浄化槽管理士試験 01


浄化槽管理士は、浄化槽の点検や保守などの業務に従事することができる国家資格です。 浄化槽設備を行う設備会社などに勤務するケースが多く、保守や点検を行う場所は、会社や事業所といった場所の他に、一般家庭での業務もあります。 水周りの全般についての相談を受けることもありますので、浄化槽や配管、付属機器などの幅が広い知識が必要となります。 幅広く水環境にかかわる仕事として、責任をもって管理しなければならない職業になります。

浄化槽管理士試験の概要

 浄化槽管理士とは、浄化槽の保守点検の業務に従事する者をいいます。
 浄化槽法では浄化槽の保守点検については、浄化槽の点検、調整またはこれらに伴う修理をする作業として定義づけられており浄化槽管理者より委託され浄化槽の保守点検を実施する者は、環境大臣より浄化槽管理士免状の交付を受けた浄化槽管理士でなければなりません。
 浄化槽管理士の資格取得の方法は、浄化槽管理士試験に合格するか、浄化槽管理士講習の課程を修了する、方法のいずれかによります。
 浄化槽管理士試験の試験科目は、浄化槽概論、浄化槽行政、浄化槽の構造及び機能、浄化槽工事概論、浄化槽の点検と調整及び修理、水質管理、浄化槽清掃概論などについて問われます。

浄化槽管理士試験の受験情報

浄化槽管理士資格試験

受験資格 学歴、実務経験を問わない
試験内容 ①浄化槽概論、②浄化槽行政論、③浄化槽の構造及び機能、④浄化槽工事概論、
⑤浄化槽の点検、調整及び修理、⑥水質管理、⑦浄化槽の清掃概論
出題形式 ・午前・・・多岐選択式50問(2時間30分)
・午後・・・多岐選択式50問(2時間30分)
合格基準 総合得点の65点(満点数の65%)。※合格基準点は難易度に合わせて毎年変動する。

浄化槽管理士講習

 13日間の計80時間の講習が行われ、最終日に全教科目にわたった考査(試験)が行われ、合格することで資格を取得できます。

受講資格 学歴、実務経験を問わない
講習科目 ①浄化槽概論(8時間)、②浄化槽行政論(4時間)、③浄化槽の構造及び機能(22時間)、
④浄化槽工事概論(4時間)、⑤浄化槽の点検、調整及び修理(30時間)、
⑥水質管理(10時間)、⑦浄化槽の清掃概論(2時間)
修了試験 ・多岐選択式40問(2時間)

浄化槽管理士試験 試験で問われるもの

公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図り、もつて生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することを目的として浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格は定められています。浄化槽管理士試験については浄化槽法第46条で規定されており、試験では浄化槽の保守点検に関して必要な知識及び技能が十分に備わっているかが問われます。浄化槽管理士試験は難しいため、浄化槽管理士講習によって資格を収得する者が圧倒的に多くなっていますが、講習最終日の終了試験の難易度は、浄化槽管理士試験とほぼ同程度だとされています。

浄化槽管理士試験の過去問と重要項目


浄化槽概論

河川水のBOD
流量10,000㎥/日、BOD 1mg/Lの河川に、1,000㎥/日の浄化槽処理水を放流し、混合後の河川水のBODを2mg/L以下に保つための処理水BODの最大値(mg/L)はいくらか。ただし、浄化槽処理水は河川に放流された直後に、河川水と完全に混合されるものとする。
〔混合後のBODの計算〕
混合後の河川水の流量×混合後のBOD=(河川の流量×河川のBOD)+(処理水の流量×処理水のBOD)
〔計算式〕
11000 × 2=(10000 × 1) + (1000 × x)
x=12

硝化と脱窒
・脱窒とは、通常、脱窒細菌によってアンモニア性窒素を窒素ガスに還元して放出することをいう。
・脱窒には、水素供与体が必要である。
・アンモニア性窒素は、酸化されると亜硝酸性窒素あるいは硝酸性窒素になる。
・硝化細菌は通常、嫌気条件下では増殖しない。
・硝化細菌は、一般的な従属栄養細菌よりも増殖速度が小さい。

機能が発揮されていない浄化槽放流水の影響
〔機能が発揮されていない浄化槽の放流水が原因となるもの〕
・有機物質による汚濁の進行
・大腸菌群数の増加
・トリハロメタン生成能の増加
・閉鎖性水域における富栄養化
〔機能が発揮されていない浄化槽の放流水が原因ではないもの〕
重金属による魚介類の汚染

水循環と水資源
・地球上の水は、降水と蒸発散を繰り返しながら循環している。
・地球上の年降水総量は約577千k㎥/年であるが、このうちの約21%が陸地に降る。
・国土面積に年平均降水量(mm/年)を乗じた値を全人口で除した我が国の値は、世界平均よりも少ない

損失水頭
・水面の高さに差のある二つの水槽をパイプで結ぶと、水面の高い水槽から低い水槽へ向かって水が流れる。
・一定時間、定常状態が継続すると仮定すると、二つの水槽の水位差に相当する水頭の損失が生じていることになる。これは、管への流入、管壁での摩擦及び管からの流出等によって生じたものである。
・二つの水槽の水位差が大きいほど管を流れる流速は大きくなることから、損失水頭は大きくなる。また、水槽を結ぶパイプが太いほど損失水頭が小さくなる。

貧栄養湖
・表層水での溶存酸素濃度が高い
・植物プランクトンは珪藻が主であり、種類、量とも少ない。
・魚類の量は少ない。
・透明度は大きい。
・窒素、リン等の栄養塩類は少ない。

浄化槽行政

型式認定
・工場において試験的に製造される浄化槽は、型式認定が不要である。
・国土交通大臣が定めた構造方法を用いる浄化槽は、型式認定が必要である。
・製造業者は、浄化槽を販売する時までに、浄化槽に一定の表示を付さなければならない。
・型式認定の有効期間は、5年ごとにその更新を受けなければ、その効力を失う。
・型式認定は、国土交通大臣の認定を受ければよく、環境大臣の認定は不要である。

浄化槽管理士と浄化槽設備士
・浄化槽管理士は、浄化槽の保守点検の業務に従事する者の資格である。
・浄化槽の清掃業務は、市町村長の許可を受けた浄化槽清掃業者が行う。
・浄化槽設備士は、その職務を行うときは、国土交通省令で定める浄化槽設備士証を携帯していなければならない。
・浄化槽管理士講習では、受講資格として特別な要件の定めはない。
・浄化槽設備士講習では、管工事施工管理に係る技術検定に合格していることが受講資格となっている。

一般廃棄物処理計画
・一般廃棄物処理計画は、市町村がその区域内について定める。
・一般廃棄物処理計画は、ごみに関する計画と生活排水に関する計画から構成される。
・生活排水処理基本計画には、住民に対する広報・啓発活動に関することも含まれる。
・生活排水処理基本計画には、下水道で処理する区域及び人口等についても、浄化槽等と併せて記述する。
・一般廃棄物処理計画は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき策定する。

保健所を設置する市の市長の職務
〔市長の職務〕
・浄化槽の設置届の受理
・浄化槽清掃業の許可
・浄化槽保守点検業務の登録
・浄化槽清掃業者に対する改善命令
〔市長の職務に含まれないもの〕
指定検査機関の指定

浄化槽法の目的
・浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定める。
・浄化槽工事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度の整備を行う。
浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制を行う。
・公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図り、〔生活環境の保全〕及び公衆衛生の向上に寄与する。

浄化槽の構造及び機能

小型浄化槽の薬剤筒
・スリット状の開口部は、汚泥などによる閉塞を生じない形状とする。
・薬剤の保持期間に、薬剤筒上部の消毒剤が順次下部に送られる形状とする。
・薬剤筒の材質は、耐食性、耐久性の優れたものとする。
・薬剤筒の支持は、薬剤筒を垂直にしっかり固定するとともに、薬剤筒の脱着が容易かつ確実にできる方法及び設置位置とする。
・薬剤筒の容量は、点検頻度に見合った期間、消毒剤が保持できる大きさとする。

標準活性汚泥方式と長時間ばっ気方式の特徴

項目 標準活性汚泥方式 長時間ばっ気方式
余剰汚泥生成量 多い 少ない
汚泥返送率 小さい 大きい
BOD容積負荷 大きい 小さい
ばっ気時間 短い 長い
汚水量に対する送風量 少ない 多い

接触ばっ気槽
〔汚水と生物膜を効果的に接触させるために考慮すべき項目〕
・水かぶり
・接触材のピッチ
・接触材受け面から槽底部までの距離
・散気装置の位置
〔汚水と生物膜を効果的に接触させるために考慮が不要な項目〕
接触材の比重

凝集分離法
・生物処理水中のアルカリ分の大部分は、重炭酸塩と推測されている。
・無機凝集剤(陽イオン)を添加することにより、水中で負に帯電して互いに反発し合って分散している微細な粒子は、フロックを形成する。
・オルトリン酸を含む水に消石灰を加えると、結晶物質であるヒドロキシアバタイトが形成される。
・注入濃度当たりのアルカリ度の消費量は、硫酸アルミニウムよりもPAC(ポリ塩化アルミニウム)の方が少ない。
・アルミニウムイオンとアルカリ度が反応するため、リン除去には理論必要量以上のアルミニウムが必要である。

浄化槽における金属の腐食
・汚泥貯留部で有機物質の嫌気性分解に伴って発生するメタンガスは、金属に対する腐食性はない
・浄化槽で腐食しやすい部分は、水に接したり、発生するガスに触れたりする部分がすべて該当する。
・消毒装置から発生する塩素ガスは腐食性の強いガスである。

活性汚泥法と生物膜法の特徴

項目 活性汚泥法 生物膜法
低濃度汚水の処理 対応が困難 対応が可能
生物量の制御 制御しやすい 制御しにくい
微小後生動物 生息しにくい 生息しやすい
発生汚泥量 比較的多い 比較的少ない
増殖速度の遅い微生物 生息しにくい 生息しやすい

嫌気ろ床槽の構造基準
・2室に区分する場合、ろ材充填率は第1室より第2室を大きくする
・2室に区分する場合、有効容量は第2室より第1室を大きくする。
・一般にろ床洗浄装置(逆洗装置)は設けられていない。
・有効容量は、処理対象人員から求める。
・ろ床の汚泥捕捉性の強弱によって、ろ材の充填位置を変える必要がある。

生活排水の標準的な水量と水質
戸建て住宅から排出される標準的な汚水の水量・水質に係る数値。ただし、濃度に関しては日間平均値。
・台所排水のBOD濃度:600mg/L
・汚水のBOD濃度:200mg/L
・汚水のBOD負荷量:40g/(人・日)
・汚水量:200L/(人・日)
・水洗便所汚水のBOD負荷量:13g/(人・日)

生活排水関係施設
・下水道では、生活排水、工場廃水の処理を終末処理場で行う。
・し尿処理施設では、浄化槽汚泥を処理できる。
・農業集落排水施設は、浄化槽法上の浄化槽である。
・みなし浄化槽(単独処理浄化槽)では、生活雑排水を処理できない。
・浄化槽(合併処理浄化槽)は、生活雑排水を処理できる。

浄化槽工事概論

底版コンクリートの施工
・堀り過ぎた場合、高さの調整は捨てコンクリートで行う。
・底版は、上部の荷重を地盤に伝える役割がある。
・浄化槽が2槽以上になる場合、底版は一体構造とする。
・コンクリートの表面は、平滑かつ水平に仕上げる。
・コンクリートの打設後、急激な乾燥や温度変化を受けないように養生する。

住宅浄化槽のピット工事
・ピットの内部は、モルタルなどで雨水勾配をとって仕上げ、雨水の排水パイプを放流側の升に接続しておく。
・立上げ部分は、コンクリートブロック構造または現場打ちの鉄筋コンクリート構造とする。
・かさ上げの高さが30cmを超える場合は、かさ上げ工事は行わずに、ピット工事を行う。
・チェッカープレートの枠を構成する部材は、取り外し可能な構造とする。
・ピット内部は、維持管理作業が容易に行えるスペースを確保する。

製図用語の定義

図面    定義
工程図 製作工程の途中の状態又は一連の工程全体を表す製作図。
一般図 構造の平面図・立面図・断面図等によって、その形式・一般構造を表す図面
配管図 構造物、装置における管の接続・配置の実態を示す系統図
装置図 各装置の配置、製造工程の関係等を示す図面
組立図 部品の相対的な位置関係、組立てられた部品の形状等を示す図面

構造例示型の小型浄化槽
〔水準目安線を設ける目的〕
・異常な流入汚水量の有無の確認
・漏水の有無の確認
・浄化槽本体の水平の確認
・嫌気ろ床槽内のろ材閉塞による水位の上昇の確認
〔水準目安線で設ける目的で不適なもの〕
適切なばっ気量の確認

宿泊施設関係の処理対象人員算定基準
・ビジネスホテルは、主なとして宿泊が中止であるため、一般に厨房排水量が少なく、流入BOD濃度は低い
・処理対象人員は、あらかじめ従業員数も含めて算定している。
・汚水量のなかには温泉排水を含めない。したがって、浴槽の温泉排水は浄化槽流入管きょとは別に排除しなければならない。
・民宿等で浴場が共用の場合は、汚水量が低減する傾向があるので、実態に合わせて汚水量を減じることができる。
・観光地やスキー場における宿泊施設は流量が大きく変動するため、流量調整機能について十分な検討を行う必要がある。

工場生産浄化槽の施工状況の確認
浄化槽について異常がないことを確認後に、消毒装置に消毒剤を充填し、消毒剤が溶解しているかを確認する。
・放流口と放流水路の水位差は適切かを確認する。
・流入管や送気管等に、誤接合がないかを確認する。
・生活排水はすべて浄化槽に接続されているかを確認する。
・保守点検及び清掃作業の支障になるものが、浄化槽の周辺に設置されていないかを確認する。

(R3)

浄化槽管理士は、浄化槽管理試験に合格または、講習受講後の考査試験に合格すると得られる

浄化槽管理士とは、浄化槽管理士試験に合格するか、講習を満了後に考査試験を受けて、得ることができる国家資格になります。 浄化槽管理士の仕事内容は、浄化槽設備会社などに勤務して、浄化槽管理者の委託を受け、 水質汚濁防止のために、浄化槽の保守・点検業務をおこないます。 浄化槽管理士は、責任を持って水環境を管理する必要があります。


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