ線給電のトロリ線取付け方法
・トロリ線給電にはトロリ線の取付方法により、絶縁トロリ線式とイヤー式とすくい上げ式がある。
CD運転士 R01下期-25 H28下期-25
トロリダクト方式給電
・トロリダクト方式給電は、ダクト内の平銅バーなどで絶縁物を介して取り付け、その内部をトロリシューが移動して集電する方式である。
CD運転士 H31上期-25 H30下期-25 H29下期-25 H29上期-25
イヤー式のトロリ線給電
・イヤー式のトロリ線給電は、イヤーでトロリ線をつり下げ、パンタグラフを用いて集電子をトロリ線に押し付けて集電する方式である。
CD運転士 R01下期-25 H29下期-25 H29上期-25 H28下期-25
すくい上げ式のトロリ線給電
・すくい上げ式トロリ線給電は、がい子でトロリ線を支え、集電子を用いてトロリ線をすくい上げて集電する方式である。
CD運転士 H31上期-25 H30下期-25
絶縁トロリ線方式の給電
・絶縁トロリ線方式の給電は、裸のトロリ線方式に比べ安全性が高い。
CD運転士 H30上期-25
トロリ線に接触する集電子
・トロリ線に接触する集電子は、クレーン本体から絶縁する必要があるため、がいしなどの絶縁物を介してクレーン本体に取り付けられる。
CD運転士 R01下期-25 H31上期-25 H30下期-25 H30上期-25 H29下期-25 H29上期-25 H28下期-25
キャブタイヤケーブル給電
・キャブタイヤケーブル給電には、カーテン式、ケーブル巻取式、特殊チェーン式などがある。
・キャブタイヤケーブル給電は、充電部が露出している部分がまったくないので、感電の危険性が低い。
・キャブタイヤケーブルは、導体に細い素線を使い、これを多数より合わせており、外装被覆も厚く丈夫に作られているので、引きずったり、屈曲を繰り返す用途に適している。
・キャブタイヤケーブルは、爆発性のガスや粉じんが発生するおそれのある場所での、防爆構造の給電方式として採用される。
CD運転士 R01下期-25 H31上期-25 H30下期-25 H30上期-25 H29下期-25 H28下期-25
スリップリング給電方式
・スリップリング給電方式は、旋回体、ケーブル巻取式などの回転部分への給電に用いられる。
・スリップリング給電には、固定側のリングと回転側の集電子(集電ブラシ)で構成されるものや、回転側のリングと固定側の集電子(集電ブラシ)で構成されるものがある。
・スリップリングの機構には、集電子がリング面上を摺動して集電するものがある。
CD運転士 R01下期-25 H31上期-25 H30下期-25 H29下期-25 H29上期-25 H28下期-25
パンタグラフの集電子
・パンタグラフの集電子には、ホイール式とシュー式の2種類がある。
・パンタグラフのホイールやシューの材質には、砲金、カーボン、黒鉛、特殊合金などが用いられる。
CD運転士 H30上期-25
給電装置の内部配線
・内部配線は、外部からの損傷や日光の直射を防ぐため、一般に、絶縁電線を金属管などの電線管又は金属ダクト内に収めている。
◇ 電動機の制御
CD運転士 R01下期-26 H31上期-26 H30上期-26 H29下期-26 H29上期-26 H28下期-26
直接制御
・直接制御は、容量の大きな電動機では、回路の開閉が困難になるので使用できない。
・直接制御は、容量の大きな電動機では、制御器のハンドル操作が重くなる。
・直接制御は、電動機の主回路を制御器の内部接点で直接開閉する方式で、間接制御に比べ制御器のハンドル操作が重い。
CD運転士 R01下期-26 H31上期-26 H30下期-26 H30上期-26 H29下期-26 H29上期-26 H28下期-26
間接制御
・間接制御は、電動機の主回路に挿入した電磁接触器が主回路の開閉を行い、制御器は、その電磁接触器の電磁コイル回路を開閉する方式である。
・間接制御は、シーケンサーを使用するので、直接制御に比べ、様々な自動運転や速度制御が容易に行える。
・間接制御は、直接制御に比べ、制御器は小型・軽量であるが、設備費が高い。
CD運転士 R01下期-26 H31上期-26 H30下期-26 H30上期-26 H29下期-26 H29上期-26 H28下期-26
半間接制御
・半間接制御は、巻線形三相誘導電動機の、電流の多い一次側を電磁接触器で間接制御し、電流の比較的少ない二次側を直接制御する方式である。
CD運転士 R01下期-26 H30下期-26 H29上期-26 H28下期-26
ゼロノッチインターロック
・ゼロノッチインターロックは、各制御器のハンドルが停止位置になければ、主電磁接触器を投入できないようにしたものである。
CD運転士 H31上期-26 H30下期-26 H30上期-26 H29下期-26 H29上期-26
コースチングノッチ
・コースチングノッチは、操作用制御器の第1ノッチとして設けられる。
・コースチングノッチは、ブレーキにのみ通電してブレーキを緩めるようになっている。
・コースチングノッチは、停止時の衝撃や荷振れを防ぐために有効である。
◇ 三相誘導電動機の速度制御方式
CD運転士 H28下期-27
巻線形三相誘導電動機の始動
・巻線形三相誘導電動機の始動は、回転子の巻線に接続した抵抗を順次短絡することにより始動電流を適当な値に制限しながら行う。
CD運転士 R01下期-27 H31上期-27 H30下期-27 H30上期-27 H29下期-27 H29上期-27 H28下期-27
二次抵抗制御
・二次抵抗制御は、回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するものである。
・二次抵抗制御は、始動時には二次抵抗を全抵抗挿入状態から順次、短絡することにより、緩始動することができる。
CD運転士 R01下期-27 H31上期-27 H30下期-27 H30上期-27 H29下期-27 29上期-27
電動油圧押上機ブレーキ制御
・電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を巻線形三相誘導電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するものである。
・電動油圧押上機ブレーキ制御は、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力が小さくなるように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。
・電動油圧押上機ブレーキ制御は、機械的な摩擦力を利用して制御するため、ブレーキライニングの摩耗を伴う。
CD運転士 R01下期-27 H31上期-27 H30下期-27 H30上期-27 H29下期-27 H29上期-27 H28下期-27
ダイナミックブレーキ制御
・ダイナミックブレーキ制御は、巻下げの速度制御時に電動機の一次側を交流電源から切り離し、一次側に直流電流を通電して励磁することにより、制動力を得るものである。
・ダイナミックブレーキ制御は、つり荷が極めて軽い場合でも低速での巻下げができない。
・ダイナミックブレーキ制御は、つり荷が重い場合には、低速での巻下げができる。
CD運転士 R01下期-27 H30上期-27 H29下期-27 H28下期-27
渦電流ブレーキ制御
・渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、消耗部分がなく、制御性も優れている。
CD運転士 R01下期-27 H31上期-27 H30下期-27 H30上期-27 H29下期-27
サイリスター一次電圧制御
・サイリスター一次電圧制御は、電動機の一次側に加える電圧を変えると、同じ負荷に対して回転数が変わる性質を利用して速度制御を行うものである。
・巻線形三相誘導電動機のサイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出して指定された速度と比較しながら制御するため、極めて安定した速度が得られるが、低速は最高速度の 5% 程度までしか得られない。
CD運転士 H31上期-27 H30下期-27 H30上期-27 H29上期-27
ワードレオナード制御
・直流電動機のワードレオナード制御は、専用の直流発電機により供給される電源で直流電動機を回転させ、低速から高速まで無段階に速度制御を行うものである。
・直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高い。
CD運転士 H31上期-27 H30下期-27 H30上期-27 H29上期-27 H28下期-27
インバーター制御
・かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数や電圧を変えて電動機に供給し回転数を制御するもので、精度の高い速度制御ができる。
問21~問30 原動機及び電気に関する知識 3
◇ 回路の絶縁、導体と絶縁体
CD運転士 H30下期-28 H30上期-28 H29上期-28 H28下期-28
ナイフスイッチ
・ナイフスイッチは、入れるときよりも切るときのほうがスパークは大きいので、切るときはできるだけスイッチに近づかないようにして、側方などから行う。
CD運転士 H30下期-28 H30上期-28 H29上期-28 H28下期-28
絶縁抵抗の測定と計算
・電気回路の絶縁抵抗は、メガーと呼ばれる絶縁抵抗計を用いて測定する。
・絶縁物の絶縁抵抗は、回路電圧を漏えい電流で除したものである。
CD運転士 H30下期-28 H30上期-28 H29上期-28
スパーク
・スパークにより火花となって飛んだ粉が絶縁物の表面に付着すると、漏電や短絡の原因となる。
・スパークは、回路にかかる電圧が高いほど大きくなり、その熱で接点の損傷や焼付きを発生させることがある。
CD運転士 H28下期-28
漏えい電流
・漏えい電流とは、普通の使用状態で、絶縁物の内部や表面を流れるわずかの電流をいう。
CD運転士 R01下期-28 H31上期-28 H30下期-28 H30上期-28 H29下期-28 29上期-28 H28下期-28
導体、絶縁体、半導体
・電気を通す導体
アルミニウム、ステンレス、ニクロム線、鋳鉄、大地、銀、銅、黒鉛、鉛、鋼、鉄、
塩水、カーボン
・電気を通しにくい絶縁体
ポリエチレン、ポリエチレン樹脂、雲母、セラミック、ポリ塩化ビニル、碍子、
塩化ビニル樹脂、ベークライト、ゴム、空気、ガラス、磁器、大理石、木材
不純物を全く溶け込んでいない純水(不導体)
・比較的電気を通す半導体
シリコン
◇ 電気計器の使用方法
CD運転士 H31上期-29 H30上期-29 H29下期-29 H29上期-29
回路計(テスター)の使用方法
・回路計(テスター)は、直流電圧、交流電圧、直流電流などを、スイッチを切り替えることによって計測できる計器である。
・回路計(テスター)では、測定する回路の電圧や電流の大きさの見当がつかない場合は、最初に測定範囲の最大レンジで測定する。
CD運転士 H31上期-29 H30上期-29 H29上期-29
アナログテスターの使用方法
・アナログテスターでは、正確な値を測定するため、あらかじめ0点調整を行ってから測定する。
CD運転士 H31上期-29 H30上期-29 H29下期-29 H29上期-29
電流計の使用方法
・電流計は、測定する回路に直列に接続して測定する。
・電流計で大電流を測定する場合は、交流では変流器を、直流では分流器を使用する。
CD運転士 H31上期-29 H29下期-29 H29上期-29
電圧計の使用方法
・電圧計は、測定する回路に並列に接続して測定する。
・電圧計で交流高電圧を測定する場合は、計器用変圧器により降圧した電圧を測定する。
◇ 感電災害と防止
CD運転士 R01下期-30 H31上期-30 H30下期-30 H30上期-30 H29下期-30 H29上期-30 H28下期-30
接地と接地線
・接地とは、電気装置の導電性の外被(フレームやケース)などを導線で大地につなぐことをいう。
・接地は、漏電している電気機器のフレームなどに人が接触したとき、感電の危険を小さくする効果がある。
・接地線には、できるだけ電気抵抗の小さな電線を使った方が丈夫で、安全である。
・接地抵抗は小さいほど良いので、接地線は十分な太さのものを使用する。
CD運転士 R01下期-30 H31上期-30 H30下期-30 H30上期-30 H29下期-30 H29上期-30
電気火傷
・電気火傷には、アークなどの高熱による熱傷のほか、電流通過によるジュール熱によって生じる皮膚や内部組織の傷害がある。
・電気火傷の影響は、身体の内部深くまで及ぶことがあるので危険である。外見に比べ重傷であることが多い。
・身体内部の抵抗は一般的に 500Ω 程度、皮膚の抵抗は乾湿状態などにより大きく変動する。
CD運転士 R01下期-30 H30下期-30 H29下期-30 H28下期-30
感電による人体への影響
・感電による人体への影響の程度は、電流の大きさ、通電時間、電流の種類、体質などの条件により異なる。
・感電によって人体を流れる電流の大きさは、充電部分に触れた皮膚の状態などにより異なる。
・100V以下の電圧であっても、感電によって人体を流れる電流が大きいと死亡することがある。
CD運転士 H28下期-30
感電した者への救急処置
・感電した者への救急処置は、電源スイッチを切り、その者を感電箇所から引き離してから行う。
CD運転士 R01下期-30 H31上期-30 H30下期-30 H30上期-30 H29上期-30 H28下期-30
感電による危険の評価
・感電による危険を電流と時間の積によって評価する場合、一般に、50ミリアンペア秒 が安全限界とされている。
CD運転士 H29下期-30 H29上期-30
感電による死亡原因
・感電による死亡原因としては、心室細動の発生、呼吸停止、電気火傷があげられる。
CD運転士 H31上期-30 H30上期-30 H29下期-30 H29上期-30
天井クレーンによる感電の危険
・天井クレーンは、鋼製の走行車輪を経て走行レールに接触しているため、走行レールが接地されている場合でも、クレーンガーダ上で走行トロリ線の充電部分に身体が接触すると、感電の危険がある。
問21~問30 原動機及び電気に関する知識 / 過去問からの出題傾向
クレーン・デリック運転士免許 学科試験
◎は、予想が的中したものです。
重点予想 | R01下期 | H31上期 | H30下期 | H30上期 | H29下期 | H29上期 | H28下期 | |
◇ 直流と交流 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
交流は脈流と呼ばれる | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
交流は周期的に変化する | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
交流は電圧を変えられる | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ||
直流は交流を整流して得られる | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
工場の動力用電源は三相交流 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
特別高圧の交流 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
地域と交流の周波数 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
配電される交流の周波数は同じ | 〇 | |||||||
交流用の計測値は実効値 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
油圧ポンプ駆動は一次原動機 | 〇 | |||||||
直流はDC、交流はAC | ◎ | 〇 | ||||||
◇ 電圧、電流、抵抗、電力 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
並列の合成抵抗の値は小さい | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
抵抗の単位はオームΩ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
抵抗は長さに比例し断面積に反比例 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
電流は電圧に比例し抵抗に反比例する | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
抵抗=電圧/電流 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
電力=電圧×電流 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
ジュール熱 | 〇 | |||||||
合成抵抗と電流値の計算 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
◇ 電動機の特徴 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
三相誘導電動機の同期速度 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
三相誘導電動機は2~5%遅く回転 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
巻線形三相誘導電動機 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
かご形三相誘導電動機 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
直流電動機 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
電動機の極数と同期速度の計算 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
電動機の故障の原因 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
◇ 電動機の付属機器 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
配線用遮断器 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
ヒューズ | 〇 | |||||||
速度制御に用いられる抵抗器 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
制御盤は間接制御 | 〇 | |||||||
制御器の種類 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
ユニバーサル制御器 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
押しボタン制御器 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
エンコーダー型制御器 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
無線操作用の制御器 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
ドラム形直接制御器 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
カム形間接制御器 | ◎ | 〇 | ||||||
ハンドル式の制御器 | ◎ | 〇 | ||||||
◇ 給電装置と配線 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
トロリ線の材料 | ◎ | 〇 | ||||||
トロリ線給電のトロリ線取付け方法 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
トロリダクト方式給電 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
イヤー式のトロリ線給電 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
すくい上げ式のトロリ線給電 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
絶縁トロリ線方式の給電 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
トロリ線に接触する集電子 | 〇 | |||||||
キャブタイヤケーブル給電 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
スリップリング給電方式 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |
パンタグラフの集電子 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |
給電装置の内部配線 | 〇 | |||||||
◇ 電動機の制御 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
直接制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |
間接制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
半間接制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
ゼロノッチインターロック | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
コースチングノッチ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
◇ 三相誘導電動機の速度制御方式 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
巻線形三相誘導電動機の始動 | 〇 | |||||||
二次抵抗制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
電動油圧押上機ブレーキ制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |
ダイナミックブレーキ制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
渦電流ブレーキ制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
サイリスター一次電圧制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
ワードレオナード制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
インバーター制御 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ||
◇ 回路の絶縁、導体と絶縁体 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
ナイフスイッチ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
絶縁抵抗の測定と計算 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
スパーク | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
漏えい電流 | ||||||||
導体、絶縁体、半導体 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
◇ 電気計器の使用方法 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ||||
回路計(テスター)の使用方法 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
アナログテスターの使用方法 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
電流計の使用方法 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
電圧計の使用方法 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ||||
◇ 感電災害と防止 | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | ◇ | |
接地と接地線 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
電気火傷 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |
感電による人体への影響 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||
感電した者への救急処置 | 〇 | |||||||
感電による危険の評価 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |
感電による死亡原因 | ◎ | 〇 | ||||||
天井クレーンによる感電の危険 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||