RCCM試験の過去問と解説まとめ!2018年度問題3(管理技術力)の(1)


こちらは、2018年度(平成30年)RCCM試験の過去問の解説です。
今回は、2018年度RCCM試験過去問3(管理技術力)の(1)について詳しく解説していきます。

RCCM試験問題3(管理技術力)の内容

RCCM試験問題3は、業務計画や品質確保・向上、コスト縮減など業務遂行のための管理技術力が問われる問題です。
問題の形式は記述問題で、3つのテーマから1つを選び、1200~1600字程度でまとめます。(25字×32行=800字:解答用紙2枚)
それぞれのテーマには、6~8つの用語が指定されていますので、それらを用いて記述しなければいけません。
最近のRCCM試験の過去問の傾向としては、インフラ整備施策についての出題が目立っていますが、テーマが幅広いため、多くの論文解答例に目を通して、構成を頭に入れておきましょう。

問題3(管理技術力)の(1)

下記の(1)から(3)までの3問のなかから1聞を選択し、①及び②について、 1200~1600字の間で記述しなさい。解答用紙への記述にあたっては、必ず選択した問題の番号を解答用紙の( )内に記入しなさい。

(1)維持管理と長寿命化
設問①、②について、次の6つの用語「老朽化」「地方公共団体」「ライフサ
イクルコスト」「更新」「予防的措置」「新技術」のなかから4つ以上用いて記述しなさい。用いた用語は、解答用紙の文中にアンダーラインを引いて強調すること。
用語は①、②の全体を通じて(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、 4つ以上用いていればよい。
① 社会インフラの維持管理の現状と課題
② 社会インフラの長寿命化のあり方について

(2)人材確保と働き方改革
※問題文省略(知りたい方は、過去問をチェックしてください。)

(3)設計成果の品質向上
※問題文省略(知りたい方は、過去問をチェックしてください。)

『問題3(管理技術力)の(1)』の論文解答例

こちらは、2018年度に出題されたRCCM試験過去問『問題3(管理技術力)の(1)』の論文解答例です。
求められるキーワードには、下線をつけて赤文字にしています。

① 社会インフラの維持管理の現状と課題

我が国では、高度成長期以降に整備した社会インフラが一斉に老朽化し、今後20年間で建設後50年以上経過する施設の割合が、加速度的に高くなる見込みである。例えば、道路橋はその割合が平成25年3月の約18%から10年後には約43%、20年後には約67%と急増する見込みだ。このように一斉に老朽化する社会インフラを、今後戦略的に維持管理・更新し、長寿命化していくことが課題となっている。
老朽化する施設が増えるのに対し、そのメンテナンスに必要な人材が不足している。この傾向は特に地方都市で顕著であり、地域特性とメンテナンス技術の両方に精通する技術者の確保が困難となってきている。技術者不足の対応策の一つとして、メンテナンスに関連する情報の利活用の促進と、発信・共有が挙げられる。過去の施工事例などのデータを蓄積し、共有することで、経験や専門知識を十分に持たない技術者が業務に携わり、実効的なインフラメンテナンスの実現が可能になると考えられる。
国土交通省の「インフラ長寿命化計画」においても、ライフサイクルマネジメントを確立するには「情報基盤の整備と活用」が重要とされている。この「情報基盤の整備と活用」は、今後、人材と予算が減少していく中で持続的・実効的なメンテナンスを行う鍵になると考えられる。
限られた人材と費用の中で持続的・実効的なメンテナンスを実現するには、関連する情報の利活用を進め、発信・共有することが重要であるが、情報の利活用に当たっては、(1)現場のための正確な情報の把握と蓄積、(2)メンテナンスサイクルを確実に回すための情報共有化、が課題となる。

(1) 現場のための正確な情報の把握と蓄積
現場のための正確な情報の把握・蓄積では、点検結果や保全情報を蓄積・分析することで、適切なタイミングで補修更新を行うことを実現する。地方公共団体では、維持管理データを施設ごとに紙の報告書やPDF形式で管理している場合が多く、再利用が容易なデータベース形式での管理が課題となる。

(2) メンテナンスサイクルを確実に回すための情報共有化
メンテナンスサイクルを確実に回すための情報共有化では、設計・施工時に把握した維持管理上の留意事項や、類似施設に講じた対策の評価などのデータを蓄積し、メンテナンスサイクルの発展に繋げる。
今後、これらの取組みを進めるに当たっては、新規整備、補修更新等の各段階において、情報管理等の効率性にも配慮しつつ、システムの利便性や汎用性を高めていくことが課題である。
笹子トンネルでの天井板落下事故以降、社会インフラの維持管理、補修更新等について国民の関心が高まっている。一方、インフラの健全性評価や維持管理の重要性などは、国民に広く知られておらず、(3)管理者による情報発信の推進、も課題となる。

② 社会インフラの長寿命化のあり方について

社会インフラの長寿命化のあり方については、いかに維持管理のための情報共有化ができるか重要である。

(1) 現場のための正確な情報の把握と蓄積
道路、河川、港湾などの分野ごとの点検診断結果や台帳情報などを蓄積、利活用するための社会資本情報プラットフォームを構築する。このプラットフォームでは、各分野のデータベースから必要な情報を収集・集計整理し、横並びで閲覧・検索が可能なシステムとする。
収集したデータが、容易にメンテナンスの現場で活用できるよう、CIMやGIS との統合運用に向けた取組を進めなければならない。そのために、インフラの情報だけでなく、地形・地盤情報、インフラ台帳(2次元・紙)等を共有可能な共通中間データに変換し、集約・共有する。これらのデータベースを基に、劣化予測やLCC分析などアセットマネージメントに応用が可能である。
国だけではなく、自治体のインフラ情報も一元的に蓄積し、蓄積されたデータについては、目的に応じて一定の条件を付した上で、可能な限り広く一般に公開することが重要である。

(2) メンテナンスサイクルを確実に回すための情報共有化
メンテナンスサイクルにおいて、維持管理情報は補修対象の特定や優先順位評価、詳細設計等に活用される重要な情報である。
現状では地方公共団体の多くは、委託業務の紙の報告書やPDF形式で管理しており、再利用可能なデータベースの形での管理は進んでいない。これは、地方自治体単位では所管施設数も限られており、データ集約の効果が小さいためである。また、データベース化に必要な予算も人も足りないという現状もある。
データベース作成や更新などにかかる費用についても、地方公共団体が外部委託できる予算を国が補助するなど、財源に関する検討も必要である。また、データベースは一旦構築しても、定期的な情報更新を行わないと最新のデータが得られるシステムとはならない。そのため、データ更新の頻度や更新方法なども関係者間で基準化を図る必要がある。
近年は補修更新の際の劣化原因の特定が十分でなく、補修後に再劣化する事例も報告されている。これらの情報もデータベースに取り込むことで類似事例等の補修・更新に役立てることができる。

(3) 管理者による情報発信の推進
国土交通省では、社会資本のメンテナンスに関する情報ポータルサイトを開設しており、国や地方公共団体等の社会資本のメンテナンスに関する様々な情報が提供されている。
これに加え、自分の生活する地域の施設の劣化や利用状況など、より理解を深めてもらうよう、地域住民やNPO 等の多様な主体との協働による点検や美化活動等の取り組みなども情報発信として有効である。

過去問の傾向

RCCM試験の過去問をチェックすると、2015年度(平成27年)と2014年度(平成26年)のRCCM試験で、同様の問題が出題されています。
それぞれの年度のRCCM試験過去問は以下のとおりです。

社会インフラの維持管理(2015年度RCCM試験過去問)
設問①、②について、次の6つの用語「老朽化」「地方公共団体」「技術力の向上」「PEI」「予防的措置」「長寿命化」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、 4つ以上用いていればよい。
① 日本の社会インフラの現状と課題
③ 複数の視点から見たこれからの日本の社会インフラのあり方
社会インフラの維持管理(2014年度RCCM試験過去問)
設問①、②について、次の6つの用語「老朽化」「ライフサイクルコスト」「予防保全」「点検・診断」「補修・更新」「長寿命化」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、 4つ以上用いていればよい。
① 日本の社会インフラの現状と課題
② 日本の社会インフラの維持管理のあり方

RCCM試験では、社会インフラについて3回出題されていますが、内容はほとんど同じです。

論文答案構成

社会インフラについての論文答案構成は、以下の3つに分けて記述すると、まとまりやすくなります。
① 現状
② これからの課題
③ 課題に対する改善策

① 現状

こちらでは、高度成長期以降に整備した社会インフラが一斉に老朽化している現状を説明します。
具体的に「10年後には約43%、20年後には約67%」といったデータで示すとより良いですが、建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなるという状況を、6つの用語を用いて文章にまとめましょう。

② これからの課題

こちらでは、社会インフラの現状に対する課題を説明します。
老朽化に伴う課題は、主に以下の2つです。
・メンテナンスに必要な人材の不足(メンテナンス技術に精通した技術者)
・情報の蓄積と共有
老朽化する施設が増えれば、それだけマンパワーが必要となり、必ず人材不足に陥ります。
限られた人材の中で、持続的・実効的なメンテナンスを実現できるかが大きな課題です。
そのために必要なのが、設計・施工時に把握した維持管理上の留意事項や、類似施設に講じた対策の評価などの情報を蓄積し、共有することです。
情報を利活用することで、経験や専門知識を十分に持たない技術者でも新規整備・維持管理ができ、実効的なインフラメンテナンスの実現が可能になります。
維持管理のための情報化がまだまだ進んでいない状態なので、情報の蓄積と共有の重要性を課題として文章にまとめましょう。

③ 課題に対する改善策

こちらでは、維持管理のための情報化をどのように進めればいいのか改善策を説明します。
改善策としては、主に以下の2つがポイントです。
・社会資本情報プラットフォームの構築
・情報のデータベース化
情報を閲覧・検索するためには受け皿となるプラットフォームが必要です。
点検・診断結果や台帳情報、維持管理情報などを蓄積、利活用できる社会資本情報プラットフォームを構築することが、改善策のポイントの1つです。
次に情報のデータベース化ですが、プラットフォームに蓄積するための情報を電子化させる必要があります。
地方公共団体の多くは、いまだに紙やPDF形式で管理しており、再利用ができません。
それらの情報をデータベースに蓄積できるようにすればいいのですが、予算と人材が不足している現状があります。
実現するためには、国が補助するなど、財源に関する検討が必要であることも文章にまとめるとよいでしょう。

RCCM試験の対策

RCCM試験問題3(管理技術力)は、記述問題のため過去問の回答例を暗記するのはかなり大変です。
RCCM試験問題3は、過去問を見てわかるように、3つのテーマから1つ選択できます。
ただし、以下のように出題範囲が広く、そのため効率よく学習しなければいけません。
・維持管理と長寿命化
・建設コンサルタントの人材確保と働き方改革
・安全な国土づくり/防災・減災
・倫理とコンプライアンス
・設計成果の品質向上
・コンパクトシティの推進
・ICTの活用と技術開発
・発注方式
そこで、本サイトでは、RCCM試験の過去問を分析して、出題予想を行い、オリジナルの論文解答例をまとめた『RCCM試験問題3 管理技術力の記述問題 支援ツール』を提供しています。
『RCCM試験問題3 管理技術力の記述問題 支援ツール』では、すべての出題範囲を網羅した論文解答例を39件まとめています。
さらに、過去問の傾向から「今年出る出題問題」を予想し、メールでお伝えしますので、時間がない方は、予想問題を中心に対策すれば、効率よく学習できます。
RCCM試験の過去問を分析すると、出題内容に傾向があり、これまでも高い確率で予想的中させています。
たとえば、RCCM試験問題3は、テーマ3つの内2つは前年度、前前年度と同じテーマが出題される傾向が強いです。
詳しい内容については、こちらでまとめていますので、RCCM試験問題3のオリジナル論文解答例や「今年出る出題問題」を知りたい方は、確認してください。

問題3 管理技術力 支援ツール  3,000 円(税込)

RCCM試験/管理技術力問題の出題予想と解答例文は、こちらへ

問題3 管理技術力の記述問題 出題予想と解答例文 ▼


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