4 環境保全、情報セキュリティ、知的財産権/問題2 適性科目/技術士第一次試験


環境保全・循環型社会・リサイクル/問題2 適性科目/これだけ項目集 1

◇ 環境保全・循環型社会・リサイクル

1技術士 2適性  H30-13
環境保全

 カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方である。

 持続可能な開発とは、「環境と開発に関する世界委員会」(委員長:ブルントラント・ノルウェー首相(当時))が1987年に公表した報告書「Our Common Future」の中心的な考え方として取り上げた概念で、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことである。

 ゼロエミッション(Zero emission)とは、産業により排出される様々な廃棄物・副産物について、他の産業の資源などとして再活用することにより社会全体として廃棄物をゼロにしようとする考え方に基づいた、自然界に対する排出ゼロとなる社会システムのことである。

 生物濃縮とは、生物が外界から取り込んだ物質を環境中におけるよりも高い濃度に生体内に蓄積する現象のことである。特に生物が生活にそれほど必要でない元素・物質の濃縮は、生態学的にみて異常であり、環境問題となる。

1技術士 2適性  H28-14
廃棄物・リサイクルに関する法律 n

 従来の大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造システムが、廃棄物処分場の枯渇、不法投棄などの社会問題を引き起こし、環境への負荷を招いた反省から、天然資源の消費を抑制し環境への負荷の低い循環型社会への転換を目指し廃棄物・リサイクルに関する法律が整備されている。

 循環型社会への転換の基本的枠組みを定めたものが「循環型社会形成推進基本法」であり、さらに各製品等の特徴を踏まえ、容器包装、家電製品、食品、建設資材等に関して、循環型社会に資する法律が制定されている。

 廃棄物の排出抑制、適正な循環的利用、適正処分を目指し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)が制定されている。この法律では廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に分け、産業廃棄物については排出する事業者が自らの責任において適正に処理しなければならないことが定められている。

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、事業者はその排出する産業廃棄物を処分するに当たり、第三者に処理を委託する場合には、最終処分までの適正な処理が実施されるための必要な措置に努めることが求められ、排出時から最終処分までの一貫した把握・管理ができるよう産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度が整備されている。

 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)では対象機器として、ユニット型エアコンディショナー、テレビ、電気冷蔵庫及び電気冷凍庫、洗濯機及び衣類乾燥機が定められ、消費者は収集・再商品化に必要な費用を支払い適正な引き渡しを小売業者に行い、小売業者は引き取りを求められた対象機器を引き取る義務とそれらを指定引き取り場所に引き渡す義務が定められている。

1技術士 2適性  H24-05
循環型社会形成推進基本法

 循環型社会形成推進基本法は、環境基本法の基本理念にのっとり、循環型社会の形成について、基本原則を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、循環型社会形成推進基本計画の策定その他循環型社会の形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする法律である。

 循環型社会を構築するにあたっての国民、事業者、市町村、政府の役割が規定され、特に、事業者・国民の「排出者責任」の明確化や生産者が自ら生産する製品等について使用され廃棄物となった後まで一定の責任を負う「拡大生産者責任」の一般原則を確立している。また、循環的な利用が行われる物品と処分が行われる物品を「廃棄物等」とし、廃棄物等のうち有用なものを「循環資源」と位置づけ、その循環的な利用を促している。この法律では処理の優先順位が法定化されている。

 循環型社会を構築する処理は、次の優先順位で行われる。
  発生抑制 → 再使用 → 再生利用 → 熱回収 → 適正処分

情報セキュリティ/問題2 適性科目/これだけ項目集 2

◇ 情報セキュリティ

1技術士 2適性  H28-13
情報セキュリティ n

 情報通信技術が発達した社会においては、企業や組織が適切な情報セキュリティ対策をとることは当然の責務である。
 情報セキュリティマネジメントとは、組織が情報を適切に管理し、機密を守るための包括的枠組みを示すもので、情報資産を扱う際の基本方針やそれに基づいた具体的な計画などトータルなリスクマネジメント体系を示すものである。

 情報セキュリティマネジメントでは、組織が保護すべき情報資産について、情報の機密性、完全性、可用性を維持することが求められている。

 情報の完全性とは、保有する情報が正確であり、情報が破壊、改ざん又は消去されていない状態を確保することである。

 情報の可用性とは、要求された時、必要な時に、情報を利用できることである。

 情報セキュリティポリシーとは、情報管理に関して組織が規定する組織の方針や行動指針をまとめたものであり、PDCA(計画、実施、評価、見直し)のサイクルを止めることなく実施し、ネットワーク等の情報セキュリティ監査や日常のモニタリング等で有効性を確認することが必要である。

 情報セキュリティは人の問題でもあり、組織幹部を含めた全員にセキュリティ教育を実施して遵守を徹底させることが重要であり、浸透具合をチェックすることも必要である。

 情報セキュリティに関わる事故やトラブルが発生した場合には、あらかじめ記載されている対応方法に則して、適切かつ迅速な初動処理を行い、事故の分析、復旧作業、再発防止策を実施する。必要な項目があれば、セキュリティポリシーの改訂や見直しを行う。

知的財産権、公益通報者保護法/問題2 適性科目/これだけ項目集 3

◇ 知的財産権

1技術士 2適性  H30-06  H29-10
知的財産権に含まれるもの

 知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを「産業財産権」といい、特許庁が所管している。

・特許権は、「発明」を保護する。
・実用新案権は、物品の形状等の考案を保護する。
・意匠権は、物品のデザインを保護する。
・著作権は、文芸、学術、美術、音楽、プログラム等の精神的作品を保護する。
・回路配置利用権は、半導体集積回路の回路配置の利用を保護する。
・育成者権は、植物の新品種を保護する。
・営業秘密は、ノウハウや顧客リストの盗用など不正競争行為を規制する。
・商標権は、商品・サービスに使用するマークを保護する。
・商号権は、商号を保護する。

1技術士 2適性  H28-11  H24-09
知的財産制度

 知的財産の特徴の1つとして、「もの」とは異なり「財産的価値を有する情報」であることが挙げられる。情報は、容易に模倣されるという特質を持っており、しかも利用されることにより消費されるということがないため、多くの者が同時に利用することができる。こうしたことから知的財産権制度は、創作者の権利を保護するため、元来自由利用できる情報を、社会が必要とする限度で制限する制度ということができる。

 知的財産権制度は、創作者の権利を保護するため、元来自由利用できる情報を、社会が必要とする限度で自由を制限する制度ということができる。

・知的財産権
 財産は、形のある財産(有体財産)と形のない財産(無体財産)に分けられる。株券は、有体財産に分類されている。
 人間の知的創造の成果は、社会に豊かな生活をもたらしてきた。その創造活動を阻害しないように、創作者に一定期間の権利保護を与えるようにしたのが知的財産権制度である。
 特許権も著作権も知的財産権である。特許権は産業振興に資するアイデアを、著作権は文化振興に資する表現を法的に保護する特徴がある。
 知的財産基本法では、知的財産権とは「特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう」とされている。

・産業財産権
 特許権、実用新案権、意匠権、商標権を総称して産業財産権と呼ぶ。
 様々な権利からなる著作権のうち、出版社が所持する出版権は著作権の一つである。
 トレードシークレット(営業秘密)、半導体集積回路の回路配置利用権は、産業財産権に分類される。

・特許権
 特許法によれば、特許を受けるための要件の1つとして同法に定める発明であることが求められる。同法によれば発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」とされている。

・実用新案権
 実用新案法によれば、同法に定める「考案」であることが求められる。同法では考案について「自然法則を利用した技術的思想の創作」と定められており、特許法上の「発明」と異なり高度であることは要求されていない。

・特許権
 人為的な取り決め、暗号作成方法、計算方法などは特許法上の発明に該当しないから、特許を受けることはできないが、プログラムの特許は認められている。この場合でも「自然法則を利用した技術思想の創作」であることが求められ、「プログラムリスト」として特許請求された場合は情報の単なる提示に当たり発明に該当しない。

1技術士 2適性  H27-12  H26-14  H25-13  H24-09-3
著作権

 知的財産権の一種に、著作権がある。著作権については著作権法が定められている。この法律の目的は、著作物等に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、文化の発展に寄与することである。
 著作物等の利用を野放しにしてしまっては、著作者等は創作する人格的評価も財産的な対価も得られなくなり、創作意欲をかきたてにくくなる。その一方で、著作者等の権利の保護ばかりを重視すると、利用者は著作物等を利用しにくくなる。いずれの状態であっても、文化の発展にとって好ましいとはいえない。
 著作権法は文化の発展を目的に置きつつ、著作者等の権利の保護と利用者の公正な利用のあり方について、法的に明らかにしたものである。

 著作権者の承諾を得て、引用は実質的に複製と同じ扱いとなるが、出所明示、同一性保持等、一定の条件を満たせば、著作権者の許諾なしに引用して利用することができる。

 一般に公表されている論文であっても、目的外の利用は禁止されているため、自由に引用することや、複製することはできない。
 公表されている著作物には、「禁転載」などの転載を禁止する旨の表示がされている。著作者を明示した場合であっても、自由に転載利用することはできない。
 官公庁が作成した官公資料は、公共のために広く利用させるべき性質のものであるが、利用を禁止する旨の表示がある場合などは、説明の材料として転載できない。

 論文の引用は、目的上正当な範囲内かつ研究の目的で行われるもの、私的利用や試験問題利用等で行われるものも認められている。
 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

 他人の外国語論文の記述を、自分が作成する日本語論文の中で引用して利用する場合には、日本語に翻訳して引用することが認められている。

 著作物に関する権利である著作権は、法的な手続きは不要の権利である。
 プロの歌手が、自分の持ち歌に限って、作詞家の了解を得ずに歌詞を変更して歌うことは、著作権の侵害に当たる。
 個人の趣味で公開したインターネットのホームページ(Webページ)に、アイドル歌手の写真集の気に入った写真をアップする行為は、著作権法違反になる。

 著作物とは、思想又は感情を表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいい、創作的であることが著作権法に明記されている。

 著作者は財産価値を持つ著作権に加えて、著作物を公表する権利、著作者名を表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利、著作物及びその題号の同一性を保持する権利からなる「著作者人格権」と呼ばれる権利を持つ。

◇ 公益通報者保護法

1技術士 2適性  H28-10
公益通報者保護法 第一条 目的

 組織に所属してその技術の根幹を把握する技術者にとって、組織のための守秘義務と公益のための説明責任とは本来は両立できる規範である筈だが、諸々の事例を鑑みると相反する状況に遭遇することを否定できない環境下にある。この際に、技術者が行える倫理的行動の選択肢の1つとして、「公益通報」が挙げられる。

 この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。

1技術士 2適性  H30-08
公益通報者保護法の適用

 公益通報には、事業者内部に通報する内部通報と行政機関及び企業外部に通報する外部通報としての内部告発とがある。企業不祥事を告発することは、企業内のガバナンスを引き締め、消費者や社会全体の利益につながる側面を持っているが、同時に、企業の名誉・信用を失う行為として懲戒処分の対象となる側面も持っている。

 公益通報者保護法が保護する公益通報は、不正の目的ではなく、労務提供先等について「通報対象事実」が生じ、又は生じようとする旨を、「通報先」に通報することである。

 公益通報者保護法は、保護要件を満たして「公益通報」した通報者が、解雇その他の不利益な取扱を受けないようにする目的で制定された。

 公益通報者保護法が保護する対象は、公益通報した労働者で、労働者には公務員も含まれる。

 保護要件は、事業者内部(内部通報)に通報する場合に比較して、行政機関や事業者外部に通報する場合は、保護するための要件が厳しくなるなど、通報者が通報する通報先によって異なっている。

 マスコミなどの外部に通報する場合は、通報対象事実が生じ、又は生じようとしていると信じるに足りる相当の理由があること、通報対象事実を通報することによって発生又は被害拡大が防止できることに加えて、事業者に公益通報したにもかかわらず期日内に当該通報対象事実について当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がないこと、内部通報や行政機関への通報では危害発生や緊迫した危険を防ぐことができないなどの要件が求められる。

1技術士 2適性  H27-09
公益通報者保護法の特徴 n

 公益通報者保護法では、従業員が不正の目的でなく、企業の犯罪行為など違法行為を警察や所轄行政官庁に通報した場合には、その労働者を解雇したり不利益な取扱いをしたりしないことが義務付けられている。
 その基本的な枠組みは、「通報対象事実」が発生し又は発生しようとしていることを、従業員が不正の目的でなく通報した(公益通報を行った)場合に、その公益通報を理由に解雇、その他の不利益取扱い(懲戒処分、降格、減給など)をすることを禁止するものである。

 公益通報の対象となる公益通報対象事実とは、個人の生命や身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保などに加え、国民の生命・身体・財産その他の利益の保護に係る法律に規定する犯罪行為などである。

 公益通報に係る法規、すなわち刑法やその他の関連法規には膨大な犯罪類型が規定されているため、公益通報者保護法にはどのような法律の違反行為が「通報対象事実」になるかを、同法の別表に列挙している。

 従業員による内部告発は、不祥事を明らかにすることで企業のコンプライアンス(法令遵守)を高め、ひいては消費者や社会全体の利益につながるという側面を持っている。したがって消費者や社会全体の利益のためには、他人の正当な利益(第三者の個人情報など)や公共の利益を害することがないように注意を払う必要がある。

 公益通報者保護法の大きな特徴は、通報先によって保護されるための要件が異なることである。企業内部に対する通報は、通報対象事実が発生したこと、又は発生しようとしていると思料する場合であれば保護される。また、所轄の行政機関(違反行為に対し処分・勧告等の権限を持つ行政機関)に対する通報は、通報対象事実が生じ、又は生じようとしていると「信じるに足りる相当の理由」を求められる。

1技術士 2適性  H27-09  H24-08
公益通報の対象

 公益通報者保護法は、「公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資すること」を目的とした法律である。
 公益通報の対象としては、「個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として指定された法律(これらの法律に基づく命令を含む。)に規定する罪の犯罪行為の事実」が生じ又はまさに生じようとしている場合となる。

公益通報の対象要件は、次のものがあげられる。
・事業者内部や行政機関に通報すると、解雇その他の不利益な取扱いを受けるおそれがある場合
・事業者内部への通報では証拠が隠滅されるなどのおそれがある場合
・事業者から事業者内部又は行政機関に通報しないことを正当な理由がなく要求された場合
・書面により事業者内部へ通報しても20日以内に調査を行う旨の通知がない場合
・個人の生命又は身体に危害の発生あるいは発生する急迫した危険があると信じるに足りる相当な理由がある場合

環境保全、情報セキュリティ、知的財産権/問題2 適性科目/過去問からの出題傾向

技術士第一次試験/問題2 適性科目

◎は、予想が的中したものです。

重点予想 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24
◇ 環境保全・循環型社会・リサイクル
 環境保全
 廃棄物・リサイクルに関する法律 n
 循環型社会形成推進基本法
◇ 情報セキュリティ
 情報セキュリティ n
◇ 知的財産権
 知的財産権に含まれるもの
 知的財産制度
 著作権
◇ 公益通報者保護法
 公益通報者保護法 第一条 目的
 公益通報者保護法の適用
 公益通報者保護法の特徴 n
 公益通報の対象
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 問題2 適性科目
過去問と解答速報『資格試験_合格支援隊』
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