地質調査技士試験 01


現場の地質調査によって、現場の地盤情報によってその場所の基礎地盤構成が分かり、どのような建設物の基礎を構築するかが分かります。その地盤の地質調査を行う技術者が、地質調査技士で、技士の技量を測る試験が、地質調査技士試験です。地質調査技士試験は、年1回行われ、最近の合格率は33%~40%近くあります。合格率に変化がある理由は、地質調査技士は3部門に分かれ、試験も部門ごとに異なる問題で行われるためです。地質調査技士は、ボーリングなどの機器操作を行う「現場調査部門」、地質調査の現場管理や物理探査や土質試験を行う「現場技術・管理部門」、土壌地下水汚染調査を含む地質の現場管理を行う「土壌・地下水汚染部門」の3部門に区分されています。地質調査技士試験も、3部門ごとに異なる問題で受験します。試験の合格率は、現場調査部門で40%、土壌・地下水汚染部門で35%です。

地質調査技士試験の受験情報

受験部門 現場調査部門 現場技術・管理部門 土壌・地下水汚染部門
受験資格 1. ボーリング実務経験、5年(通算)以上の者。
2. 協会指定の指定学科卒業の者は、2年以上の実務経験者
1. 大学又は工業高等専門学校の土木工学科、建築学科、地質学科等地質調査に関連する学科を卒業し、実務経験3年以上の者
2. 大学又は工業高等専門学校の前項に掲げる学科以外の理工系学科を卒業し、実務経験5年以上の者
3. 実務経験8年以上の者
1. 大学又は工業高等専門学校の土木工学科、建築学科、地質学科等地質調査に関連する学科及び化学(工学)等環境に関連する学科を卒業し、実務経験3年以上の者
2. 大学又は工業高等専門学校の前項に掲げる学科以外の理工系学科を卒業し、実務経験5年以上の者
3. 実務経験8年以上の者
試験内容 ・筆記試験
(四肢択一式問題:80問、
記述式問題:1問または2問)

・口頭試験
・筆記試験
(四肢択一式問題:100問)
・筆記試験
(四肢択一式問題:100問)
出題内容 ■学科試験
①社会一般、建設行政、入札・契約制度等の知識
②地質、測量、土木・建設一般等の知識
③現場・専門技術の知識
④調査技術の理解度
⑤管理技法
■記述式問題
ボーリング作業、工程・安全・品質の管理など
■口頭試験
実務経歴に基き経験、実務の技能的な知識
■学科試験
①社会一般、建設行政、入札・契約制度等の知識
②地質、測量、土木・建設一般等の知識
③現場・専門技術の知識
④調査技術の理解度
⑤解析手法、設計・施工への適用
⑥管理技法
■記述式問題
①倫理綱領に関する問題
②地質調査技術等に関する問題
■学科試験
①社会一般、建設行政、入札・契約制度等の知識
②地質、測量、土木・建設一般等の知識
③現場・専門技術の知識
④調査技術の理解度
⑤管理技法
■記述式問題
①倫理綱領に関する問題
②土壌・地下水汚染調査の計画や現場技術、修復技術に関する問題

地質調査技士試験 試験で問われるもの

〈各受験部門共通の技能・能力(役割)〉
・積算  ・調査計画  ・ボーリングマシン運転の基本動作
・現場の工程管理や安全管理  ・土質判定  ・柱状図、断面図作成
・報告書とりまとめ  ・成果品の品質管理
・ボーリング調査の業務責任者としての役割
・ボーリング調査の業務責任者や現場管理者としての役割
・「ボーリング責任者」としての役割
各受験部門においては、上記の技能・能力のほかに、ボーリングマシン操作に係る特殊技能(現場調査部門)や解析・分析能力(現場技術・管理部門)、土壌地下水汚染に係る専門能力(土壌・地下水汚染部門)をはかる出題がされます。

地質調査技士試験の過去問と重要項目


社会一般、行政、入札契約等

建設コンサルタント業務等の発注方式
・総合評価落札方式(簡易型)では、簡易な施工計画のほか、同種・類似工事の施工実績や工事成績などの評価項目と入札価格を総合的に評価される。
・プロポーザル方式は、提出された技術提案書に基づいて仕様を作成する方が優れた成果を期待できる業務の際に採用される。
・価格競争入札方式では、応札した価格のみによって落札者を決定する。
・発注方式には、プロポーザル方式、総合評価落札方式、価格競争入札方式などがある。

地質調査業に関連する法律
・「公共工事の品質確保の促進に関する法律」は、地質調査業務に適用される
・「下請け代金支払い遅延等防止法」は、地質調査業にも適用される。
・「建設業法」は、地質調査業務には適用されない。
・「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」は、地質調査業務には適用されない。

地質調査技士資格
・国土交通省の「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」として登録されているのは、「現場調査部門」、「現場技術・管理部門」と「土壌・地下水汚染部門」の3部門である。
・国土交通省をはじめ、多くの発注機関で発注要件として活用されている。
・国土交通省の地質調査業務共通仕様書では、業務内容により主任技術者の資格として認められている。
・5年毎に必要な登録更新の手続きには、「登録更新講習会受講形式」と「CPD記録報告形式」がある。

大深度地下の公共的使用に関する特別措置法
・杭基礎の支持地盤は、許容支持力度が2500kN/m2以上を有する地盤である。
・対象地域は、首都圏、近畿圏、中部圏の一部区域である。
・深さの基準は、地下40m以深または支持地盤上面から10m以深のうちいずれか深い方である。
・大深度地下施設は、既存建築物や基礎との間に、原則としてトンネル外径以上の離隔距離をとらなければならない。

地質調査技士の行動指針
〔適当なもの〕
・環境の保全
・技術の向上
・秘匿事項の保護
〔不適当なもの〕
業界への説明責任

治水施設
治水施設としては、次のものがあげられる。
 ・排水機場
 ・床固め
 ・堤防
頭首工は、治水施設でなく、農業用施設である。

地質、測量、土木、建築等の知識

土の強度・変形
〔土の強度・変形について検討する対象〕
・基礎地盤の支持力
・擁壁に加わる土圧
・斜面の安定
〔土の強度・変形について検討する対象ではないもの〕
根切り工事に伴うボイリング

ダムの調査手法
・ダム基礎の水理特性(透水性)は、主としてボーリング孔を利用したルジオン値によって評価される。
・いずれの形式のダムでも、ダム基礎と貯水池周辺地山について、力学的安定性と遮水性についての調査が要求される。
・ダムには、重力式コンクリートダム、アーチダム、ロックフィルダムなどの形式があり、形式により要求される地盤条件、堤体材料などが異なる。
・岩盤の特性を調べるため、原位置岩盤の変形試験やせん断試験が実施される。

地質時代
・新第三紀は、古い順から、中新世、鮮新世に区分される。
古第三紀は、古い順から、暁新世、始新世、漸新世に区分される。
・新生代は、古第三紀、新第三紀と第四紀に区分される。
・第四紀は、更新世と完新世に区分される。
・鮮新世は、新第三紀の最後の世である。

岩の特徴
〔火山岩の特徴〕
マグマが地下浅所で急冷することによって生成した岩石である。
〔深成岩の特徴〕
・代表的な岩石には、花こう岩、閃緑岩、はんれい岩がある。
・等粒状で、完晶質である。
・火成岩の一種である。

地すべりの素因と誘因
〔地すべりの素因〕
片理面
〔地すべりの誘因〕
・豪雨
・地震動
・切土

現場技術の知識

電気式間隙水圧計による間隙水圧の測定
・埋戻しにより設置する場合は、砂などのフィルター材で埋戻し、ベントナイトなどで遮水を行う。
・フィルターを間隙水圧計本体に取付ける場合は、水中で取付け作業を行う。
・押込みにより設置する場合は、押込み時の過剰間隙水圧の発生に留意する必要がある。
・測定の適用範囲は、地下水面より下方の飽和された地盤である。

故障の原因
掘進中にポンプ圧が急上昇し始め、回転が重くなりだした場合の原因。
・孔壁の崩壊が起こった。
・地層の押出しによる孔径が縮小した。
・全量逸水が起こった。
〔原因として不適当なもの〕
孔底付近に沈殿カッティングスが多くなった。

一面せん断試験,
直接せん断試験に位置づけされる。
・試料の適用範囲は最大粒径 0.85mm 以下の土を対象としている。
・過剰間隙水圧を測定することはできない。
・圧密定体積試験と圧密定圧試験がある。

ポータブルコーン貫入試験
・貫入速度は10mm/sとし、測定間隔100mmで荷重計の読み値を記録する。
・コーン貫入抵抗qcは、トラフィカビリティの判定に用いられる。
・コーン貫入抵抗qcは、一軸圧縮強さの推定に用いられる。
・単管式は、ロッドの周面摩擦の影響を受けるので適用深さは3~5m程度である。

N値の記入要領
・ロッドとサンプラーの自重だけで自沈した場合、ロッド自沈、ハンマー自沈の区別を観察記事欄に記入する。
・調査目的などを踏まえて、打撃回数の記録を貫入量50mmごとに行ってもよい。
・打撃1回ごとの貫入量が100mmを超える場合は、その貫入量を記録する。
・サンプラーの先端が玉石や転石等にあたって貫入しない場合は、貫入不能と記す。

液状化判定の試験方法
細粒分を20%含む砂質土の液状化判定として用いる試験法。
〔適している試験法〕
・土の繰返し非排水三軸試験
・土の液性限界・塑性限界試験
・土の粒度試験
〔適していない試験法〕
土の圧密非排水(CU)三軸圧縮試験

現場での土の分類
・粘土は、粒子が肉眼で識別できない程度に小さい
・しらす、まさ土のように広く通用している俗称を用いてもよい。
・有機質土は、可能な限り泥炭と黒泥に細分するのがよい。
・手の平に試料を載せ、振動を与えたときに水が浮くものをシルトと区分する。

埋設物の危険性がある箇所でのボーリング
・低速回転、低荷重での掘削に関わらず、ボーリングマシンによる試掘は行ってはならない
・試掘は、人力により布掘り、壷掘り、またはボーリング掘削径より大きな径のハンドオーガーなどを用いて行う。
・事前に定めた深度まで確実に試掘を完了する。
・事前の聞取り調査により埋設物がないとしても、念のため試掘を実施する。
・地上からの手掘りもしくはハンドオーガー掘削により、埋設物の有無を確認する。

ボーリングのビット
・ノンコアビットには、トリコンビット、クロスビットなどがある。
・ビットには大別して、コアを必要とする場合に用いるコアビットと、コアを必要としない場合に用いるノンコアビットがある。
・コアを必要としない場合でも、地質によってはコアビットを用いて掘削したほうが掘削速度は速く、経済的な場合がある。
・ダイヤモンドビットには、サーフェスセットビットとインプリグネイテッドビットがある。

ロータリー式スリーブ内蔵二重管サンプラーを使用の留意点
・シュー先行型サンプラーは、軟らかい地盤を対象とする。
・軟質層や破砕帯のコアリングには、可能な限り大きな径のサンプラーを使用する。
・コア詰りの兆候があれば、直ちに掘進作業を中止しサンプラーを回収する。
・粘土やまさ土等の地盤から、軟岩や硬岩までの岩盤を対象とする。

RQD
硬質岩、中硬質岩からなる岩盤の評価には特に有効である。
・岩盤の良否を判定するための一つの指標である。
・10㎝以上のコアの累計長を1m区間ごとに求め、百分率で表す。
・掘削時の振動などで生じた割れ目は連続したものとみなしてよい。

調査技術の理解度

物理探査
縦断方向に長い河川堤防の物理探査を効率的に実施する手法。
〔適している手法〕
・電磁探査(スリングラム法)
・牽引式表面波探査
・牽引式電気探査
〔適していない手法〕
比抵抗法二次元探査

1m深地温探査
・地表面の温度を計測して、地下に周辺と温度が違う場所を推定する調査法である。
・測定は、穿孔後 10 分以上経過してから測定する。
・地下水流脈の把握を目的とした探査では、流動地下水温度と地表面付近の温度との差が大きくなる冬季から春の初め、および夏から秋の初めを中心に探査期間を設定する。
・地すべり地における地下水調査や、ため池の漏水調査などに適している。

シールドトンネル施工の調査方法
軟弱地盤地域のシールドトンネル施工で用いられる調査方法。
〔適しているもの〕
・電気検層
・間隙水圧測定
・地中ガス調査
〔不適切なもの〕
・平板載荷試験

解析手法、設計・施工への適用

空洞調査における物理探査手法
・熱赤外線映像調査では、地下水位より深い空洞の検出は難しい
・二次元比抵抗探査では、地下水位より浅い高比抵抗地盤中の空洞の検出は難しい。
・地中レーダ探査では、地下水位以下の空洞の検出は難しい。
・屈折法弾性波探査では、地下水位に関わらず空洞の検出は難しい。

切土による崩壊発生の留意点
・長大のり面となる切土の場合は、のり面全体の地質が均質で堅硬であることが少ないため、のり面の変状などの施工中の問題が発生しやすい。
・割れ目の多い岩の切土の場合には、割れ目の発達度合、破砕の程度を評価する方法として弾性波探査による地山の弾性波(P波)伝播速度などがある。
・切土部の周辺で地すべり地がある場合には、地すべりが発生する可能性に注意する。
・湧水量の多い切土の場合は、地下水の動きは極めて複雑なため、注意が必要である。

杭基礎(場所打ち杭)
・沖積粘性土が厚く分布する地盤では、負の摩擦力の検討を行う
・短い杭基礎であっても、水平方向の地盤反力は検討を行う
・杭基礎の地震時における液状化の影響は、地表面付近だけでなく地盤の変形の影響を受ける。
・液状化の影響を杭基礎の設計時に検討を行う
・杭基礎の鉛直支持力は、先端支持力と周面摩擦力に分けられる。

管理技法

屈折法弾性波探査の計画
・スタッキング法では、発電機などの動力源が必要となる
・スタッキング法では、騒音が発生するため、対策が必要となる。
・発破法では、適切な装薬・薬量および防爆シートを使用し、騒音を小さくする対策をとる。
・発破は、法令を遵守し、適切な薬量を用いた安全な起振源である。

(R1)

地質調査技士試験は、全国地質調査業協会連合会の過去問を活用する

地質調査技士試験の受験資格は、現場調査部門ではボーリング操作の実務経験5年以上です。現場技術・管理部門と土壌・地下水汚染部門では、学校を卒業後の学歴に応じて設けられた期間の実務経験の後に、受験することが可能です。
地質調査技士試験試験内容は、部門ごとに問題が異なります。現場調査部門の問題は、四肢択一の筆記試験80問、記述式の筆記試験2問、口頭試験の構成で行われます。
四肢択一の筆記試験80問は、必須問題60問と、土質分野20問か岩盤分野20問の何れかを選択して解答します。問題の内容は、Aが社会一般・建設行政・入札・契約制度、Bが地質・測量・土木・建築一般、Cが現場・専門技術、Dが調査技術の理解、Eが管理技法から出題されます。
記述式問題は、ボーリング作業管理・工程管理・安全管理・品質管理についての問題です。
口頭試験では、地質調査のためのボーリングに必要な知識や経験等と、実務経歴や経験を試問し、内容と態度などから合否を判定します。

現場技術・管理部門の問題は、四肢択一の100問と記述式2問の問題です。四肢択一問題の内容は、Aが社会一般・建設行政・入札・契約制度、Bが地質・測量・土木・建築一般、Cが現場・専門技術、Dが調査技術の理解、Eが解析手法・設計・施工の適用、Fが管理技法から出題されます。
記述式問題は、2問出され2問とも解答します。内容は、倫理綱領の問題から1問と、地質調査技術の問題は選択制で、地質調査全般2問・土質と岩石試験技術1問・物理探査と検層技術1問のうちから1問を選んで解答します。
土壌・地下水汚染部門の問題は、四肢択一の100問と記述式2問の問題です。四肢択一問題の内容は、Aが社会一般・建設行政・入札・契約制度、Bが地質・測量・土木・建築一般、Cが現場・専門技術、Dが調査技術の理解、Eが管理技法から出題されます。
記述式問題は、倫理綱領の問題から1問と、土壌地下水汚染調査の計画や現場技術や修復から3問出され1問を解答する選択問題です。

地質調査技士試験の勉強法は、過去問10年分を繰り返し勉強することで、過去問と同じような問題は対応できます。全国地質調査業協会連合会の出している受験の手引きに書いているような範囲からの出題となるため、ある程度問題の幅は決まっていて、過去問の勉強で大丈夫でしょう。
なお、過去問題集は書店では販売されてなく、全国地質調査業協会連合会のホームページ上で過去問を15年分近く公開しているため、過去問はこちらで対応できます。ただし、解答の解説が無いため、信頼できる参考書を探して、解答の理由を勉強し、同時に周辺の知識も覚えれば、地質調査技士試験の勉強法としては十分でしょう。
現場調査部門では、口頭試験があるため、自身の考えを整理し信念を持っておく必要があります。信念があれば、試験官からどのような質問を受けても、信念をベースとして答えることができるため、試験官の受けもよいはずです。


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